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UKゲームショウ現地レポート

DIO soft、CENEGA、東欧の実力派ブースレポート
「S.T.A.L.K.E.R」のGSCだけじゃない
猛スピードで西欧を追撃する東欧の開発能力!

9月1日~5日まで開催(現地時間)

会場:ExCeL London

 今回の英国ゲームショーのブース巡りで、、ウクライナのDIO softブースと、チェコ共和国の大手パブリッシャCENEGAブースに、非常に魅力溢れるタイトルを発見したので紹介しておきたいと思う。


■ DIO soft ~「Pirates of XXI century」~ 超先進グラフィックスで綴る21世紀の海賊物語

 ウクライナの新鋭DIOsoftが開発中の「Pirates of XXI century」は、タイトルからもわかるようにゲームは「21世紀に生きる海賊」の物語。

 南国のとあるリゾートアイランドでは、香港マフィア、米特殊部隊、そして密輸業に手を染める自称「海賊」軍団の3勢力が幅を利かせていた。プレーヤー扮する主人公は、この3勢力の三つ巴戦にほどよく巻き込まれながら、この島を冒険することになる。ゲームタイプとしてはリアルタイムに息づく町の中で自由に行動しながらミッションを遂行していく、いわゆる「Grand Theft Auto」系のものということができそうだ。

 ゲームそのものの開発はまだ初期ステージのようで、現在はゲームエンジンとグラフィックスエンジンの作り込みに力を入れている段階。特に、その最先端グラフィックス表現は印象的で、来場者の多くが足を止めて見入るほどであった。特に気合いが入っているのが人間と水の表現。

 肌や血管の凹凸などのディテールを法線マップ化し、これに非常に“もやっ”としたスペキュラを加えた、かなりリアルな疑似スキンシェーダが実現されているのだ。水についてはマルチパスレンダリングした周囲の映り込みをフレネル項に配慮したマッピングするだけでなく、屈折表現や、さざ波の頂点が折り返すことで発生する白い泡立ちなども再現されているのが圧巻だ。また砂浜に打ち寄せる波の泡立ちもバンプマッピングアニメーションが施され、かなりフォトリアリスティック。「今後は、水中表現にも力を入れていく……」とはブースにいた開発担当者自らのコメント。

 グラフィックスエンジンは最近の新鋭エンジンとしては珍しいOpenGL1.5ベース。シェーダはOpenGL用シェーダ高級言語、OpenGL Shading Language(GLSL)にて書かれている。DIO softとしては、早急に8月にSIGGRAPH2004にて発表されたばかりのOpenGL2.0への対応を進め、ATI RADEON X800シリーズ、NVIDIA GeForce 6800シリーズのハイエンドGPUへの対応を急ぐとのこと。

 この「Pirates of XXI century」は、しばらくの間は「随一のOpenGL2.0対応3Dゲームソフト」としても注目を集めていきそうだ。

 プラットフォームはPCのみ。ヨーロッパでの発売時期は2005年内を予定。

とにかく人間と水の表現がやたらリアルな本作。ATIやNVIDIAの最新GPUデモを見慣れていても、感動できるほどだ。その実力のほどはスクリーンショットを実際に拡大してみて確認して欲しい



■ CENEGAブース~「SHADE: Wrath of Angels」~悪魔に変身できるオヤジの時空を超えた大冒険

 ヨーロッパのPCゲームファンがその登場を待ち望んで止まないのが、チェコ共和国プラハにあるBlack Element Softwareが開発中の「SHADE: Wrath of Angels」だ。

 ゲームの基本システムはオーソドックスな後部視点からの三人称アドベンチャーゲーム(EIDOSのTOMBRAIDERタイプだと思っていただけるとわかりやすい)のスタイルを採用。一般的なガンシューティング系FPSのような銃器による射撃戦も可能だが、どちらかと言えばキーアイテムとなっている「魔力の剣」を使った接近格闘戦に重きを置いたゲームデザインになっているのが特徴。RPGのようにただ剣を振っているだけではダメで、回避をタイミング良く行ない、敵の弱点が露呈したところを剣で突く……といったプレイスタイルになる。

 プレーヤー扮する主人公の一族は悪魔の血を受け継いだ超能力種族という設定になっており、体力ゲージとは別に設けられた悪魔ゲージを消費することで魔神に変身が可能。魔神変身時は攻撃力が強化される他、超人的なアクションが行えるようになる。魔神へ変身してパワーアップというコンセプトはカプコンの「デビル・メイ・クライ」に似ていなくもない。

 ジャンル的にはアクションアドベンチャーゲームに区分されており、先へ進むためにはステージ内に仕掛けられたトラップや謎を解明していく必要がある。

 ストーリーは「失踪した弟を捜し出す」という導入から始まるが、ゲーム舞台は現代から中世へ、そして古代エジプトへと時間を遡っていく。全4章構成で、ステージは30以上。シナリオはノンリニア形式でプレーヤーの行動によってストーリーが変化していくシステムを採用し、最終的にはマルチエンディングへと行き着くこととなる。総プレイ時間は30時間以上を想定。

 プラットフォームはPCのみ。ヨーロッパでの発売時期は2004年10月1日を予定。

グラフィックスエンジンはプログラマブルシェーダアーキテクチャのGPUに完全対応したオリジナルのもので、そのビジュアルクオリティは「DOOM 3」や「Half-Life 2」に劣らない


□Game Stars Liveのホームページ
http://www.gamestarslive.co.uk/
□DIO softのホームページ
http://www.diosoft.com/
□「SHADE:Wrath of Angels」公式ページ
http://www.shade-game.com/

(2004年9月6日)

[Reported by トライゼット西川善司]


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