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UKゲームショウ現地レポート

Game Stars Live 携帯コンテンツレポート
イギリスでも携帯電話でのゲームが本格化!?
質・量ともに充実してきたN-Gageとミニゲーム中心のVodafone live!

開催時期(現地時間)
Game Stars Live 9月1日~5日まで開催
会場:ExCeL London


■ イギリスでは結構がんばっている(?)N-Gage

 2003年に鳴り物入りで登場した、携帯電話機メーカーNokia開発の携帯ゲーム機「N-Gage」。GSM携帯電話網を利用したワールドワイドでの対戦機能といった、ほかの携帯ゲーム機にはない魅力的な部分もあるが、携帯ゲーム機としても携帯電話としても非常に中途半端な仕様や、任天堂のゲームボーイアドバンスを代表する既存携帯ゲーム機と比較しての価格面でのアドバンテージのなさなどがあり、登場以来苦戦を強いられている。ただ今年に入り、ゲーム機としての機能面を強化した新モデル「N-Gage QD Game Deck」を発売してラインナップを充実させつつ巻き返しを図っている。その新モデルの効果もあってか、9月1日付けでN-Gageシリーズの出荷数が100万台を突破したことが発表されるなど、徐々にではあるが市場に浸透しつつあるようだ。

 Game Stars LiveのN-Gageブースは、E3などの他のゲームイベント同様、多数の対応ゲームの試遊機を用意して、とにかくプレーヤーに体験してもらうといった趣向となっている。ただ、E3のN-Gageブースと比較して一目で違うとわかるのが、Game Stars LiveのN-Gageブースはかなり賑わっていた、という点だ。

 N-Gageが発表された2003年のE3では、N-Gageブースにはかなりの来場者が見られたものの、今年2004年のE3では北米市場におけるN-Gageの勢いを象徴するかのように、ブースは常に閑散として、非常に寂しいものがあった。しかし、Game Stars LiveのN-Gageブースはそれとは全く対照的で、かなり活気が見られたのだ。

 もちろん、Game Stars Liveは一般プレーヤーが参加できるゲームイベントであり、関係者のみしか参加できないトレードショウという位置づけのE3とは状況が異なって当たり前かもしれない。ただ、自由にゲームが楽しめるとはいえ、来場者に興味がなければブースに立ち寄ろうとはしないはず。Nokiaの力が強いヨーロッパという地理的な事情もあるかもしれないが、N-Gageに対していくらかの興味は持っているユーザーがイギリスには多いのかもしれない。

 ブースに用意されていた試遊機は、全てN-Gageの新型モデルとなるN-Gage QD Game Deckであった。従来モデルよりもサイズが小さくなり、従来モデルの最大の欠点であったゲームカードのスロットが、外部から容易にアクセスできる位置に変更されたことで、大幅に扱いやすくなっている。

 対応ゲームも結構充実している。ブースでは、FPS「Ashen」や、第二次世界大戦を舞台としたストラテジー「Pathway to glory」といったN-Gageオリジナルタイトルをはじめ、「FIFA Soccer 2005」や「Colin McRae Rally 2005」、「Tom Clancy's Ghost Recon: Jungle Storm」といったメジャータイトルなど20タイトルほどがプレイアブルで展示されていた。

 また、日本ファルコムの「Xanadu Next」という、日本人にとって見逃せないゲームも展示されていた。こちらは、往年の名作RPG「ザナドゥ」の世界観を再現したN-GageオリジナルRPG。グラフィックは3Dによるクオータービューとなっており、実際にプレイしてみた感覚は2Dグラフィックのオリジナルザナドゥとは大きく異なっている。とはいえ、ザナドゥの世界観はきちんと継承されているようで、ボスのキングドラゴンも登場するそうだ。

 さらに、セガが開発したMMOアクションRPG「Pocket Kingdom: Own The World」というタイトルも展示されていた。2Dグラフィックベースではあるが、1,000人規模でログインしている世界中のプレーヤーと対戦したり、様々なクエストを解いていくといった、本格的なMMOタイトルとなっている。まだ発売されていないため、会場では実際に海外プレーヤーとの対戦などは楽しめなかったものの、動作は軽快でかなり遊びやすく感じた。

 確かに、液晶画面のサイズや解像度、グラフィック表示品質などは、他の携帯ゲーム機に劣っているため、見劣りする部分も多い。とはいえ、魅力的なコンテンツが用意されれば、それを求めてユーザーも徐々に増えていくはず。様々な新作タイトルやメジャータイトルを揃え、徐々にではあるがゲームの質・量ともに充実してきており、Nokiaの努力も報われてくるかもしれない。

ブース内部は、このように熱心にプレイするユーザーが多く見られた N-Gageの新モデル「N-Gage QD Game Deck」。サイズが小さくなり、ゲームカードの抜き差しも簡単になって使いやすくなった 日本ファルコムの「Xanadu Next」。3D描画となっており、往年のザナドゥとはかなりイメージが異なる


【スクリーンショット】
Ashen
Pathway to glory
Tom Clancy's Ghost Recon: Jungle Storm
Pocket Kingdom
The Sims Bustin' Out
Bomberman



■ Vodafoneはダウンロードコンテンツとしてゲームアプリを用意

Vodafoneブース。スポンサー契約を行なっているフェラーリのF1マシンを展示するなど、かなり規模の大きなブースを構えていた
 本格的な携帯ゲーム機として展開しているNokiaに対し、日本におけるJavaアプリ同様のダウンロードコンテンツとしてのゲームを展開しているのがVodafoneだ。日本では、Vodafone live!で「Vアプリ」としてゲームが提供されているが、それに近いものと考えていいだろう。とはいえ、日本で提供されている「256KアプリVer.2」のような3D表示のものはまだなく、2D表示のもののみ。

 また、ブースで展示されていたアプリは、「ギャラクシアン」や「パックマン」といったオールドゲームを再現したものが中心。VodafoneがスポンサーとなっているフェラーリをモチーフとしたF1レースゲーム「FERRARI experience II」も展示されていたが、ラスタースクロールの昔懐かしい2Dドライブゲームで、スピード感もいまいちだった。そのためか、Vodafoneブースのゲーム試遊コーナーには、それほど来場者が集まっていないような印象を受けた。

 ただ、Vodafoneブースには、フリークライミングや光線銃を利用したサバイバルゲームを楽しめるコーナー、フェラーリF1マシンの前でレースクイーンと写真を撮れるコーナーなどがあり、そちらは結構な人気となっていた。確かにブースに人が集まれば、それだけゲームの方にも目が行くことになるかもしれないが、とはいえ現状のコンテンツの内容ではやや厳しい。事実、ゲームの試遊コーナー以外ばかりが盛り上がっていたというのがその証だろう。

Vodafone live! で提供されているゲームアプリの試遊コーナー。ここでは、「ギャラクシアン」や「パックマン」といったオールドゲームを中心に遊べた こちらはF1のパドックを模した試遊コーナー。フェラーリをモチーフとしたレースゲームがプレイできた 「ギャラクシアンmini」。これは日本のVodafone live!で提供されているものと同じだ
「FERRARI experience II」。モチーフはもちろんフェラーリだが、昔懐かしのラスタースクロールの2Dドライブゲームだ Vodafoneブース内には、このようなフリークライミングコーナーが用意され、子供を中心にかなりの人気となっていた こちらは光線銃を利用したサバイバルゲームコーナー。こちらもアプリゲームコーナー以上の盛り上がりを見せていた


□Game Stars Liveのホームページ
http://www.gamestarslive.co.uk/

(2004年9月3日)

[Reported by 平澤寿康]


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