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★PS2ゲームレビュー★

想像力が試される育成が斬新
「BLOODY ROAR 4」

■ 「BLOODY ROAR」シリーズ待望の新作登場!

 人間が獣に変身して闘うという特異なシステムがウリの3D格闘アクション「BLOODY ROAR」シリーズの最新作「BLOODY ROAR 4」が株式会社ハドソンから発売された。'97年に初代作品がアーケードゲームとして制作されてから、「2」、「3」、「BLOODY ROAR extreme」と続編が発売され、海外でも人気の高い作品としてそのブランドは確立された(事実、「4」は海外で先行発売されている)。開発元は、アーケードゲームで「バトルガレッガ」などの名作シューティングを多く世に送り出し、当然「BLOODY ROAR」シリーズもすべて制作してきた株式会社エイティング。

 基本事項として知っておいてほしいことが、○ボタンを押すことで人間形態から人と獣の融合した姿の「獣人」に変身するというシステム「獣化」。獣化後の戦闘は、息付く暇もない技の応酬がもたらすハイテンポなアクション。人間がプレーヤーキャラとして登場する常識的な3D格闘のバトルスピードを想定していると、そのイメージはいい意味で裏切られることとなる。この獣化を踏まえてもらった上で、ゲーム本編の紹介に進みたい。

登場する獣人は、デフォルトキャラだけでも、狼、兎、昆虫、虎、カメレオン、コウモリ、モグラ、猫、ライオン、生まれ得ざるもの、似て非なるもの、カラス、九尾の狐、と動物以外の存在までよりどりみどり



■ 基本的にはシリーズを踏襲している操作系

3D格闘なのだが、2D格闘並の技の入力速度が必要な「BLOODY ROAR 4」。常にスピーディーな攻防が繰り広げられる
 一般的な3D格闘ゲームとは一線を画す「獣化ボタン」こそあるものの、基本的な操作はごくポピュラーなもの。方向キーでキャラクタの移動、ボタンは、□がパンチ、△がキック、○が獣化ボタン、×がヘビーガードor投げ技ボタンとなっている。立ち、しゃがみ状態で攻撃の性質は異なり、上段、中段、下段攻撃を繰り出すことが可能だ。R2ボタンは画面手前への軸移動、L2ボタンは画面奥への軸移動となる。

 パンチとキック、方向キーをリズミカルに入力することで連携攻撃が発生。PPK(パンチパンチキック)といった連携攻撃の動きの途中には、キャンセルポイントが用意されている。このキャンセルポイントで別のコマンド技を入力することで、直前の技の戻りモーションがキャンセルされ、コマンド技が発生する。キャンセルポイントを絡めた連携で、相手の体力を大幅に減らした瞬間は爽快感抜群。後述のトレーニングモードを参考にして、入力タイミングの感覚を練習したい。

攻撃の前に身体が黄色く光る「ガードブレイク技」。連携の終点や、単発技などガードブレイクの性質を持つ技は非常に多い
 相手の攻撃を防ぐガードシステムは、「ライトガード」と「ヘビーガード」の2種類がある。上段ライトガードは方向キーをニュートラル位置に、下段ライトガードは方向キーを真下方向に入力することで発生。ライトガードのメリットはガードの硬直が少なく、割り込みや連携をガードした後の反撃が容易に行なえること。デメリットは、「ガードブレイク技」と呼ばれる特殊技を防ぐことができないことだ。

 これに対し、ガードブレイク技も防げるガードがヘビーガード。上段ヘビーガードは方向キーを相手の向きと反対方向(相手が右にいるなら左方向に)に入力するか、×(またはR)ボタンを入力することで発生。下段ヘビーガードは方向キーを真下に入力+×(またはRボタン)ボタン、もしくは方向キーを相手に向かって斜め下方向に入力で成立する。投げ技以外の攻撃をガードできるヘビーガードだが、硬直が長いために反撃には適さないのが難点。

 経験則になるが、ガードシステムに慣れるまでは万能防御のヘビーガードを使い、相手の動きがよく見えてくるようになったらライトガードで連携を受けきり、反撃に転じるようにするとよい。ちなみに、空中ガードは存在するが、空中にいる間1回のみガードすることが可能で、2回目以降は空中ガードが発生しない。

 投げ技は相手の近くで方向キー+×(またはR)ボタンを入力する。相手が投げ間合いに入っていない場合は、投げ失敗モーションが入ってしまう。また、投げ技を繰り出した直後に、○、×、△、□、ボタンのいずれかを押すことで、投げを回避する(投げ抜け)ことが可能(一部の技は投げ抜け不能)。相手の攻撃でキャラが空中に浮かされてしまった場合は、○、×、△、□、ボタンのいずれかで受け身を取り、攻撃に転じよう。相手の上段、中段攻撃をさけることができるのが、×ボタン(またはR1)+↓↓という入力の伏せ。だが、今作ではエスケープという回避手段があるため、硬直時間の長い伏せの使用頻度は少ないだろう。

