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CESA、ゲームが人間に与える影響に関する報告書を公開
「“ゲーム脳”の結論付けは時期尚早」

10月19日 公開

 社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、同協会のホームページにて、財団法人イメージ情報科学研究所のまとめによる、「ゲームソフトが人間に与える影響に関する調査報告書」を公開した。

 この報告書は、テレビゲームが人間に与える影響についての論文をまとめたもの。近年、森昭雄氏の著書「ゲーム脳の恐怖」などで見られるように、ゲームが脳に与える悪影響が取沙汰されるようになってきているが、そのような研究が現在どこまで進められているのかが、多数の論文や文献からまとめられている。

 報告書では、テレビゲームが脳へ長期的な影響を与えることについて、森氏らの研究は問題提起として大いに意味があるとし、一定の評価を与えている。しかしながら、テレビゲーム自体がまだ発展し続けているものであり、調査・研究も決して十分とはいえないため、早急に結論を出せる状態ではないとしている。特に子供の脳に与える影響については、脳をどう使うことが望ましいのかという見解が統一されておらず、問題を分けて考えるべきだと論じている。

 報告書の結論としては、悪影響の有無についてはどちらともつかない、グレーなものとなっている。これには、「ゲームが脳に悪影響を及ぼす」という主張が実態を超えて広がりつつある現状を懸念し、それに歯止めをかけるという狙いがあるものと思われる。

 この報告書は、PDF形式で誰でも閲覧できる状態で公開されている。論文などを基にした文章なので、内容もかなり学術的なものとなっているが、どのような研究が行なわれているか興味があるという人は、一読してみるといいだろう。

□コンピュータエンターテインメント協会(CESA)のホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□ゲームソフトが人間に与える影響に関する調査報告書
http://research.cesa.or.jp/2-1.pdf(PDF形式)

(2004年10月20日)

[Reported by 石田賀津男]


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