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米Microsoft、Bungie Studiosも入居するXbox開発拠点 |
会場:米レドモンド Millennium
■ Xbox Liveを通したワールドワイドでの対戦プレイをいち早く体験
体験会が開催された、米国ワシントン州レドモンドにある「Millennium」。Xboxの開発チームや、Microsoft Game Studiosのスタジオも入居している |
Millenniumといえば、Xboxの開発拠点であると共に、Microsoft Game Studiosの有力スタジオが入居している施設である。もちろん、「Halo 2」の開発スタジオであるBungie StudiosもこのMillenniumに入居している。つまりBungie Studiosのすぐ隣で「Halo 2」最新バージョンの体験会が開催された形だ。
体験会という言い方をしたことには理由がある。今回のイベントは、開発スタッフが「Halo 2」を詳く解説するというのではなく、「Halo 2」の最新バージョンをとにかく時間の許す限りプレイしてもらおう、というものだったからだ。今年のE3でも、「Halo 2」のプレイアブルデモが行なわれたが、実際にプレイできたのはごく限られた関係者のみで、プレス関係者といえどもE3では「Halo 2」を体験できなかった人が大半を占めていた。また、開発元のBungie Studiosは、「Halo 2」に関する情報を完全にコントロールしており、プレス関係者にも情報がほとんど流れてきていない。
ただ、「Halo 2」は世界的に注目されているビッグタイトルだ。そのため、世界各国のプレス関係者からなんらかの不満の声が上がっていたとしても不思議ではない。そこで、プレス関係者を集めて「Halo 2」をプレイしてもらい、雑音を封じようという意味もあったのだろう。とはいえ、今回世界中のプレス関係者がいち早く「Halo 2」を体験できたのは間違いない。
さて、今回体験できた「Halo 2」は、8月1日時点での最新版であった。当日会場に集まったのは、日本人プレスを含め総勢24人ほど。そして、その24人が「Halo 2」の対戦プレイを楽しんだ。ちなみに、E3のプレイアブルデモは、その場に集まった10人による対戦プレイが可能であった。今回の体験会でも、まず最初はその場に集まった24人と、Bungie Studiosのスタッフを含めたプレーヤーでの対戦プレイが行なわれた。
しかし、その対戦プレイは、クローズドネットワークではなく、Xbox Liveに接続されてのものであった。しかも、最初の対戦以降は、全世界で「Halo 2」のオンラインβテストを行なっているMicrosoft関係者も含めた、Xbox Live経由でのオンライン対戦が体験できたのだ。どの程度の人数がβテストに参加していたのかは不明だが、オンライン対戦メニューのマッチメイキングの画面には、常に複数のホストゲームがリストアップされ、世界中のプレーヤーが「Halo 2」を楽しんでいることが確認できた。
Xbox Live経由での対戦プレイだが、とにかく非常にスムーズであるという印象を受けた。筆者の感覚ではあるが、ラグを感じることもなく、クローズドネットワークでのプレイとの違いは全く感じなかった。ボイスチャットの声が届くには、他のゲームをXbox Live経由でプレイした場合と同じように1秒弱ほどのタイムラグがあるのだが、ボタン入力などのレスポンスは全く問題ないと感じた。
今回の体験会を通して、「Halo 2」に用意されているマルチプレイモードの詳細がいくつか判明した。
まず、オンライン対戦プレイを行なう場合には、Xbox Live関連メニューから「Optimatch」か「Quickmatch」を選択する。このうちOptimatchでは、自らがホストとなり、細かなゲームモードを設定して参加者を募ったり、モードを指定してホストゲームを探すことが可能。またQuickmatchでは、現在プレーヤー募集中のホストゲームにランダムに接続される。つまり、対戦内容を指定してプレイしたい場合にはOptimatchを、とにかくすぐにオンライン対戦を楽しみたい場合にはQuickmatchを選択すればいいわけだ。
また、今回プレイした「Halo 2」には、オンライン対戦プレイのゲームモードとして「Slayer」、「Capture the Flag」、「Assault」の3種類が用意されていた。Slayerは対戦プレーヤーとのデスマッチモード、Capture the Flagは敵の旗を奪うゲームモードで、前作「Halo」のマルチプレイモードに用意されていたものと同じだ。それに対し、新たに追加されたのがAssaultだ。これは爆弾を爆発しないように運び敵の拠点で爆発させる、というモードとなっている。爆弾は敵の攻撃で爆発してしまうので、チームで敵の攻撃から爆弾を守りつつ、敵の拠点まで爆弾を運び、設置して爆発させればよい。
もちろん、それぞれのゲームモードにはサブモードも用意されている。例えば、Slayerには、対戦プレーヤー全員でのデスマッチやチームに分かれてのデスマッチ、使用する武器が固定されたデスマッチなどが用意されていた。例えば、「Slayer」、「Rockets」と指定すれば、ロケット系の武器だけを使用したデスマッチとなる。実際に、ショットガンだけや、エナジーソードだけといった対戦プレイをプレイできた。同様に、Capture the Flagには、1つの旗をチームで奪い合ったり、複数の旗を奪い合うモードが、またAssaultには1つの爆弾が登場するだけのものや複数の爆弾が登場するモードなどが用意されていた。