 そして、シリーズ独特の攻撃回避手段がエスケープ。今作では従来の「ギリギリエスケープ」、「ガードエスケープ」に加えて使い勝手のよい「カウンターエスケープ」が新規実装された。この3タイプのエスケープは、ナギならカウンターエスケープ、シェンロンならギリギリエスケープといった具合に各キャラクタごとに異なるタイプが設定されている。ちなみに、これらのエスケープタイプは後述する育成モード「CAREER」をこなすことで付け替えられる。

特殊な構えになり、攻撃を自動的に避けるカウンターエスケープ。上、中、下段攻撃にガードで対応できないという人は使っていきたい。初心者向け
【カウンターエスケープ】

 ×ボタンを押している間は、投げ技以外を避けることができる。避けている間に×ボタンを離すと、相手の攻撃にカウンター攻撃を合わせることができるのも魅力。カウンター攻撃の威力こそ微々たるものの、相手の流れを断ち切れる効果は大きい。

相手の連携をガードしている最中に、どのタイミングで方向キーを前に倒すかがポイント。失敗すると大ダメージ、というリスクも背負っている
【ガードエスケープ】

 ライトガード時に方向キーを前に倒すことで発動。攻撃を避けつつ、相手の真横に移動する。移動の感触としては、軸移動をしている感じに似ている。 方向キーの入力タイミングが早いと自滅するので注意。

ギリギリエスケープは、×ボタンを連打していては成立しない。まさにギリギリのタイミングで入力する必要があるため、かなりの高等テクニックといえるだろう
【ギリギリエスケープ】

 相手の攻撃がヒットする瞬間にヘビーガードすることで、攻撃を完全に回避。入力タイミングはシビアだが、ライトガード状態からでも狙えるために利用頻度は高いだろう。

 この3種類のエスケープ技の中では、攻防一体となっているカウンターエスケープがもっとも便利で使いやすい。それゆえに、伝統のある既存のエスケープ2種類の影が薄いのは残念。とはいえ、キャラクタによって使用エスケープは異なるので、3種類すべてのやり方を覚えることがベストだ。

 3種類のエスケープは一度対人戦で決めると、相手に警戒心を植え付けることができる。この辺りの読みあいが俄然面白くなるシステムなので、エスケープ技術は確実にモノにして対戦に臨みたい。その練習として、CPU戦でもエスケープは積極的に狙っていきたい。相手の「通常技~ガードブレイク技」という連携の通常技の部分をライトガードし、ガードブレイク技の部分をキャラクタごとのエスケープで回避できれば上出来だ。



■ 一新された獣化と超獣化

画面上にある赤いゲージが人間ゲージで、下の青いゲージが獣人ゲージ
 「BLOODY ROAR 4」になってからの獣化システムだが、さすがにシリーズも回を重ね獣化の斬新さこそ薄れた感は否めない。だが、「変わらぬ老舗の味」とでもいうべきだろうか、変身エフェクト、グラフィック、モーションなどは既存のイメージがしっかりと継承されている。この獣化を体験すれば、「ああ、『BLOODY ROAR』シリーズをやっているんだなあ」という気持ちにしてくれるはずだ。

 さて、今作になって獣化はゲージ周りに関するシステムがリニューアルされた。キャラクタには、「人間ゲージ」と「獣人ゲージ」の2種類のゲージがある。この獣人ゲージが1ミリでも残っていれば、○ボタンでいつでも人間から獣人に変身することができる。獣化時のメリットは、○ボタンで獣化技を使える、技のキャンセルポイントが増える、ビーストドライブを出せる、攻撃力と防御力がアップする、見た目が楽しいなど。

 獣人化状態の時にキャラクタがダメージを受けると、人間ゲージではなく獣人ゲージが減少。もし、獣人ゲージが尽き人間ゲージが残っていた場合は人間状態に戻るが、人間ゲージがゼロの場合はK.O.負けになってしまう。逆に、相手の人間・獣人ゲージをともにゼロにしてK.O.すれば勝利となる。立ち回りのコツとしては、人間状態時はできるだけ早めに獣化し、極力人間ゲージを温存することだ。

