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【東京ゲームショウ2004】

TGS2004イベントレポート~カプコン編~
開発者のレアトークが満載!

9月24日~26日 開催(24日は終日ビジネスデー)

会場:日本コンベンションセンター(幕張メッセ)

入場料:1,200円(前売1,000円)、小学生以下無料


 「東京ゲームショウ2004」カプコンブースのイベントレポートをお届けする。どれもファン必見の内容となっているが、PS2「シャドウ・オブ・ローマ」は唯一映像のみの出展となっているだけに、開発者のコメントや画像からさまざまな情報を想像するだけも楽しめるのではないだろうか。イベントは26日にも開催されるため、余裕がある人はぜひとも会場に直接足を運んでいただきたいところだ。


■ PS2「デビル メイ クライ 3」開発者デモプレイ

 PS2「デビル メイ クライ 3(DMC3)」ステージには、プロデューサーの田中氏とチームプランナーの三小田氏が登場。アシスタントの女性から「DMC3」のコンセプトを質問されると「1のジャンル名が“スタイリッシュハードアクション”、2のときが“スタイリッシュハイアクション”。今回は“スタイリッシュクレイジーアクション”ということで、やりすぎ感……クレイジーという名前のごとくやりましょう、というのがコンセプトです」と説明してくれた。

 今作の特徴は“スタイル”が導入されたことが第一にあげられる。攻撃方法をカスタマイズしたりパワーアップさせることで、自分だけのオリジナルキャラクタが作り上げられる。三小田氏によれば「英語には“My Dante(マイ ダンテ)”っていう言い方はないらしいんですけど、ボクらは常に自分のダンテ=My Own Dante(と呼んでいる)」という。

 スーパーデモプレイは、体験版のミッション1からスタート。同じ攻撃ばかり続けていくとゲージが上がりにくいため、敵を手玉にしながら、大技、挑発、避けを織り交ぜながらコンボをつなげていくとゲージが良く伸びるなど、細かいテクニックが披露された。ミッション1ということで登場する敵キャラクタが少なくコンボがつなげにくい状況ながら、堅実な攻撃で地道にコンボをつなげていく。

 画面で見る若かりし頃のダンテは、初代「DMC」とは異なる“挑発的な言動”が目に付くが、三小田氏によれば「最初に『主人公は1より前の(時代の)ダンテにしよう』と決まったとき、若さゆえのクレイジーさみたいなモノを出していこうと話をした。だから、1の頃と違って良くしゃべる」からだという。

 デモプレイは、1面ボス「ケルベロス」が倒されたところで終了。最初にショットガンやハンドガンで表面の氷を剥がす、3つある頭それぞれの“目の色”で攻撃パターンが異なるなど、攻略ポイントを判りやすく解説してくれた。

 イベントの最後には、おととい収録したばかりという最新バージョン(完成度:約70%)のデモプレイムービーが披露された。本邦初公開となる敵キャラクタがたくさん登場しているが、今後さらにブラッシュアップされるほか、キャラクタ自体が変更や削除などで無くなる場合もあるという。まさに“ここでしか見られない超貴重な映像”といえるため、気になる人はイベント会場に足を運ぶしかないだろう。今冬発売予定。




■ PS2「シャドウ・オブ・ローマ」開発者トークショー

 重々しい雰囲気のデモムービーが流された後、ステージにプロデューサーの小野氏が登場。独特の軽いノリで、重厚なテーマを持つゲーム内容をわかりやすく解説してくれた。

 PS2「シャドウ・オブ・ローマ」は、アメリカで5月に開催されたE3で初公開された作品。約2,000年前の古代ローマが舞台で、初代ローマの皇帝“シーザー”の暗殺がモチーフになっている。シーザー暗殺では“ブルータス、お前もか”という台詞が有名だが、小野氏によれば「ブルータスは、日本でいえば“太郎”や“次郎”と同じくらい一般な名前。つまり“どのブルータス”暗殺にまつわるさまざまな根拠や諸説をピックアップしながら、カプコンなりの仮説を立てつつ、なるべく史実に近いスタイルで謎を解いていくゲームになっている」という。

 ゲームは、実在したふたりの人物「アグリッパ」と、その友人の「オクタビアヌス」が主人公。「アグリッパ」は、シーザーに軍事的才能を認められ若くして隊長に抜擢された勇敢な兵士。シーザーが暗殺されたとき、アグリッパはゲルマン領を目指して進軍している最中だったが、訃報をきいてローマに帰還。そこで彼は、自分の父が「シーザーを殺した犯人」という濡れ衣を着せられていたことを知る。父を助けるため、アグリッパは“剣闘士”になることを決意。剣闘士は、大会で優勝すると処刑人になることができる。処刑人になれば、父を助けることが可能になるかもしれないからだ。

