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UKゲームショウ現地レポート

Game Stars Liveレポート コンシューマー編その1
あの任天堂がブースを構え、最新ソフトを多数展示

9月1日~5日まで開催(現地時間)

会場:ExCeL London

■ 任天堂としては珍しく、自社開催以外のゲームイベントに参加

 任天堂はこれまで、E3を例外として、世界各国で行なわれるゲーム関連イベントには基本的に参加せず、「任天堂スペースワールド」に代表されるような独自のイベントを開いて最新ハードや最新ゲームをユーザーに披露することがほとんどであった。その任天堂が、ロンドンのExCelを会場として開催されているGame Stars Liveに参加し、会場内にブースを構え最新ソフトの展示を行なっている。これは、過去の任天堂の慣例を考えると、珍しいことと言っていいだろう。

 任天堂はこれまで、ユーザーとの直接的なふれあいを重要視したイベントを常に開催してきた。つまり、エンドユーザーである一般のゲームプレーヤーに、最新ゲームタイトルをいち早く遊んでもらったり、開発状況を伝えるといった手段でいろいろな独自イベントを開催してきたわけだ。それに対し、今回初開催となるGame Stars Liveは、入場料はかかるものの、一般のゲームプレーヤーも自由に参加可能だ。つまり、任天堂の考えるイベントのあり方とほぼ同じものであったため、今回任天堂がGame Stars Liveに参加することになったのだと考えていいだろう。

 その任天堂ブースは、会場の中央やや奥まった場所に位置していた。当然のように多数の来場者が任天堂ブースに詰めかけたのだが、ブース全体を壁で覆って外から隔離し、入り口では厳重な入場制限をしていたこともあってか、ブース周辺の通路は通行するのも難しいほどの混雑ぶりであった。

 ただ、一度ブース内に足を踏み入れると、外の雰囲気とは一変する。ブース内部は、古い海外映画によく出てくるような、昔ながらの遊園地やカーニバルを模したものとなっている。日本的に言うなら、お祭りなどで見かける簡易型のお化け屋敷や出店のようなものが並んでいる、といったような感じか。特に凝った仕掛けがあるわけではないが、常に入場制限をかけているため内部は大きな混雑もなく、外部と壁で隔離されていることも相まって、外の喧騒とも無縁といった感じで、一種独特の雰囲気が作られていた。

 加えてブース内には、綿あめをふるまったり、フェイクタトゥーを入れるサービスを行なうコーナーなども用意されていた。まだイギリスは夏休みなのか、平日にもかかわらず、10代後半と思われる若者や、小さな子供を連れた親子も多数見られ、子供達が綿あめをほおばりながら駆け回る様子などはまさしくカーニバルといった雰囲気だ。個人的には、Game Stars Liveの会場内で、この任天堂ブースだけが他とは全く違い非常に落ち着ける場所であると感じた。

ブースは壁で外部から隔離されており、入場制限も行なわれ、周辺は常に入場を待つ人で混雑していた 内部は、海外映画に出てくるカーニバルのような雰囲気。大きな混雑もなく、非常に落ち着ける雰囲気となっていた ゲームの試遊コーナーだけでなく、綿あめをふるまうコーナーやフェイクタトゥーのコーナーなども用意されていた
平日にもかかわらず、このような小さな子供もたくさん遊びに来ていた 親子連れでゲームを楽しむ姿も数多く見られ、非常に和やかな雰囲気だった



■ ニンテンドー DSやゲームキューブ用新作ゼルダはムービー出展

 日本およびアメリカで2004年中の発売が予定されている、任天堂の次世代携帯ゲーム機「ニンテンドー DS」。ヨーロッパでは2005年の初めに発売予定となっており、このGame Stars Liveで、先日発表された正式デザインのニンテンドー DSが展示されるか興味があったのだが、残念ながらE3時のデザインのものやモックアップも含め、ニンテンドー DSの展示はなかった。しかし、ブース内の任天堂の今後の展開を紹介するコーナーが用意され、そこでムービーによるニンテンドー DSの紹介が行なわれていた。

 ムービーには、マリオの生みの親としておなじみの宮本茂氏が登場し、宮本氏による解説という形でニンテンドー DSがどういったゲーム機なのか詳しく紹介されていた。その中に登場したニンテンドー DSは、先日発表された正式デザインのもので、おそらくこのイベントのために収録されたものと思われる。

 もちろん、ヨーロッパのユーザーの多くが、映像による紹介ではなく、実際に触って体験したいと思っていたはずで、そういった意味では残念に思っている人も少なくなかったことだろう。特に、小さな子供が宮本氏が解説を行なっている映像を食い入るように見つめている姿を見ると、より一層そういった思いに駆られてしまった。

 ちなみにこのコーナーでは、いくつかの新作タイトルもムービーで紹介されていたが、その中にはE3で発表となったゲームキューブ用「ゼルダの伝説」シリーズ最新作のデモムービーも含まれていた。もちろん、情報自体はヨーロッパのユーザーにも既に届いており、E3の発表会のような熱狂ぶりはなかったものの、馬にまたがったリンクの姿はヨーロッパのユーザーの目にも十分焼き付いたはずだ。