 人間時に相手にダメージを与えたり、相手の攻撃を受けることで、獣人ゲージは増加する。また、○ボタンを押しっぱなしにすることで「気合溜め状態」になり、人間ゲージが減少する代わりに、獣人ゲージが増加する。この気合溜めで、獣人ゲージが満タンにならないうちに人間ゲージがゼロになると「超獣化」という状態になる。超獣化は獣化ゲージが残っている限り解除されず(前作までの超獣化は一定時間で解除)、大技のビーストドライブを何回でも使用可能。攻撃面での恩恵は大きいが、人間ゲージを放棄するために使いどころを見誤ると逆に窮地に陥る諸刃の剣。今作では、獣化ゲージと人間ゲージを勝利条件に設定したことで獣化・超獣化タイミングの重要度が増し、戦略性がグッと深まったといえる。

ビーストドライブはいわゆる威力の高い超必殺技。ビーストドライブ発動後は、一定量の獣化ゲージを消費し、人間に戻ってしまう。獣化ゲージの残量が少なく、相手の攻撃で人間に戻りそうな時に狙っていくのが賢い使い方だ



■ 既存キャラの人気に食い込めるか? ~新規キャラクタ~

 格闘ゲームのシリーズ作品の常として、新規キャラクタの追加は見逃せない要素である。今作ではデフォルトで使用できる新キャラクタに、ナギ(獣化後:似て非なるもの)、リョウホウとマナ(獣化後:九尾の狐)、レイジ(カラス)が加わった。動物に分類できるキャラが少なくないですか? というツッコミはさておき、ひとりずつ紹介していきたい。

身体の一部が硬質化。シオンと因縁があり、どことなく似た技もある
【ナギ】

 人間時は我流のスタイルでソツなく戦うが、獣化時は右手がブレード化してリーチが長くなる。どこかカニのハサミに見えてしまうブレードがチャームポイント。獣化後はまるで武器格闘の斬撃のような世界。軽量キャラタイプならではのすばやい移動で相手を翻弄し、お手軽に出せる連携で相手を押さえ込んでいける。

突進系のビーストドライブ「零」。相手を空中に打ち上げた際の連携の締めに使用したい
【レイジ】

 脚技を多様するキャラクタ。何かというと「クソがぁ!」を連発するガラの悪い青年。カラス(イメージはカラス天狗でオーケー)に変身した後は、その特性を活かし空中を滑空してからの突進攻撃も可能になる。

「はわわ~」とジタバタするマナが、そのスジの人にはたまらないポイントなのだろう
【リョウホウ&マナ】

 いかついおっさんと3頭身ぐらいの少女のコンビ。通常の戦闘ではリョウホウは獣化せず、マナが九尾の狐(えらくちっこいですが……)に変身する。どちらにも当たり判定があり、リョウホウを攻撃すると人間ゲージが、マナを攻撃すると獣化ゲージが減少するという特殊な形態を取っている。

 また、旧キャラの技に関してはキャンセルポイントなどの変更点はあるものの、大半は既存シリーズ(主に「BLOODY ROAR3」)の技が採用されている。過去に思い入れのあった必殺技をそのまま使いたい、というユーザーにとってはありがたい仕様といえるだろう。



■ 猛烈にプッシュしたい育成モード「CAREER」

 「BLOODY ROAR 4」のゲームモードは、ストーリーを楽しめる「ARCADE」、どれだけ早く全ステージクリアできるかを競う「TIME ATTACK」、対人戦モードの「VERSUS」、技の練習が可能な「TRAINING」、最大99ラウンドまでCPUキャラと連戦できる「SPARRING」、残りの体力を次ラウンドに持ち越してどこまで勝ち抜けるかを競う「SURVIVAL」、CPU同士の戦いを観戦する「COM BATTLE」、キャラクタを育成できるモードの「CAREER」、が用意されている。ここでは、「ARCADE」モード、「TRAINING」モード、そして筆者がおすすめする育成モードの「CAREER」について詳しく説明していこう。

ストーリー演出はフルボイス字幕付き。一部のストーリーは、シリーズをプレイしていないと置いてけぼりになるかも……
【ARCADE】

 キャラクタをひとり選択し、CPUが操作するキャラクタと対戦していくシングルプレイ用モード。コンティニュー回数は無制限だが、ラストボス戦はコンティニュー不能なので注意したい。ラストボスに勝利すればグッドエンド、敗北でバッドエンドと非常にシンプルな分岐になっている。

 ステージ数はキャラによって差はあるが、基本は8ステージ+α。特定のステージの前後には、各キャラと因縁の深いキャラとの会話シーンが挿入される。ムービーのクオリティは可もなく不可もなくといった印象。今回のストーリーの概要を知りたいなら、アリス、ユーゴあたりから始めるとわかりやすい。