 ゲームでは剣闘士たちの戦いが描かれることになるが、小野氏によれば「ここが日本で発売されるかどうか(迷った)」というポイントだったという。というのも、劇場映画「グラディエイター」などで描写されているように、剣闘士たちの戦いは“貴族たちの見世物”すなわち“残虐ショー”だったことに起因する。ゲーム中でも、剣闘士たちの血なまぐさい戦いがダイレクトに描かれている。禍々しい武器、闘技場内に仕掛けられたギロチンなどのギミックも、きちんと描かれている。ゲーム的なディフォルメは施されているが、デモ映像を見る限り、武器や凶器で命のやりとりをするアクションシーンは“バイオレンス”なテイストに満ち溢れている。

 ゲーム的なディフォルメに関しては、「鬼武者」シリーズでおなじみの稲船氏が担当。ただ単に武器で殴ったり斬りあうだけではなく“頭を使う”のがポイントになるという。具体例としては、画面右下に表示される“カルマポイント”を上げていくことで、先のステージに進めたり、新しい武器などがもらえる。ひたすら敵を倒しても先に進めるが、倒し方を工夫すると観客が盛り上がり客席から肉が投げ入れられるなど、さまざまなメリットが得られる。敵も人間だけではなく、虎や象などの猛獣と戦うケースがあったり、闘技場だけではなく劇場映画「ベン・ハー」などでおなじみの戦車レースも用意されている。こちらも、ただレースに勝つだけではなく、観客を沸かせるレース展開をすると、さまざまなメリットが得られる。

 戦いを中心としたアグリッパに対して、オクタビアヌスを操作するパートは“スニーキングアクション”が中心になる。オクタビアヌスの使命は、アグリッパの父の無罪を証明し、大叔父であるシーザー暗殺の謎を解くこと。腕力がない彼は、腕力任せに戦うのではなく、さまざまなシチュエーションを利用した“頭脳プレイ”で難局を乗り越えていく。イベントでは“バナナの皮”を使ってターゲットを転ばせるという、ある意味とてもベタな頭脳プレイが披露された。

 ただし、こうしたパズル的な要所のクリア方法は、画一的なものにはならないという。“答えはひとつ”ではなく、プレーヤーが智恵や工夫を凝らせば、それぞれ違ったパターンでクリアが可能。状況によっては開発サイドが想定もしていないクリア方法も十二分に考えられる。このあたり、いちどクリアした後でも「今度は違ったパターンでクリアしてみよう」など、何度も楽しめる奥深い作品になりそうだ。

 気になる国内発売の時期は、小野氏によれば「2005年……コートを着てるとか、脱ぐとかいってる頃までに提供したい」とコメント。なんとも微妙な時期だが、海外発売とのタイムラグをなるべく少なくしたいという小野氏の言葉を信じて、正式発売を指折り数えて待つとしよう。




■ PS2、GC「キラー7」開発者トークショー

 「キラー7」開発者トークショーは、プロデューサーの小林氏とディレクターの須田氏が登場。これまでイベントを仕切っていた女性アシスタントをステージから追い出し、ふたりで椅子にドッシリと腰をすえて「男の語り部屋」と称しつつ面白トークを展開してくれた。

 本作のタイトルにもなっている“キラー”は、殺し屋の意味。主人公は「ハーマン・スミス」と呼ばれる車椅子に乗った老人。虐待されると7人の人格が生霊になり、7人の人格をTPOに応じて使いわけながら爆破テロを画策する敵組織「7スマイル」を倒していく。ハーマンは某合衆国に政府に雇われた殺し屋で、7スマイルは某東の大国に所属。キラー7と7スマイルの対立は“両国の代理戦争”といった様相を呈しているという。

 キラー7は、「ガルシアン・スミス」、「マスク・ド・スミス」、「ダン・スミス」、「コヨーテ・スミス」、「ケヴィン・スミス」、「コン・スミス」、「カエデ・スミス」の7人(正確には生霊)で構成される。黒人のガルシアンは、キラー7のリーダー格。戦闘が不得意な彼は、他の人格が死んだときに死体を回収するのが役目。須田氏によれば「キラー7は何回も死ぬ。ガルシアンがいれば大丈夫だが、ガルシアンが死ぬとゲームオーバー」になるという。

