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【東京ゲームショウ2004】

TGS2004 「コナミMGS3特設ステージ」イベントレポート

期間:9月24日~26日 (24日はビジネスデー)
会場:幕張メッセ

入場料:1,200円(前売1,000円)
    小学生以下無料


 コナミブースの一角には緑一色でペイントされたジャングルをモチーフにした「MGS3特設ステージ」が設置された。ここでは9月25日のユーザーズデーに、特設ステージで開催されたPS2「METAL GEAR SOLID 3: SNAKE EATER (以下、MGS3)」と、PSP用ソフト「METAL GEAR ACID」のイベントの模様を随時紹介していこう。

 ステージのビックビジョンには東京ゲームショウ2004が初出となるトレーラーが流された。10分ほどの映像の中で、ザ・ボスとスネークの人間模様を中心に、舞台背景や敵対する存在の面々などが次々と公開された。中でも、オセロットがガンマンのように延々と二挺拳銃をクルクル回すシーンや、5人の中ボス的存在であろう「ザ・ペイン」、「ザ・フューリー」、「ザ・フィアー」、「ザ・ソロー」、「ジ・エンド」が次々と名乗りを挙げるシーンは、往年のスパイ映画の名ライバルたちを彷彿させる熱い出来栄えであった。




■ 日本時刻 10:00 【SURVIVAL1 PROLOGUE】

 わずか20分と短いものの、「MGS3」のトータル紹介、発売日の発表など様々な仕掛けで来場者を魅了した【SURVIVAL1 PROLOGUE】。ここでは、映画「スカイハイ」などで活躍中の女優・菊地由美さんとコナミの倉野さんが司会を務めた。早速登場したのはメタルギアシリーズの生みの親としておなじみの小島秀夫監督。

 まずは近況として「今はゲーム制作の追い込みの真っ最中。自分で言うのもなんだけど、面白すぎ。こんなもん出したら、他のゲームクリエイターは困るんちゃうか?」と強気のコメント。ハードな開発状況の中にあっても、余裕のあるリップサービスを見せた。

 続いて、「MGS3」の正式な発売日と価格が告知された。通常版、限定版ともに2004年12月16日発売予定。「METAL GEAR SOLID 3: SNAKE EATER PREMIUM PACKAGE(仮)」は、価格13,440円で豪華ブックレット(2種)、映像特典スペシャルDVD、シャゴホッドの1/144スケール ディスプレイモデル(塗装完成済み)が特典として付属するという。通常版は価格7,329円とのこと。小島監督は「スペシャルDVDは1時間以上のボリューム、豪華ブックレットのうち1種類はペーパーバックで400ページ以上ある」と特典の一部を明らかにした。実際に展示されていたものを見るに「こんなに特典を付けて、アカは出ないのかな……」と逆に心配させる豪華さであった。

 その後、話題は司会の菊地由美さんに移り、小島監督が隠していたというある仕掛けが公開された。ブラックバード戦闘機を操縦しているスネークのムービーシーンでR1ボタンを押すと、スネークが天井を見上げそこには菊地由美さんのポスターが貼ってある、というドッキリだ。小島監督によるとこのような仕掛けが随所に仕掛けられているらしい。

 イベントの最後にはゲストとして、株式会社エンターブレインの浜村氏が登場。「僕は『メタルギア』シリーズのMSX時代からのファン。小島さんといえば、MSX関係者のカリスマでしたよ。『MGS3』は1つの作品として面白いです。『MGS1』、『MGS2』でどんどん広がりを見せたが、『MGS3』では凝り具合が変わった。小島さんは関西出身でサービス精神旺盛な人だから、きっと楽しませてくれるはず」とメタルギアシリーズへの入れ込みようを語り、小島監督を評価した。

