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ビジュアルアーツ、「キネティックノベル」シリーズをブロードバンド配信 |
「planetarian ~ちいさなほしのゆめ~」に登場するキャラクタ“ほしのゆめみ” |
「キネティックノベル」の第1弾ソフトは、「KANON (カノン)」や「AIR」の制作で知られるKeyの新作「planetarian ~ちいさなほしのゆめ~」。シナリオ担当は涼元悠一氏、原画は駒都えーじ氏、音楽を戸越まごめ氏が担当している。対応OSはWindows 98/2000/Me/XPで、必須環境はCPUがPentium 300MHz、メモリが48MB、HDDが200MB、800×600 (16bit/ハイカラー/6万色) となっている。
発表会に出席したビジュアルアーツの馬場隆博氏代表取締役社長は、「現在、小説やコミック、映画など多くの物語が楽しまれている。それぞれコンテンツには長所と短所がある。WEB時代ではスピーディに楽しめることが求められている」と語り、「小説は非常に時間がかかるし、コミックは心の内面の深いところは描きにくい。映画は受動的でペースが作れない」とし、より多くの人達に楽しんでもらうために、「グラフィックや音楽などを高度なレベルで融合したキネティックノベル」が他メディアの良いところを集めた新しいメディアとして、積極的にアピールしていきたいと語った。
馬場氏はこれまで制作してきたゲームと「キネティックノベル」の違いについて、「我々がこれまで作ってきた作品は、テキストとグラフィック、音声などを融合した非常に静的な作品。これまで“ゲーム”と言ってきたが、評価されてきた点はゲーム (のシステム) 以外の部分」と分析し、「いい作品なのになぜ一般に普及しないのかと言えば、テキストだけで7MBもありプレイ時間が長く、分岐の選択肢が多く最後まで見ることのできない人もいる。そういったゲーム性を入れることで物語を楽しむことを阻害している」とこれまでのゲーム性を大胆に見直した。
「キネティックノベル」ではこういった反省点から1プレイを3時間から5時間に設定。選択肢のある作品も許容するが、選択肢があったとしても必要最低限とし、ゲーム性の見直しを行なうという。ちなみに「planetarian」では選択肢は登場しないという。また購入しやすいよう特定の店舗でしか手に入らないパッケージ販売ではなく、ダウンロード販売を採用し誰でも入手しやすくする。ゲームの価格は高いため、安価な料金設定として1作品を暫定的に1,050円とする。といった手を打つという。
ダウンロード販売を採用したことで、安定したダウンロード環境の確保のため、今回ビー・ビー・サーブと業務提携が締結されるに至った。「キネティックノベル」は1本が約50MB程度を想定して作成されているという。このため、ブロードバンド環境でのダウンロードが必須と言える。また今回の業務提携の締結により、Yahoo! BBユーザーには1週間先行販売が行なわれる。
ダウンロード販売ということで、コピー防止機能などが気になるところだが、ビー・ビー・サーブのDRMシステムを採用。ゲームはダウンロードなどによって手に入れ、別途ライセンスキーを購入。ゲーム起動時にライセンスキーを入力することでプレイ可能となるシステム。
サービス開始時点では実装されていないが、今後DRMシステムの開発は続けられ、最終的には、「キネティックノベル」は自由に配布され、一部を自由にプレイでき、気にいればライセンスキーを購入しプレイできるような流れにしたいのだという。つまりプログラムが体験版の要素も併せ持っており、1度ダウンロードすれば体験版のプレイ、そして気にいればキーを購入するだけで引き続き「キネティックノベル」が楽しめるシステムとなる。
「planetarian」の販売は11月29日からYahoo! BB会員に対して先行して行なわれ、12月6日から一般販売が開始される。第2弾作品となる「メイデンハロー (制作:ジャイアントパンダ)」は12月13日リリース (一般販売は12月20日) 、第3弾「カレと彼の間で (制作:アメデオ)」は1月17日 (一般販売は1月24日) に発売となる。
価格はすべて1,050円で、決済方法はクレジットカードのみ。今後、プリペイドカードや携帯電話のキャリアによる決済、Yahoo! BB会員の接続料金と一緒に決済させる方法などを順次導入していきたいとしている。
記者会見に出席したビジュアルアーツの馬場隆博氏 (左) とビー・ビー・サーブの孫泰蔵氏。ガッチリと協力関係を組んでいくという | 馬場氏は「選択肢を選択するなどのゲーム的な要素が物語を味わうことを阻害していた」とし「キネティックノベル」をスタート | 孫氏は、キーを販売することでゲームを楽しめるようになる「DRMシステム」の優位性を説明した |
【スクリーンショット】 | ||
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下段の左/中央のスクリーンショットは同じシーンだが、下にあるツールバーに違いがみられる。ツールバーはいくつか変更できるようだ | イベントシーンのスクリーンショット |
□ビジュアルアーツのホームページ
http://visualarts.product.co.jp/
□Keyのホームページ
http://key.visualarts.gr.jp/
□「planetarian ~ちいさなほしのゆめ~」のページ
http://key.visualarts.gr.jp/product/planetarian/
□ビー・ビー・サーブのページ
http://www.bb-serve.com/
(2004年10月19日)
[Reported by 船津稔]
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