 使用可能なキャラクタは、デフォルトで9人、ステージは8種類が用意されている。隠しキャラを出現させるには、「CAREER」モードでプレイして一定量のポイントを獲得する必要がある。隠しステージは、「ARCADE」モードを特定のキャラクタでクリアすることが出現の条件だ。

ダミーの状態設定と同じくらい、画面構成にも力を注いでほしかった
【TRAINING】

 動かないダミーキャラクタ(木偶人形ともいう)を相手にして、技の練習をするモード。画面下に入力したキーが表示され、入力の確認ができる。さらに、トレーニング中にスタートボタンを押すことで、ダミーの状態を変更可能。ダミーが立ち続ける、しゃがみ続けるといった標準的な項目から、CPUの操作の有無、ガードの有無、エアトリック(空中コンボ)の受身の有無、投げ抜けの有無etc……と自分の調べたい技に適した状態を作り出せる。

 さらにトレーニングモードでは、技の途中でキャンセル可能ポイントに差し掛かると、キャラクタの身体が青色or緑色に変化する。青色が通常技をコマンド技でキャンセル可能なポイント、緑色がコマンド技をガードボタンでキャンセル可能なポイントだ。このようにサービス満点のトレーニングモードなのだが、ダメージ値が表示されない技があることや、キャンセルポイントが正しく表示されないケースがあることに少々の不備を感じる。せっかくのトレーニングなのに、ゲーム内にコマンドリストが存在しないという点もマイナス。次回作の予定があれば、改善していただきたいところだ。

【CAREER】

 一風変わったキャラクタ育成が楽しめるモードであり、筆者が直感で「半年は遊べる」と感じたモードが「CAREER」モードだ。このモードは闘いに勝ち進むことでDNAポイントを入手、ポイントを消費して「アビリティ(特殊能力)」を集め、キャラの能力をカスタマイズすることが目的。アビリティは、「攻撃力に関するアビリティ」、「回避に関するアビリティ」といった具合に13項目にカテゴライズされ、それぞれのカテゴリーに「パンチダメージアップ」や「ガードエスケープ付加」といったアビリティが数種類ずつ用意されている。

 アビリティを組み合わせる簡単な具体例を挙げると、「通常上段技をコマンド技でキャンセル可能アビリティ+コマンド技をコマンド技でキャンセル可能アビリティ+コマンド技を超必(ビーストドライブ。ゲーム中表記はなぜかこの表現になっているので注意)でキャンセル可能、を装備させて即死連携を編み出す」、「スタンのエスケープアビリティはギリギリエスケープだが、CAREERモードでカウンターエスケープアビリティを入手して装備させることで回避方法を変更させる」など。この組み合わせの可能性がプレーヤーの想像力を著しく刺激し、DNAポイント獲得のため何百試合という数をもこなせるだけの原動力となるのである。

キャンセルポイントを増やす系統のアビリティを装備し、硬直の長いスタンのコマンド技をキャンセルしてコマンド投げにつなげるという恐ろしい連携が完成。連携技を頭の中で組んでいるだけでも楽しいから不思議だ

 「CAREER」モードは、まずメニューの「CHARACTER SELECT」で育成したいキャラクタと衣装を選択。登録枠は18キャラで、すでに選択したキャラクタを選ぶことはできない。次に「START MISSION」でMAP SELECT画面に移行、初回は何の説明もなくシンプルなMAP画面に飛ばされたので、何をしていいのかわからず少々面食らってしまった。マップ上には円形のオブジェクト(エリア)がある。移動したい未踏破エリアにカーソルを移動させ○ボタンでCPUと戦闘開始だ。

ごくあっさりしたデザインのMAP画面。赤は踏破エリア、グレーは未踏破エリアを示す。戦闘終了後には獲得DNAポイントが表示され、そのエリアでの入手アビリティが明らかになる

 CPU戦闘の勝利条件は規定ラウンド数を勝利することのみ。内容はCPUの強さが変動するだけで、はっきりいうと単純労働。ポジティブに考えると、3D格闘の腕前がアレな筆者としては、もし「~秒以内にクリア」や「ノーダメージクリア」といった条件があったとしたら、とても達成できそうもないのでありがたい(こういう人は多いと思うが……)。CPUキャラに勝利すると、DNAポイントを獲得。スタート地点付近のエリアでの戦闘は200DNAポイント程度だが、スタート地点から遠いエリアの戦闘になるほど、獲得できるDNAポイント数はアップする。