 当の小島監督は浜村氏と海外のゲーム事情の話で「日本のゲームクリエーターは元気がない。海外に負けてる。今回の『MGS3』では海外ゲームの持つセンスを多く取り入れました」とマジメなコメントをする一方で、「僕は『MGS』が好きな人のためにやってますからね。ライトユーザーなんか●●でしまえ! 11月に他のゲームなんか買うやつはやらんでええわー!」と過激なジョークが飛び出した。しかし、その熱意はステージイベントに訪れたファンに通じたようで、会場からは大きな拍手が巻き起こった。


■ 日本時刻11:00 【SURVIVAL2 SYSTEM】

 ここでは「MGS3」のシステムが実演された迷彩パターンや姿勢などで周囲の環境に溶け込む「CAMOUFLAGE」と、スネークのスタミナゲージを回復させるためにジャングルの動植物を捕獲し食べる「FOOD CAPTURE」。そして、戦闘システムの「CQC」と東京ゲームショウ2004が初出となる医療システム「CURE」が公開された。司会は坂内さんとコナミの倉野氏。プレイの実演は開発スタッフの今泉氏が行なった。

 「CAMOUFLAGE」と「FOOD CAPTURE」については本誌の既出レポート記事を見ていただくとして、ここではブースで詳細に説明された「CQC」と「CURE」に的を絞って紹介していこう。

 「CQC」とはクロースクォーターコンバット(近接戦闘術)の略。ジャングル、室内での接近戦に効果的で、「MGS3」ではつかんだ敵を投げる、盾にする、床に倒して脅して情報やアイテムを入手する、といったことが可能。ここで「MGS3」のモーションキャプチャーを監修した軍事アドバイザーの毛利元貞氏がゲストとして登場。

毛利氏は「CQCは実際の特殊部隊も使用する戦法で、かなりギリギリのリアルさがある」と「MGS3」を評価。敵を引き倒すという戦い方は、「柔道や合気道が応用されているのではないか」とコメントした。さらに、毛利氏が実際に開発スタッフ数十名を山中に引き連れ、「CQC」について演習する映像が公開された。毛利氏の指導のもと、小島監督が組み手の相手を引きずり倒すシーンなどでは会場からどよめきが起きた。この必要とあれば訓練をも辞さないという徹底したこだわりが、「MGS3」の世界に比類なきリアリティを生むのだろう。



 「CURE」は読んで字のごとく、スネークが負った傷を治すシステム。メニューからCUREを選択することで、スネークの全身のダメージが表示される。「ヒルに吸い付かれている」状態は葉巻をヒルに当てて焼き殺す、骨折は包帯を巻くなどして対処する。CUREはパーセンテージで表示され、0%は何も処方がされていない状態。包帯を巻くと40%にまで回復し、骨折部位に固定具を当てると100%になり、完治するという具合だ。また今泉氏は「スネークには自然治癒能力もあり、矢が何十本と刺さった状態でもエンディングを見ることができます」とコメント。このコメントから察するに、どうやら必ずしも「CURE」とする必要はないらしい。とはいえ、迅速な「CURE」がゲームを円滑に進めるということに間違いはない。



 最後にスネークの迷彩パターンを募集した「カムフラージュキャンペーン」の採用作品発表会が行なわれた。有効作品5,482点の中から選ばれたのは「suna-nami wrap(豹柄)」、「SAMANOTERENCE(包帯柄)」、「BANANA(バナナ柄)」、「Lucky Boy(排泄物柄)」。

 採用作品はゲーム内のカムフラージュパターンとして採用されることが説明され、特にバナナ柄と排泄物柄をスネークに着させるとなにか特殊な効果があるとのことだ。




■ 日本時刻12:00 【NEXT METALGEAR -STAGE ACID-】

 このステージイベントでは、プレイステーション・ポータブル用ソフト「METAL GEAR ACID」の紹介が行なわれた。同作のディレクターである野尻氏、ラインプロデューサーである日並氏が登場した。

 まず、実際のプレイムービーがモニターに映し出された。すでに実機として会場に出展されていることもあり、ターン制バトル、へックスでのMAP移動、カードを使った移動・戦闘システムなどの詳細が一目で分かる構成となっていた。



