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★PS2ゲームレビュー★
時は20XX年。ハイテク技術によって再現された伝説の峠を攻略すべく、各地からチャレンジャーたちが集まった。ある者は、より速く。ある者は、より強く。そしてある者は、より華麗に。様々なスタイルを持った者たちが、その信念を貫くべくマシンを駆る。大自然をゆるがすのはマシンのエキゾーストか、はたまた勝者への歓声か。
■ 大自然の美しさを感じよう!
カーレースと聞いて何を思い浮かべるだろうか。スピード、爆音、バトル、クラッシュ。精密かつ無骨な金属の集合体から漂うガソリンとオイルの臭い。地面を焦がすタイヤの臭い。いずれにしても、なかなかにクリーンなイメージを抱く事は難しいのではないだろうか。だが、この「街道バトル2 CHAIN REACTION」は違う。美しい大自然の中を華麗に駆け抜けるマシン。オープニング映像を見て直感した。このゲームは、機械と大自然との美しき融合をテーマとしているのではないだろうか。
■ 挑戦者出現! 箱根の超新星!!
ゲームのメインは「CONQUEST」モード。ライバルと競いながら峠最速を目指していくキャンペーンモード。プレーヤーはまず、自分自身の登録名としての「アカウント」を登録する。これがこのゲームの第1の特徴。このアカウントは、いわゆるハンドルネームのようなもの。ゲーム中にプレーヤーに送られて来るメールや、掲示板の書込みによる挑戦状の宛名などは全てこのアカウントが対象とされる。アカウントの登録が終了すれば、いよいよ峠最速伝説の始まりだ。最初のチャレンジステージは「箱根」。まだ名も知られていない新米挑戦者であるプレーヤーが峠の超新星となれるかどうかは、プレーヤー自身のテクニック次第なのである。
■ 峠! 最速伝説!!【DAYTIME編】
ゲーム全体の構成は大別して「DAYTIME(昼間)」と「NIGHTTIME(夜間)」のふたつ。同じステージ(峠)であっても、昼と夜ではプレーヤーの遭遇する状況が大きく違う。「DAYTIME」では基本的に「CATEGORY RACE」と呼ばれるスポンサー主催のレースに参加し、その順位に応じた賞金を獲得していく。この賞金で、マシンを購入したりパーツを買ってチューンナップしたりするのである。「CATEGORY RACE」は「CA BATTLE(コーナリングアーティスト・バトル)」で開催される。「CA BATTLE」はスピードやタイムではなく、いかに美しいドリフトをこなしたか、で採点されるレースだ。「CA BATTLE」はレベル別にランク分けされており、同レベルで3つの「CATEGORY RACE」に優勝すれば、次のレベルに挑戦できるようになっている。
■ 峠! 最速伝説!!【NIGHTTIME編】
峠は夜になると、その表情も一変する。昼間のスポーティかつオフィシャルな雰囲気は消え、エモノを求めて闇に潜む猛獣を思わせるライバルたちがひしめくバトルエリアへと変貌する。「NIGHTTIME」では、プレーヤーはパーキングエリアに集まるライバル達と、様々なルールでバトルする事となる。バトルのルールは様々で、とにかく先行して相手の気力をそぐ「SP BATTLE」や、「CATEGORY RACE」と同様の「CA BATTLE」、走行タイムを競う「TIME ATTACK」など。プレーヤーはパーキングエリアで対戦するライバルを選択し、相手の提示する条件を満たす事ができればバトルスタートだ。見事勝利すれば、賞金をはじめ、パーツやマシンなど様々なモノを獲得する事ができる。ただし、負ければ同等のモノを奪われてしまうので、安易な挑戦は考えモノ。対戦相手の情報はある程度事前に参照する事が可能なので、あまりムチャな相手には挑まないように。挑戦の目安は最大出力の項目。ここの数値が相手のマシンより勝っているなら、勝てる確率はグッと高くなる。逆に、100以上劣っているのであれば、よほどのテクニックがないかぎり勝つのは難しいと言えるだろう。
■ ゲーム世界を生きるライバル達!
このゲームには300を越えるライバル達が登場する。それら全員に勝つ事が最速への道となる訳だが、ただやみくもに戦っていけばよいという訳ではない。ライバル達は全員、プレーヤーと同様にアカウントを持っており、街道管理人が運営するBBSやメーリングリストを活用してコミュニケーションをとっている。このコミュニケーションをうまく利用しなければ、勝負はおろか出会うコトすらできないライバルも存在する。この要素もまた「街道バトル2」の持つ特徴のひとつと言える。プレイが進むごとににぎわいを増していくBBSの書き込みや、プレーヤーが名を馳せていく程に送られてくるファンメールや挑戦状は、さながら実際に存在するライバルたちとのコミュニケーションのように、プレーヤーに臨場感を与えてくれるのだ。
■ 挑め! 次なるステージへ!!
