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UKゲームショウ現地レポート

Game Stars Live VUGブースレポート
壮絶なベトナム戦争が体験できる「Men of Valor」ほか

開催時期(現地時間)
Game Stars Live 9月1日~5日まで開催
会場:ExCeL London


 Electronic Artsと並ぶ豊富なラインナップを擁するVivendi Universal Gamesは、Game Stars Liveではプレイアブル限定ということもあって、E3に比べると比較的大人しめの出展に留まった。今年のE3で初公開されたMonolithのサイコホラーFPS「FEAR」やMad Doc Softwareの新作RTS「Empire Earth II」などは出展を見送られていた。

 中でも残念だったのは、欧米で年内発売といわれているValve Softwareの「Half-life 2」の姿が影も形もなかったところだ。「Half-life 2」をプレイアブル出展したらそれこそビッグニュースだが、シアターやデモの出展すらも見送ったあたり、年内発売の可能性は薄い、もしくはヨーロッパ市場はそれほど重視していないということだろう。本稿では、秋から冬にかけて発売されるVivendi Universal Gamesの新作タイトルを紹介していく。


■ 当時の映像と共にベトナム戦争を追体験していくFPS「Men of Valor」

18歳以上限定の「Men of Valor」ゾーン。他のFPSに比べ極端に過激な表現があるわけではないのだが、凄惨な実写映像の数々がこのレーティングにしたと考えれば納得できる
5つのキャンペーンにそれぞれ異なる実写映像を収録。「Men of Valor」の大きなウリのひとつだ
死亡すると味方に護送される実写に画面が切り替わり、今回の戦闘で敵の体のどこに銃弾がヒットさせたかが報告される。ゲームの難易度はかなり高い印象だ
 「Men of Valor」は、「Medal of Honor: Allied Assault」を手がけた2015が現在開発しているアクションシューティング。ベトナム戦争を真っ正面からゲーム化し、キャンペーンシナリオ方式で過酷な戦闘を追体験できるようにしたのは同作が初の試みである。ゲームのモチーフとしてのベトナム戦争の評価は未知数だが、2015の新たなチャレンジは大きく評価できるところだ。

 ゲームでは、入営したての18歳の新兵として、常に隊長と行動を共にしながら、さまざまな戦場で激闘を繰り広げていくことになる。キャンペーンは、「Da Nang」、「Iron Triangle」、「Khe Sahnhill Fights」、「Tet Offensive」の4本が収録されている。それぞれ4、5ステージで構成され、ベトナム戦争の主立った戦闘はすべて体験することができる。キャンペーンのプロローグには、当時の実写映像が流され、プレーヤーに緊迫感を煽る。バックグラウンドには'70年台のアメリカンポップスが流され、何とも言い難い哀愁を伴なう。

 実写映像の後には、リアルタイム映像によるイベントシーンが始まる。それは仲間同士の厭戦的な会話シーンであったり、プロパガンダ用の現地映像の撮影シーンであったり、単なる戦場までの導入シーンに留まらないウィットに富んだ内容が好印象。BGMはやはり'70年台のアメリカンポップスが使われており、戦闘が始まる前から、現在主流である第2次世界大戦モノのミリタリーFPSとはずいぶん異なる印象を受けた。

 実際の戦闘シーンは、比較的オーソドックスな作りで、2015が得意とするイベントスクリプトによって続々と出現するベトコン達を相手にしながら、隊長の指示に従って戦場の奥へ奥へと進んでいくことになる。基本的に小隊単位で行動し、常に隊長の指示と目標を示すポインタが示されているので、道に迷うようなケースはない。

 常に味方の死角をカバーするような形で行軍する。後ろからグレネードが飛んできても、そのことを味方が声で教えてくれる。AIも優れており、何も難しいアクションを起こさなくても自然とチームプレイになるところは、さすがは2015の新作といった印象だ。

 グラフィックエンジンは、「Unreal 2」相当のUnrealエンジンをカスタマイズしたものを使っており、Pixel Shader 3.0にも対応。2004年度のタイトルとしてはハイグレードのグラフィックスとなるが、試遊機ではグラフィックスオプションが「Normal」固定だったために、それほど綺麗な印象は受けなかった。