 司会者の「METAL GEAR ACID」の“ACID”の意味を教えてほしいという質問に、日並氏は「この“ACID”は小島秀夫監督に付けて考えてもらいました。音楽の新しいジャンルにアシッドテクノなどがありますが、そのような今までとは異なるメタルギア、いわば“アシッドメタル”という意味が込められていると思います。また、その他にも色々な意味が込められています」とコメントした。

 さらに司会者のキャラクタイラストのテイストが変わっている、というツッコミには野尻氏が「今回のビジュアルは『アヌビス ZONE OF THE ENDERS』のイラストを描いてくれた、政尾翼氏にお願いしました」と答えた。たしかにメタルギアシリーズの持つ力強さの反面、どこかクールな印象を受ける絵になっている。



 ここからはさらにゲームの中身に踏み込んだトークとなっていった。日並氏は「この『METAL GEAR ACID』の時代設定は『METAL GEAR SOLID 2』の後の世界です。ストーリーは、アメリカ上空で起こった航空機ハイジャック事件の解決を、アメリカ政府からソリッド・スネークに依頼されるというものです。ゲームはミッションクリア型で、1ミッションは15分から30分くらいになります」とコメント。携帯ゲーム機として考えると、1ミッションが15分程度というのはプレイしやすいサイズといえるだろう。

 また、野尻氏は「このテリコという女性キャラクタはスネークの潜入ミッションの前に先行した特殊部隊の生き残りです。時にはテリコもプレーヤーキャラクタとなり、テリコとスネークを同時に操作するシーンもある」と語った。

 この2人同時操作の意味は、プレーヤーターンにスネークとテリコを順番に動かすのか、それとも本当に2人同時に操作するのかは語られなかった。今後、続報が入り次第お伝えしよう。

 続いては、「METAL GEAR ACID」を代表するカードシステムに話が移行した。

 「METAL GEAR ACID」は、スネークの移動手段、攻撃手段としてキャラクタや武器、医療品が描かれているカードを使用する。このカードを「MOVE」として使うことで、へックスで区切られたマップ上をスネークが移動。「USE」として使えば武器や体力回復として使うことができる。日並氏によると「カード枚数は200枚以上。今までの『メタルギア』シリーズに登場したキャラクタやスキルが登場する」とのこと。たしかにメリルやロイ・キャンベルなどシリーズにゆかりのある人物のカードが画面には映し出されていた。

 最後に野尻氏は「この『METAL GEAR ACID』はまったく新しいメタルギア。ぜひ、皆さまに会場で体験してほしい」とコメントした。日並氏は「現在、鋭意製作中です。PSP本体との同時発売を目指します」と力強いコメントを残した。


■ 日本時刻14:00 【SURVIVAL3 ~MAKING~】

 このステージイベントは、小島秀夫監督が司会者とともに「MGS3」の制作秘話を語っていった。このプログラムは日替わりであり、ユーザーズデー初日のテーマは、ゲームの中でスネークや敵の動きに用いられている技術「モーションキャプチャー」。ゲストとして実際にアクターをステージ上に招き、収録現場の映像を交えてのトークショーが行なわれた。

 登場したアクターはスネーク役の吉田氏、ザ・ボス役の平田氏、オセロット役の金澤氏の3名。収録現場では、アクターたちは身体にマーカーを付け、CQC(近接戦闘術)の動きや、アドバタイズデモのワンシーンの動きのデータを収録。また、アクターの動きと同時に、アクターに接するオブジェクトにもマーカーを付け「馬」や「バイク」に乗るシーンのデータを集めていた。