「任天堂の未来」と題されたコーナーでは、ムービーによるニンテンドー DSの紹介や、新作ソフトのデモムービーが流されていた ニンテンドー DSの実機の展示は残念ながらなかった。しかし、あの宮本茂氏によるニンテンドー DSの詳しい紹介がムービーによって行なわれていた ムービーに登場したニンテンドー DSは、先日発表された正式デザインのものであった



■ 目新しいタイトルはなかったものの、イギリス初登場のタイトルで埋め尽くされていた

 出展されていたタイトルは、基本的にはすでにE3などで発表済みのものばかりで、目新しさという意味ではやや物足りないものであった。しかし、イギリスの一般ゲームユーザーにとっては、どれも初めて見るのはもちろん、初めてプレイするものばかりであり、どのコーナーも多くのプレーヤーで埋め尽くされていた。

 その中で特に高い人気を誇っていたのが、「Donkey Konga」だ。E3では「Donkey Conga」の専用コントローラー「タルコンガ」をつかったアクションゲーム「Donkey Kong Jungle Beat」が出展されていたが、今回はそちらではなく「Donkey Konga」のほうの出展となった。なぜなら、「Donkey Konga」はヨーロッパで2004年10月16日に発売と、まさに発売直前のタイトルだからである。内容自体は、すでに日本で発売されている「ドンキーコンガ」とほぼ同じだ。もちろんヨーロッパ向けということで収録曲は日本版と若干異なっているものの、スーパーマリオのテーマなど、日本版でおなじみの曲も収録されていた。

 「Donkey Konga」のような体を使ったアクションゲームは欧米を中心に非常に高い人気を誇っている。PlayStation 2の「EyeToy:Play」が欧米(特にヨーロッパ)で好調なセールスを記録していることからも明らかだ。そういった意味ではこの「Donkey Konga」はヨーロッパでは期待度の高いタイトルといえる。事実、「Donkey Konga」コーナーは常にプレーヤーが取り囲み、長時間プレイに没頭している人も少なくなかった。

 また、北米だけでなくヨーロッパでもFPS人気は非常に高い。そのためか、「Metroid Prime2: Echoes」のコーナーは常に長蛇の列ができていた。ブース内の他のタイトルは比較的スムーズに試遊が可能だったが、この「Metroid Prime2: Echoes」だけはプレイするまでに1時間ほどの待ち時間を要するほどであった。「Metroid Prime2: Echoes」はヨーロッパで2004年末に発売が予定されている。

 ちなみに、「Metroid Prime2: Echoes」が展示されていたコーナーには、同時にゲームボーイアドバンス用の「Legend of Zelda: The Minish Cap」も展示されていた。このタイトルは「ゼルダの伝説」シリーズの最新作であり、E3で発表されたものである(日本では未発表)。Manish Capという不思議な力を持つ帽子とともに、新たなリンクの冒険が繰り広げられる。草やつぼをつかみ上げて敵に投げたり、剣を使った攻撃などのおなじみのアクションはもちろん、本作ではリンクの背丈が小さくなったり元の大きさになったりといったフィーチャーが用意されている。背丈の大きさを変えつつ、様々な謎を解いていくことになる。また、シングルプレイだけでなく、最大4人でのプレイも可能となっているそうだ。この「Legend of Zelda: The Minish Cap」は、ヨーロッパで2004年11月12日に発売が予定されている。

ブース内の一般試遊コーナー。既に発表済みや日本で発売済みのタイトルばかりであったが、ゲームキューブやゲームボーイアドバンス用の多数の新作ソフトがプレイアブル展示されていた こちらは、「Donkey Konga」の試遊コーナー。ヨーロッパでは体感アクションゲームの人気が高く、事実このコーナーがブース内で一番賑わっていた 座って「Donkey Konga」をプレイできるコーナーも用意されており、自分の家でプレイしているかのようにリラックスして遊んでいるプレーヤーが多かった
こちらは、「Metroid Prime2: Echoes」と「Legend of Zelda: The Minish Cap」の展示コーナー。FPS人気の高さもあってか、とにかく他のコーナーには見られない行列ができていた 「Legend of Zelda: The Minish Cap」のリンクのイメージ図。目とくちばしのある帽子「Minish Cap」が特徴だ プレイ感はトップビュースタイルのゼルダと同等。おなじみのアクションも健在だ。ただし、リンクの背丈が小さくなることで新たなゲーム性が実現されている


【Metroid Prime2: Echoes】


【Legend of Zelda: The Minish Cap】


□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□ECTSのホームページ
http://www.ects.com/
□European Games Networkのホームページ
http://www.europeangamesnetwork.co.uk/
□Game Stars Liveのホームページ
http://www.gamestarslive.co.uk/

(2004年9月2日)

[Reported by 平澤寿康]


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