 マスク・ドは、元NYのメインイベンター。不慮の事故で死んだ……とあるが、実際には須田氏が重度のプロレスマニアのため登場したキャラクタだという。ダンは主役的な役割で、スタンダードな使いやすさが特徴。デバッガーにも人気が高いという。一方、南米のチンピラという設定のコヨーテはデバッガーの不人気キャラ。ただし、コヨーテを使わないとクリアできない局面があるため、使わずに済ますことはできない。ケヴィンは唯一のナイフ使いで、銃を使う他のキャラクタと違いリロードが不要。コンは華僑の子供という設定。目が見えないものの聴覚と脚力に優れ、2丁拳銃の使い手で戦闘に関しては非常に面白いキャラクタに仕上がっているという。

 カエデは、須田氏いわく「頭のネジが1本取れた」ような女性。手首を切った際の血飛沫を武器に使う過激なキャラクタで、いわば「キラー7のキャプテン・サワダ」とでもいうべき存在か。キャラクタの切り替えは、恒常的に使えるガルシアンが“TVに入る”という一風変わったシステムを採用。TVに入れば、誰にでも変更できるという。主人公のハーマンはゲームにあまり登場しないが、ストーリーを進めるうえでの語り部的な位置付けになっているようだ。

 ストーリーは全6話のオムニバス構成。トゥーンシェードやアニメーションには“ダーク”あるいは“ブラックペーソス”とでもいうべき独特のテイストが滲み出ている。発売日は2005年春頃の予定。ちょっと変わったアクションアドベンチャーを体験したい人は「キラー7」をチェックしておくといいだろう。




■ PS2「ティム・バートン ナイトメアー ビフォア クリスマス ブギーの逆襲」

 初手から「はい、どうもどうもコンニチハ~。よろしくどうぞ~。緊張しますよ~、今日シラフですからね~。イケてないと思いますケド。ほら笑わない、そこ!(笑)」などと飄々とした語り口でラインプロデューサーの竹下氏が登場。信憑性を損なわない程度に(?)これまた飄々とゲームの魅力を語ってくれた。

 本作は、映画監督のティム・バートン氏がキャラクタ原案と制作を手がけたストップモーションアニメ「ナイトメアー ビフォア クリスマス」の続編として制作されたアクションアドベンチャー。ハロウィン・タウンを歩き回りながら、住人と会話をしたり、敵と戦うといった冒険が楽しめる。このあたり、原作を知らない人は楽しめないのか? と思われたが、竹下氏によれば「マニアはもちろん、何にも知らない初心者でも十分プレイできる」という。

 プレーヤーが操作するのは、もちろん主人公のジャック。ジャックはリアルタイムにサンタジャック、パンプキンキングとコスチュームを変更できる。コスチュームを変えれば、プレゼント攻撃や火炎放射など攻撃パターンが変化する。ノーマルジャックは、モンスター“ソウル・ラバー”を武器にして戦う。ソウル・ラバーはムチのように使えるため、グルグル回して叩いたり、つかんで投げたり、ムチそのものを敵にぶつけたりできる。インディ・ジョーンズのようにオブジェクトにまきつけて移動するといった使い方も可能。

 キャラクタの動きは、実になめらか。原作の雰囲気を損なうことなく、インタラクティブに楽しめる点が実に素晴らしい。ボス戦では「ミュージカル・バトル」といったゲームならではの特殊アクションが堪能できる。「ミュージカルバトル」は、ゴーストを倒して“音符”を獲得し、ゲージをためると使用可能になる。画面に表示されるボタンをタイミングよく押してボスに大ダメージを与える。タイミングが合えば背後にバックダンサーが表示されるなど、見た目にも非常に楽しげだ。

 ティム・バートン氏と共同制作している証明(?)として、ロンドンで撮影されたティム氏とのミーティング風景などの映像が公開された。ミュージカルバトルはティム氏も気に入ってくれたといい、満面の笑顔で「凄くいい!」と誉めてくれたという。なお、当初提示した映画ベースのジャックの姿については「実はアレ、気に入らなかったんだよ!」とティム氏が即座に新しいコスチュームをデザインしてくれたというから驚き。いかにティム氏がPS2「ナイトメア ビフォア クリスマス ブギーの逆襲」を気に入ってくれているかが如実に伝わるエピソードといえるだろう。10月21日発売。価格は7,140円



□東京ゲームショウ2004のホームページ
http://tgs.cesa.or.jp/index.htm
□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□関連情報
【9月24日】TGS2004ブースレポート~カプコン編~GC「biohazard4」に注目が集まる
http://watch.impress.co.jp/docs/20040924/tgs_c.htm
【9月24日】東京ゲームショウ2004開幕。SCEJが「PSP」をついにお披露目「ドラゴンクエストVIII」、「METAL GEAR SOLID」など大作も続々登場
http://watch.impress.co.jp/docs/20040924/tgs01.htm

(2004年9月25日)

[Reported by 豊臣和孝]


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