 アクターと開発チームによる収録期間はなんと半年以上。まるで家族のように親しい関係になっていたという。スネーク役の吉田氏は「厚い台本が3冊ほどあり、覚えるのに苦心した。また、ラブシーンもあり、そこの収録シーンはやるまでがとても緊張した。当日はやるしかないと思った」とコメント。ザ・ボス役の平田氏は「モーションキャプチャーもCQCも初めての体験でとても大変だった。ザ・ボスのストーリーを全て把握した上で動きを付けたが、初めてストーリーを聞いたときは目が潤んでしまった」とした。オセロット役の金澤氏は「小島監督に自分の考案したアクションを提案して色々と取り入れてもらえたのが嬉しい。私がイメージしたとおりにオセロットを演じた」と撮影風景を振り返った。イベントの最後には、三者がステージ上でアクションを実演。間近で見るアクターの流麗な動きは、来場したファンの目に焼きついたことだろう。





■ 日本時刻16:00 【SURVIVAL4 THE APE】

 「MGS3」特設ステージイベントの最後を飾るのは、「SURVIVAL4 THE APE」。ここでは、ソニー・コンピュータエンタテインメントのタイトル「サルゲッチュ」シリーズの人気キャラクタ「ピポザル」が登場。なぜ、「MGS3」ステージに猿が……と首をかしげずにはいられない波乱に満ちたステージとなった。

 ステージ上にはピポザルの着ぐるみ、小島秀夫監督、SCE制作プロデューサーで「サルゲッチュ2」でディレクターを担当した太田直仁氏が登場。ここで「MGS3」には本編とは別に、スネークとピポザルが競演する「猿蛇合戦」というゲームモードが収録されていることが公開された。気になるゲーム内容だが、ジャングルの中を逃げ回るピポザルをスネークが気絶銃で気絶させ、一定数のピポザルを捕獲するというもの。ちなみにこの「猿蛇合戦」は隠し要素ではなく、デフォルトで用意されているゲームモードだという。


 筆者のみならず会場が爆笑していたのはスネークのボイス。声優大塚明夫氏の野太い声で「ゲッチュ!」と叫ばれた日には笑うしかない。さらに台詞もギャグを真剣にやっている感じでシュールな笑いを誘う。キャンベルからの通信でピポザルの捕獲を依頼されたスネークが「猿の捕獲なら、カケルかヒカルに任せればいい」と言い放つシーンは思わず「アンタずいぶん詳しいやないの!」と誰しもが心の中でツッコむポイントだ。


 小島監督はコラボレーション実現の経緯について「今回の「MGS3」はジャングルが舞台の1つ、ジャングルといえば猿しかない(笑)。実は僕は『サルゲッチュ』の大ファン。2年前に太田氏と雑誌の対談でお会いして、何か一緒にやりたいですね、という話になった。さらに1年後にメタルギア開発チームとサルゲッチュ開発チームの飲み会を行ない交流を深めました。そして、ピポザルを試しにジャングルに置いてみたところ非常にマッチしたためにコラボレーション企画を提案しました」と語る。太田氏は「私も『メタルギア』シリーズは大好きなので、やるしかないと思いました(笑)」とコメント。

 さらに太田氏の口から「サルゲッチュ」の続編を鋭意製作中であることが語られ、ゲーム内に「スネーク」を登場させることが発表された。こちらの情報も追いかけていきたいところである。

 最後に小島秀夫監督は「現在は最終調整の真っ最中。皆さん大いに期待してください。明日の東京ゲームショウ2004の最終日もイベントステージがあり、プログラムが違うのでぜひご来場ください」とイベントを締めくくった。


(C)1987 2004 Konami Computer Entertainment Japan
※(C)Sony Computer Entertainment Inc.“サルゲッチュ”および“ピポザル”は、株式会社ソニー・コンピューターエンタテインメントの登録商品です。

□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□「METAL GEAR SOLID 3: SNAKE EATER」のページ
http://www.konamijpn.com/products/mgs3/japanese/
□「コナミ 東京ゲームショウ2004 特設サイト」のページ
http://www.konami.co.jp/ja/tgs2004/
□関連情報
【9月24日】コナミ、PS2「METAL GEAR SOLID 3: SNAKE EATER 」
発売日が12月16日に決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040924/mgs3.htm

(2004年9月25日)

[Reported by 福田 柵太郎]

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