 ひとつ特徴的なのは、ボディに対するダメージマッピングが非常に細かいところ。頭、上半身、下半身、手、足といった具合に細かく設定されており、それぞれ受けるダメージが異なっている。またダメージの受け方も出血レベルと人体破損の2段階が用意されており、前者の場合は包帯を巻くまでHPが減り続け、後者の場合はメディカルキットが必要になる。

 今回マルチプレイが体験できなかったのは残念だが、実装されることは確定している。ベトコン兵が使えるのはこのマルチプレイのみになるようだ。メインはあくまでキャンペーンということには変わりないようだ。発売プラットフォームはXboxおよびPCで、欧米での発売時期は10月が予定されている。

【Men of Valor】
E3の頃からまた一段と磨きがかかった迫真のグラフィックス。圧倒的なディテールでベトナム戦争を描いている。「Medal of Honor: Pacific Assault」と並んで、今年注目のミリタリーFPSといえそうだ


■ 北米ならではの対戦格闘ゲーム「Fight Club」

「Fight Club」の入り口にはナイスバディのお姉さんがIDチェックを行なっていた
 「Fight Club」といえば、誰しもブラッド・ピット主演の映画「ファイトクラブ」を想像するが、同作はまったく映画と無関係のいわゆる名前借りしてしまったタイトルだ。

ブースでは「Men of Valor」と向かいのスペースで「18+」指定タイトルとしてこっそり出展されていたが、ヨーロッパでは格闘ゲームそのものがレアな存在であるためか、来場者の人気は高かった。

 ベースになっているのは、テクモの「デッド・オア・アライブ」やナムコの「鉄拳」などの日本の対戦格闘ゲームのようだが、それらに欠かせない存在である女性格闘家や、彼女らの見せる華麗な技といった要素は皆無で、映画と同様、男同士のこぶしによる殺し合いを原寸大で描いたらこうなりましたといった感じのリアルファイトゲームだ。

 とにかく驚かされるのはストレートな暴力的表現。汗や出血、擦り剥き傷といった生々しい表現は言うに及ばず、骨折を示すレントゲンビジュアルや、打撃系ではほとばしった血しぶきが画面にべったりと付着する。骨折や負傷が発生するとその部位から繰り出される技のスピードが遅くなったり、使用不可になったりする。

 こうしたゲームデザインなので、戦いも1ラウンド限定。戦いが終わると、勝った側も顔や体、こぶしなどにたっぷり返り血が付着し、凄惨な様相を呈する。日本のそれに比べると、あまりの生々しさに驚いてしまうが、来場者はごく普通にプレイしていた。発売プラットフォームはPS2およびXboxで、欧米での発売時期は11月が予定されている。

【Fight Club】
「デッド・オア・アライブ」と「鉄拳」を足して2で割ったようなプレイ感覚。コンボという概念はないかわりに、1発1発が重い。気が付いたら身体能力が低下していて、後半戦は双方決め手に欠ける展開になりがち。壮絶な対戦格闘ゲームだ

【World of Warcraft】
2001年のECTSで発表されて以来、実に丸3年ぶりの出展となった「World of Warcraft」。現在クローズドβテスト中だが、ヨーロッパでは、ヨーロッパサーバーを配置し、英国、フランス、ドイツの3カ国での展開が予定されている。余談だが、Blizzardは日本展開も視野に入れて調整を進めているようだ

【Nexus: The Jupiter Incident】
ハンガリーのデベロッパーMithis Gamesが開発しているリアルタイムストラテジー「Nexus: The Jupiter Incident」。ヨーロッパではVivendi Universal Gamesがパブリッシングとディストリビューションを担当する。「Homeworld 2」の影響が強く感じられるスペースオペラタイトルだ

【F.E.A.R】
Monolithが現在開発している「F.E.A.R」は、来年度タイトルということもあって今回は映像出展のみに留まった。「Half-life 2」に勝るとも劣らないハイクオリティのリアルタイム3Dグラフィックスが特徴だが、歩くだけで兵士達が出血死する謎の少女や、光学迷彩を駆使するサイボーグの存在など、SF仕立てのストーリーも注目されるところ

□Game Stars Liveのホームページ
http://www.gamestarslive.co.uk/
□Vivendi Universal Gamesのホームページ
http://www.vug.com/

(2003年9月4日)

[Reported by 中村聖司]


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