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東京ゲームショウ2004レポート

マイクロソフト、「Zoo Tycoon 2」を日本語版で出展
フル3Dになって新しく生まれ変わった最新作はカップルや女性に大人気

9月24日~26日 開催(24日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,200円(小学生以下無料)

 今年もXboxタイトルを自社ブースに勢揃いさせ、自社プラットフォームを積極的にアピールしたマイクロソフト株式会社。サードパーティーまで含めるとその数は40タイトルにものぼる。土日の一般公開日でも多くのユーザーを集め、Xboxの勢いを感じさせてくれたが、そんな中、PCゲームも1点だけ出展されていた。本稿では、唯一のPCタイトルである「Zoo Tycoon 2 日本語版」のレポートをお伝えしたい。


■ 「Zoo Tycoon 2 日本語版」の発売日は今冬

Xboxタイトルの中に混じって出展されていた「Zoo Tycoon 2 日本語版」。2台のみの出展だったが、多くの来場者が詰めかけた
マイクロソフトのステージイベントで「Zoo Tycoon 2」を紹介するプロダクトマネージャーの風間氏。「遊ぶのも学ぶのも楽しいゲームです」と紹介
時が経つのも忘れてプレイに没頭する女性来場者。「遊び方を覚えるのが難しい」という反応が多かった。チュートリアル必須のゲームデザインは変わっていないようだ
 「Zoo Tycoon 2」は、今年のE3で初公開された「Zoo Tycoon」シリーズ第2弾。経営シミュレーションゲームというと、日本ではどちらかといえばマイナーなゲームジャンルだが、欧米ではWill Wright(「Sim City」のクリエイター)や、Chris Sawyer(「RollerCoaster Tycoon」シリーズのクリエイター)といったメジャーなクリエイターが数多く存在することでもわかるように、FPSやRTSに勝るとも劣らぬメジャーなゲームジャンルのひとつだ。

 「Zoo Tycoon」は、その中でもずば抜けた売り上げを誇る人気シリーズで、アドオンも含めて世界で400万本を売り上げている。この大ヒットの理由はいろいろ考えられるが、ひとつはChris Sawyerの「RollerCoaster Tycoon」にも通ずるディテールにこだわったゲームデザイン、それからWill Wrightの「The Sims」シリーズにも通ずる、ダウンロードによる新しい動物や建物などの配布やアドオンの発売といったユーザーに対する面倒見の良さ、などが上げられる。開発元のBlue Fang Gamesは、'98年設立の新参メーカーだが、ゲームの売れるツボをよく心得たメーカーといえる。

 その人気シリーズの3年ぶりの新作となるのが「Zoo Tycoon 2」だ。北米では今秋の発売が予定されており、マイクロソフトブースではかなり完成度の高いバージョンが出展されていた。よく見るとすでに日本語仕様となっていて、日本語版の発売も順調に進んでいることを伺わせてくれた。

 「Zoo Tycoon 2」は、無数のXboxタイトルが並ぶMSブースでは例外的な存在で、ある意味ゲリラ的な出展だったが、日本語版での出展のためか、来場者の食いつきもよく、特にカップルや女性たちが熱心に、しかも長時間にわたってプレイする姿が見られた。

 女性と長時間というのが、同作を特徴づけるキーワードで、女性が長時間プレイする秘密は、インターフェイスの可愛らしさに加えて、「たまごっち」的な動物飼育の楽しさにありそう。「Zoo Tycoon 2」では、FPSの視点で動物園経営者として直接動物園の模様を視察したり、動物の世話を焼くことができるようになっている。

 これは動物たちが遊んだり、寝たりしているのを間近で観察できるだけでなく、動物たちのフンの掃除やエサ、水の取り替え、体の手入れなどもできるという機能で、動物たちとのふれあいがなかなか楽しい。操作もWSADキーで移動、スペースキーでアクションとPCの扱いに不慣れな人や子供でも楽しめるほどシンプル。フォトモードに切り替えれば、自由な視点から写真を撮ることも可能。パンダを購入して、自分も子供たちと一緒に観察するといった楽しみ方も可能。前作に比べ、ユーザーの遊び方の選択肢が格段に増した印象だ。

 基本的なゲームモードは、キャンペーン、チャレンジ、フリーの3種類。中でも今回新しいのフリーゲームで、予算無制限となっているため、経営を度外視して自分の思い通りの動物園をいきなり作成することができる。厳しい制限下で動物園経営を成功させていくチャレンジゲームは、クリアするたびにアイテムや寄付金が手に入るという、やりがいのあるゲームモード。鑑賞メインの初心者から、経営シムをやり込んでいるコアユーザーまで、幅広いニーズに対応した内容になっているようだ。

 またマイクロソフトらしいギミックとしては、「マイクロソフト エンカルタ 総合大百科 2005」との連動機能がある。動物や植物の基本的な情報は、購入時にダイアログで概要が表示されるが、今回はさらにエンカルタから抜粋したテキストデータで、詳細情報を確認することができる。これは「Flight Simulator 2004」でも採用していたギミックだが、「Zoo Tycoon 2」は外部デベロッパーの作品である。同社が「Zoo Tycoon 2」に対して力を入れている何よりの証拠だろう。

 ひととおりプレイしてみた限りでは、今秋発売予定といっても10月にマスターアップ、11月に発売という感じにはほど遠く、パフォーマンスの最適化作業にかなりの時間が掛かるものと見られる。私だけでなくブースで実際にプレイした人は、残らず「動作が重い」という印象を持ったはずだが、この問題を解決してからの発売となりそうだ。

 前作が2Dだったのに対し、今回は新開発のフル3Dエンジンによる3Dグラフィックスのゲームとなっており、一画面内に収まるオブジェクトの数が飛躍的に増えているのが重くなっている原因。個人的には、長く楽しめる名作となるためにもじっくりパフォーマンスの最適化作業に取り組んでほしいところだ。

よりわかりやすく、可愛らしくなったメニューウィンドウ。真ん中の「生態系選択画面」では、草原、サバンナなど生体系別に購入するアイテムがカテゴライズされており、前作のようにうっかり生態系の異なる木を植えて動物が不満を覚えるといった凡ミスを、この新機能を使うことで防ぐことができる。初心者にはありがたい機能だ

可愛らしい動物たち。3Dになったことで「子供の動物」や「親子のふれあい」といった要素が盛り込めたのが大きい。時が絶つに連れ子供は成長し、大きくなる。また昼夜の概念もあるため、昼と夜で活動している動物も異なる。ちなみにご機嫌アイコンがいっぱい出ている画面は、パンダの芸に満足した来場者たちを映している。3Dになったことで動物たちの芸がどう進化したのかも見所だ

□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/games/
□「Zoo Tycoon 2 日本語版」のホームページ
http://www.microsoft.com/japan/games/zootycoon2/
□関連情報
【5月13日】Microsoftブースレポート PCゲーム編
ベストセラーの続編「Dungeon Siege 2」、「Zoo Tycoon 2」が登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040513/e3mspc.htm

(2003年9月26日)

[Reported by 中村聖司]


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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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