装備可能なアビリティはMAXで15個。必要なアビリティと不要なアビリティを見極めたい
 クリアしたエリアによっては、アビリティを手に入れることができる。マップ上のどの地点にアビリティが隠されているかは一切わからず、ひたすら勝ち進んで探していかねばならない。だが、1つのアビリティを発見した時、その近くのエリアに同カテゴリのアビリティが埋もれていることが多いので、アタリをつけることはできる。また、アビリティポイントが規定数に達すると、隠しキャラクタが出現する。

 アビリティ発見後は、メニューの「EQUIP アビリティ」を選択して、「アビリティ LIST」からアビリティを装備する。個々のアビリティには装備するのに必要なDNAポイントが設定されており、「投げ間合いアップ」などの上位のアビリティの装備には何万ポイントという数値が必要とされる。ちなみに、装備中のアビリティを解除すると、装備に支払ったDNAポイントは戻される。間違って購入しても問題はないので、色々と試してみよう。

キャラクタ選択画面でLボタンを押すことで、育成キャラを選んだことになる
 強力なアビリティを装備させたキャラクタは、すべてのモードで使用可能。育成キャラを「ARCADE」モードで使うもよし、プレーヤー同士の対戦に投入するもよしである。育成キャラのデータはキャラクタセレクト前に読み込まれるが、1P側のキャラクタはメモリーカード差込口1に差し込まれたメモリーカードのデータが、2P側はメモリーカード差込口2に差し込まれたメモリーカードのデータが使用される。そのため、1P、2Pともに育成キャラを使いたいときは、2枚のメモリーカードが必要になる。

 友人同士で自慢の育成キャラのデータを持ち寄って対戦、というオツな楽しみ方を試してほしい。ただし、装備次第では余裕で即死連携などを使えるようになるため、人に嫌われない程度の装備に落ち着かせたい。



■ 「ブラッドエフェクト」を含め、ダークさが大幅増量

1ラウンドで何十リットルという血液が噴き出す。最終的には慣れの問題だ
 獣化状態では、小パンチですら血飛沫が飛び散るこのゲーム。大技を決めた日には、それこそ噴水かと思うくらい派手なブラッドエフェクトが炸裂する。この演出は「BLOODY ROAR」というシリーズの代名詞的な存在であり、人間以上の野獣が戦闘しているという臨場感を出すためには必要不可欠なファクターだろう。ただ、ブラッドエフェクトが肌に合わないというユーザーは当然いることを考えると、エフェクトのオン・オフは実装されてもよいのではないか、と感じた。筆者個人としては、スプラッターというほどドロドロではなく逆に滑稽に見えるからオッケー、と思ってはいる。受け止め方は人それぞれだが……。

 ブラッドエフェクトのみならず、ステージ周りも軒並み暗い。なんといっても、デフォルトのステージは青空が見える場所はなく、室内か夜の屋外のみという徹底さだ。シリーズを通じて「人間に迫害されている」という獣人の悲哀をテーマにしているだけに、統一された世界観をきちんと保持しつつ全体的に底上げが成されている。

 「BLOODY ROAR」のファンなら間違いなく買いだろうし、初代や「BLOODY ROAR 2」辺りをゲームセンターで引退していたユーザーもすんなり復帰できるクオリティ。今作「BLOODY ROAR 4」は、獣化などのシリーズの根幹部分はそのままに、新システム、やり込み要素を加えた作品に仕上がったシリーズの集大成的作品といえるだろう。

 そして、もう一押ししたいのが育成モードの「CAREER」。このモードは、筆者のように自宅で格闘ゲームの対人戦をする機会は少なく、「ARCADE」モードが終わったらやることないかな……と構えていた人にとっては、強烈な伏兵になるだろう。ゲーム内に用意されている連携攻撃を覚えるのではなく、自分で構築するという行為。記憶力ではなく、想像力が重視されるのがポイントだ。3D格闘というジャンルをかじったことのあるユーザーなら、夢中になってやり込めるモードだと思う。理想は、友人と育成キャラを持ち寄って対戦……したら育成キャラが強すぎて対戦にならないですな、きっと。

(C)2004 HUDSON SOFT (C)EIGHTING 2004

□ハドソンのホームページ
http://www.hudson.co.jp/
□エイティングのホームページ
http://www.8ing.net/
□「BLOODY ROAR 4」のページ
http://www.bloody-roar.com/br4/
□関連記事
【6月10日】デックス、ハドソンの対戦格闘「BLOODY ROAR 4」
サントラCDを発売。小倉優子獣化カードつき
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040610/bloody.htm
【4月28日】ハドソン、PS2「BLOODY ROAR 4」を5月27日に発売
流血シーンやキャラクタ育成モードを追加
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040428/bloody.htm

(2004年6月16日)

[Reported by 福田柵太郎]


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