ところで、プレイしていて気がついたのが、オンライン対戦プレイ時にヘルスパックが登場しないということ。これは、オンラインプレイの進行をスピーディにするための措置だそうだ。つまり、かなり死にやすくなっているということだ。実際にプレイしていても、バリバリ死んでしまうが、それによって1回のプレイ時間が結構短くなり、次から次へと新しい対戦プレイが楽しめたのも事実。そういった意味では、悪い変更ではないように感じた。
今回プレイした「Halo 2」デモに用意されていたマップ。Zanzibar以外に4つの新マップを確認した |
新マップは、「Ivory Tower」、「Midship」、「Waterworks」、「Lockout」と名付けられたものだ。それぞれのマップがどういった場所に存在し、どういったシチュエーションが用意されているのか、といった詳細は全く不明だ(説明もなかった)。ただ、メニューに簡単な説明文が用意されていた。それを見る限りでは、Ivory Towerは屋上を含むビルの上層階、Midshipはコヴナントの戦艦、Waterworksは洞窟内の基地、Lockoutは雪と氷に覆われた何らかの施設、といった感じか。
ちなみに、プレイした印象だが、Ivory Towerは、明るく植物も植えられた施設で、階段やエレベータで上層と下層とを行き来可能。Midshipは戦艦というよりも基地内部といった雰囲気で、少々入り組んでいる。Waterworksは薄暗い洞窟で、中央に細い橋のような通路が用意され、その前後に建物が存在する。そしてLockoutは3本ほどの塔のような施設が細い通路でつながれている。どのマップも非常に立体感があり、細い通路、広い空間などがうまく配分され、マルチプレイに持ってこいといった感じであった。
4つの新マップのメニュー画面。右のグラフィックの下に、おおまかなマップの内容が書かれている。とはいえ、どういった場所にあり、どういった役割を持つ施設のマップなのか、といった詳細は不明だ |
さて、実際にXbox Live経由でのマルチプレイモードをプレイした感想だが、とにかくスピーディなゲーム展開で、とても気持ちよくプレイできた、というのが最も大きな印象だった。筆者は、前作「Halo」においてキャンペーンモードは普通にプレイしていたものの、マルチプレイモードはほとんどプレイした経験がなかった。しかも、今回の「Halo 2」のマルチプレイモードの体験では、中には他を圧倒するスキルを持つプレーヤーも存在していたが、Microsoftのβテスターも含めて、多くのプレーヤースキルがほぼ近かったこともあってか、かなりまともにゲームを楽しめた。
ところで、ゲーム中に登場する武器の中で、特に気に入ったのがエナジーソードだ。近距離の間合いでしか効果を発揮しない武器であるが、とにかく威力が強力で、一撃で敵を倒せるほどである。敵の背後から忍び寄って、バッサバッサと斬り倒していくのは、かなり快感である。
もちろん、二丁拳銃も対戦モードでは非常に有効ということが確認できた。火力が2倍になるということはもちろんだが、とぎれることなく攻撃できる。武器を1つしか持っていない場合には、弾切れを起こすとリロードする間攻撃できなくなってしまうが、二丁拳銃モードでは、一方の武器で攻撃しながらもう一方をリロードすれば、常に攻撃できるというわけだ。また、ライフルで攻撃しながらグレネードを投げるといったことも可能で、これによる戦略性も増したと言っていいだろう。
エナジーソードは、とにかく強力。とはいえ、敵に近寄らないとならないため、ゲームバランスが大きく崩れていることはない | 二丁拳銃によって、対戦プレイ時の戦略も幅が広がっている | 最大16人での対戦プレイを体験したが、ラグなどは全く感じずに快適にプレイ可能だった |
ただ、今回の体験会は、せっかくBungie Studiosの入居しているビル内で行なわれ、会場には開発スタッフも登場し、最後にQ&Aセッションも設けられたのだが、肝心の詳しいゲーム内容に関しては相変わらず全く語ってもらえなかった。確かに、実際にマルチプレイモードをプレイすることで、いくつか新たに判明した部分もあったが、これまでほとんど情報がないキャンペーンモードの詳細に関しては、今回も全く公開されなかった。8月1日時点では、まだ鋭意開発中ということもあったのかもしれないが、できればもう少し情報を出してもらいたかったというのが正直な感想である。
とはいえ、北米での「Halo 2」の発売日である11月9日から遅れること2日、11月11日には日本でも発売される。ここまで来れば、もう待ち時間もほんの少し。内容に関してそれぞれが頭に想い描きながら、発売日を迎えるというのもたまにはいいのではないだろうか。
Bungie Studiosのスタジオ・マネージャであるPete Parsons氏。我々を暖かく迎えてくれたが、残念ながら今回も「Halo 2」の詳細についてはあまり教えてもらえなかった | 「Halo 2」の開発スタッフの面々。左からオーディオ&音楽担当のMarty O'donnell氏、ストーリー&映像担当のJoe Staten氏、ネットワーク担当のLuke Timmons氏 |
【スクリーンショット】 | ||
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□Xboxのホームページ
http://www.xbox.com/ja-jp/
□「Halo 2」のページ
http://www.xbox.com/ja-JP/games/halo2/
□関連情報
【9月3日】マイクロソフト、Xbox「Halo 2」11月11日発売決定
DVDつきの限定版など3タイプのパッケージで登場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040903/halo.htm
(2004年9月9日)
[Reported by 平澤寿康]
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