特定のステージで「CATEGORY RACE」をこなしていったり、ライバルを次々に倒していくと、やがて「DAYTIME」では「ADVANCE RACE」に、「NIGHTTIME」では「SLASHER」に挑戦できるようになる。これらのレースに勝利する事で、プレーヤーは次なるステップに進む事ができるのだ。いわば「ADVANCE RACE」と「SLASHER」はゲーム展開における重要なチェックポイントという事になる。「ADVANCE RACE」に勝てば高額の賞金とプライズが入手できる。「SLASHER」に勝つことでそのステージをクリアした事となり、新たなステージへと進む事ができる。無論、そうやすやすと勝たせてくれるような勝負ではないが、プレーヤーのテクニックで(それが無理ならマシンの性能で……)突破するのだ。ゲーム序盤、最初の「ADVANCE RACE」と「SLASHER」をクリアできるかどうかが大きなターニングポイントとなる。ここを突破すればゲームは楽になりイッキに進行するが、突破できなければ少々ツラいプレイを続けなくてはならなくなるだろう。
■ なかなか先に進めない方のために ゲーム、現実を問わず、モータースポーツというのは資金の有無が勝敗を左右するキビしい世界だ。逆に言えば、資金さえあればテクニックが不足していても何とか進めてしまうと言ってもよい。そこで、序盤の効果的な賞金および資金の各特報法について軽く紹介させていただこう。 まず基本は「DAYTIME」の「CATEGORY RACE」。「NIGHTTIME」と違って、負けても賞金やパーツなどを奪われないためリスクはほとんどない。地道に繰り返して賞金をかせぐのが基本。ある程度資金をためたら、程々にパワーがあるマシンを購入して「ADVANCE RACE」に挑もう。250PSくらいのマシンなら、タイムアタックでクリアできる。箱根のステージをクリアすれば、スポンサーテストが開始する。このスポンサーテストに合格すれば、資金かせぎはイッキに楽になる。テストに合格すれば毎月契約金が入るし、マシンにスポンサーのステッカーを貼っておけば「CATEGORY RACE」に優勝した時にボーナスももらえる。このボーナスの存在がなかなか大きく、時に本来の賞金を上回る程だ。ボーナスは貼ったステッカーの枚数に比例するので、遠慮せずにベタベタ貼っていこう。少々マシンがカッコ悪くなるかもしれないが、背に腹は変えられない。
もうひとつ。どうしても「ADVANCE RACE」やスポンサーのテストをクリアできないプレーヤーには「中古車転がし」をオススメする。やり方は簡単。毎日マメに「USED CAR」のショップをチェックし、もし50万CP~30万CPの掘り出し物を見つけたら購入。即売却する事で、差額にして20万CP~50万CPをカンタンに儲ける事ができる。実際、序盤にこの技でずいぶん儲けさせていただいた。テクニックよりまずマシン、という方はぜひ有効活用していただきたい。
■ レースだけに留まらないこだわり このゲームをプレイして感じたのは、細部まで丁寧にこだわって作っているなというコト。特に、ヴィジュアルとサウンドというエンターテインメントの部分と、現実の峠を精密にデータ化するというリアリティの部分が絶妙に組み合わさっている整合感がとても心地好い。オプション設定で効果音を「車内」と「車外」に切り換えられるという心遣いもニクい。前者なら運転席視点で実際に車に乗った気分を味わえるし、後者なら後方視点などで第三者的なサウンドを楽しむ事ができる。 また、「首都高バトル」シリーズにあるような「ステッカー制作ツール」や「ボディペイントツール」とは大きく視点を変えた「サウンドエディターツール」の存在などは特筆に値する。BGMを好みのシーンに割り当てるだけでなく、何と自分でBGMを作れてしまうのだ。さすがにサウンドエディターツールの使い方に説明書の半分を費やしているのには驚いたが、その高い発想力と独創性には脱帽。おそらくは「首都高バトル」シリーズと様々な点で比較される事だろうが「別のゲームなのだから同じ事をやっても意味がないじゃないか!」と言わんばかりの情熱がビンビン伝わって来るのは気のせいだろうか。無論、この試みが「吉」と出るか「凶」と出るかはユーザーの決めるところではあるが「街道バトル2」が野心的ソフトである事には変わりはないのではないか。
「街道バトル2」は良い意味で「とても元気らしい秀作」であり、今後も同社のソフトを買い続けていこうと思える1本であろう。
(C)2004 GENKI
□元気のホームページ (2004年6月2日) [Reported by 松野桂司(冒険企画局)]
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