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リモコンの“感触”までも再現
バンダイ、PS2「鉄人28号」

発売日:7月1日

価格:7,140円

原作そのままのリモコン操作で、鉄人が動く。思い通りに動かない、ちょっとしたもどかしさもまた、本作のウリ
 株式会社バンダイはプレイステーション2用ソフトとして、「鉄人28号」を7月1日に発売予定。価格は7,140円。

 「リモートコントロールダンディ」、「ギガンティックドライブ」、そして「ザ・地球防衛軍」。3Dポリゴンで再現された街を舞台に、巨大なものとの戦いを描き続けた開発会社サンドロットが、ついにオマージュの“元”である「鉄人28号」を手がけることになった。“わかっているスタッフ”による、思い入れを詰め込めるだけの題材。否が応でも期待が高まるニュースである。

 ポセイドン、ガイアー、ジャイアントロボ、鉄人28号……原作者・横山光輝氏が描くロボットは例外なく“恐い”。氏のロボットは主人公の味方という設定でありながら、いとも簡単に敵に回ることがある。その巨大な腕で主人公につかみかかるその姿はモンスターそのもの。人間を模した顔は徹底的に無表情で、主人公が問う「何故?」という疑問に答えることはない(ガイアーは敵にはまわらないが、内蔵している爆弾こそが、物語中最大の脅威である)。「鉄腕アトム」とも、「マジンガーZ」とも違うアプローチで描かれ、まったく違う“感触”で描かれる氏のロボットは、非常に独特なものである。

 これは、氏のロボットを見つめる視点に特徴があるためだ。横山氏のエッセイによれば、横山ロボットの原点となる鉄人28号(以下、鉄人)は、ハリウッド映画「フランケンシュタイン」をモチーフにしたものだそうだ。だから、鉄人は雷を受けると狂ったように暴れ回る。リモコンは後付でつけられた「鎖」なのだ。リモコンに支配された意志のない怪物。悪漢の手に渡れば、悪魔の手先になってしまう……。鉄人は氏のロボットの中でも、敵となってしまうことも多かった作品。サンドロットの「描写」にも期待したい。

 本作は現在、OVA「ジャイアントロボ」を手がけた今川泰宏監督が手がけているアニメ版「鉄人28号」と、原作漫画のストーリーをベースに、ゲームオリジナルのストーリーが展開する。強敵・ブラックオックスをはじめ、ギルバートや、モンスター、ファイアII世といったロボットが原作の姿のまま登場。不乱拳博士(ふらんけんはかせ)や十字結社、ロビーといったキャラクタ達も登場する。プレーヤーは主人公の少年探偵・金田正太郎となって、鉄人を操り、彼らに立ち向かう。日本の平和は、正太郎が、そしてプレーヤーが手にする「リモコン」にかかっているのだ。

 R1ボタンで右足、L1ボタンで左足、交互に押すことで、よっこらしょ、どっこいしょという感じで歩く今までのサンドロット製のロボットとは違い、今作では、方向キーでの前進後退、ボタンによるアクションで鉄人を操る。ちょっと“普通”になってしまっているのは、新規ユーザーに配慮した結果かというと、必ずしもそれだけではない。

 サンドロットがこういった操作法を採用したのは、「鉄人のリモコン」がまさに1レバーとボタンとダイヤル、という構造のためだ。リモコンから突き出す2本の棒は、一方がレバーであり、もう一方は“アンテナ”なのである。レバーを握り、ボタンを押していくことで、劇中そのままの操作を実現させたのだ。プレーヤーはぜひ、画面内の鉄人に声をかけて操作をしてもらいたい。ひょっとしたら「がんばれ!」と声をかけると頑張るかも……音声システムの採用は、残念ながら今作では実現しなかったようだが。

 ボタン1個で空を飛び、レバーを左右どちらかに2回倒すと“サイドステップ”をする。身長数メートルの鉄人は身軽さも併せ持っており、今までのサンドロットのロボットものとは一味違う、スピード感も楽しめそうだ。ボタンを押しっぱなしにしてパワーを溜めて技を放つので、フットワークとタイミングも重要になるだろう。また、「コンボ」もある。敵ロボットを宙に浮かせて、連続攻撃をたたき込めるのは、ゲームならではの楽しさだ。

 ロボットの縮尺が身近になったことで、街の描写も細かくなっている。鉄人が戦う時代は戦後間もない昭和30年代。木造家屋や、コンクリートむき出しの建物が建ち並ぶ空間は現代とはちょっと違った雰囲気を生み出している。鉄人は建物を地面から引っこ抜いて相手にぶつけたり、電柱を振り回して戦うこともできる。まわりの被害にはそれなりに気を使いながらも、大暴れするのも、また楽しいだろう。リアルな建物は、壊すのもまた楽しい。時には派手に建物を壊す、悪者気分に浸るのもいい。

 複数プレイが可能なのも本作の特徴。「チャレンジモード」では、ふたりのプレーヤーが協力して2体のロボットでミッションに挑戦することもできる。正太郎が鉄人を、敷島博士がブラックオックスを操って敵に立ち向かったときのような、シチュエーションを体験できるのだ。さらに、最大4人での対戦も。一画面に4体のロボットが並ぶ姿はまさに壮観。ゲームならではの豪華な顔ぶれによるバトルロイヤルは、是非体験してもらいたい。

【スクリーンショット】
国会議事堂前で、複数の27号と対決。ロボットの大きさが特徴的だ ボタンひとつで遠くから鉄人を呼び寄せる。鉄人は自在に空を舞う身軽さも持っている 正太郎自身に危機が迫ることもある。鉄人と正太郎の操作の使い分けが必要
敵がロボットを操っている場合も。操縦者を捕まえればロボットは止まるのか? 建物を持ち上げ、投げつけることも。ちょっと迷惑だけど爽快な攻撃 パンチ炸裂。ロボットを捜査しやすいように、正太郎の位置を変える必要もある
原作漫画にはあまりなかったが、正太郎を手に載せて飛ぶ操作は、現場急行に便利 必殺の急降下突撃。簡単な操作で強力な技を繰り出すことができる バッカスの上で飛ぶヘリコプター。ロボットの戦いに巻き込んで被害を与えてはいけない
さまざまなロボットが正太郎と鉄人の前に現れる。また、対戦モードでは、敵ロボットを操ることも可能だ

(C)光プロ/敷島重工
(C)BANDAI 2004

□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□サンドロットのホームページ
http://www.sandlot.jp/
□「鉄人28号」公式ページ
http://www.bandaigames.channel.or.jp/list/tetu28/

(2004年6月4日)

[Reported by 勝田哲也]


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ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

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