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【Electronic Entertainment Expo 2004現地レポート】

Vivendi Universal Gamesブースレポート後編
「EMPIRE EARTH II」が登場、色っぽい女忍者のステルスバイオレンスアクションにも注目

5月12日~5月14日(現地時間) 開催

会場:Los Angeles Convention Center

 「スパイロ」や「クラッシュ」といった人気キャラクタシリーズも健在のVivendi Universal Games(以下VUG)。新作に恵まれ、続編も好調のVUGブースレポートの後編をお伝えしよう。



■ 「Red Ninja - END OF HONOR」~色気で敵を翻弄せよ、テツゲンで絞め殺せ

 忍者の保有こそがその領国の権力の象徴となった16世紀の戦国時代の日本(え?)。各国の忍者党派は、忍者パワーの寡占をもくろみ、血で血を洗う忍者派閥闘争を開始する(ほんとに?)。

・アメリカ資本で日本が作った忍者ゲーム

 プレーヤーが扮するクレナイは、そんな党争劇に巻き込まれてしまった不幸なクノイチ。彼女の属する党派の敵対党派である黒蜥蜴(クロトカゲ)一門に家族を殺されてしまう。何とか生き延びたクレナイを、救ったのはクロトカゲ一門の敵対忍者派閥であった。

 ほどよく色っぽく育ったクレナイは、ワイヤーの両端に苦無(くない)と分銅を付けた必殺武器テツゲン(TETSUGEN)を手に、クロトカゲ一門への復讐に燃えるのであった。

 どこまで本気なのかわからない舞台設定に始まるこの女忍者活劇は、北米資本で日本のゲーム開発スタジオTRANJIが制作するもの。制作と物語を釈由美子の主演映画「修羅雪姫」を手がけた佐藤信介氏が担当。

デザインワークより。なにげに面白いこのゲーム、忍者好きは要チェックだ


・テツゲンと色気を使いこなせ!

 ゲームの方は3人称視点のバイオレンスアクションスタイルで、これが思いのほか、出来がよい。

 謎の万能必殺武器テツゲンは、遠くの甲冑歩兵の首に絡めて引けば絞め殺せるし、到達できそうにない遠方でも、天井の梁にテツゲンを絡めてターザンスイングすればホイっと行けてしまう。ワイヤー部分も鋭く、敵に巻き付けてギュィっと引っ張ればズバァと敵を分断できる。容赦ない一連の忍者バイオレンスは、白土三平の漫画を彷彿とさせる。

 クレナイの武器はテツゲンだけではない。クレナイは女忍者、しかも色っぽく育ったとなれば、色気も武器なのだ。まともに戦っては不利という状況の時は、「うっふーん」とやってこちらにおびき寄せ、近づいて後ろを取ればこっちのモノ。ズバァ。女の怖さを思い知っていただける。

 天井にテツゲンを打ち込んで天井にぶら下がる形で隠れ、敵が下に来たところをズバァというパターンもあり。

 シナリオベースでストーリーは進行。基本進行はステルス、スニーキングアクションゲームだが、要所要所にテツゲンを活用しての戦闘やアクションパズルが盛り込まれている。各エリア最後にはボスキャラがお出迎え。

 クレナイの声には海外版においては工藤夕貴さんを起用している。

プラットフォームはPS2、Xbox。北米での発売時期は2004年秋を予定。日本ではPS2版のみを日本語化して12月頃に発売を計画中



■ 「The Chronicles of Riddick: Escape from Butcher Bay」~XXX(トリプルエックス)のVin Diesel主演のアクション映画のゲーム化作品

 Vin Diesel主演アクション映画「The Chronicles of Riddick: Escape from Butcher Bay」を忠実に3Dゲーム化した作品。

 Vin Diesel扮するダークヒーローRichard Riddickは、厳戒体制下の刑務所タウンBUTCHER BAYに投獄された重犯罪人。映画は彼の脱走劇を綴ったものだが、ゲームの方も同じ。プレーヤーはRiddickとなり、BUTCHER BAYからの脱出を試みる。

 ゲームは1人称視点のFPSスタイルを基軸にするが、格闘アクションをはじめとする一部のシネマティックアクションでは3人称視点に切り替わるのが特徴。ただ、銃撃して進んでいくだけでなく、テーマが脱走ということもあって、ステルス、スニーキング行動も重要になる。銃器が使えない状況下では、敵の背後に忍び寄って敵を押さえ込んだりする必要がある。ド派手な銃撃戦と緊迫感漂うステルス行動がバランスよく詰め込まれたシネマティックアドベンチャーだ。

 開発は「Enclave」シリーズを手がけたStarbreeze Studiosが担当。ステンシルシャドウボリューム技法によるリアルタイム影生成と贅沢に法線マップを使ったハイディテールな3Dグラフィックスも秀逸。ゲーム中のRIDDICKはVin Diesel本人をデジタルキャスト化したもので、彼自身がゲーム中の声優も演じている。

日本での映画公開は夏を予定 卓越したグラフィックス表現とド派手なアクションが評価されて今年のE3の「BEST SHOOTER」賞にノミネートされた

プラットフォームはXbox。北米での発売時期は6月。Xbox版のみであるため、日本での発売の予定は現在はないそうだ。残念



■ 「Empire Earth II」~ビッグスケールRTSの続編が開発会社を変更して登場

 リアルタイムストラテジー(RTS)ゲームのデファクトスタンダード「AGE OF EMPIRES」のリードデザイナーRick Goodman氏が手がけた意欲作、「EMPIRES EARTH」(以下、EE1)の続編。ただし、今作「EMPIRE EARTH II」(以下、EE2)は、Goodman氏率いるStainless Steel Studiosではなく、EE1の拡張パックである「EMPIRE EARTH - THE ART OF CONQUEST」の開発を手がけたMAD DOC SOFTWAREが制作を担当している。

 今作も1万年に渡る人類の戦いの歴史を凝縮した形で楽しめるデザインを採用。登場文明は14種。今作EE2では、時代規模こそ前作同様壮大だが、ゲーム要素をシンプル化しているという。

 システム部分での強化点は3点。

 1点はシングルプレーヤーAIだ。プレーヤーの作戦を読んでダイナミックな対応戦術を展開してくるため、対人戦に近いプレイ感覚が味わえるという。

 2点目はインターフェイス。映像に別の映像がオーバーラップ表示されるPiP(Picture in Picture)システムが導入され、領土内の各地点の様子を、メイン画面の視点を維持したままリアルタイムに伺い知ることができるようになった。最前線での戦闘中も、領土本国の様子を知ることができるのだ。

 3点目は雨や砂嵐といった自然災害や天候変化が戦況に影響するというところ。自然災害は不可抗力なモノではあるが、科学力が進歩した時代では、予測することも可能で、その天候の変化を味方に付けた戦術も組み立てられるのだという。

 ゲームエンジンは、MAD DOCの完全新作となり、特に3Dグラフィック表現は、前作EE1のそれを上回るリアリティ溢れる表現が可能となった。特に前述の天候表現にはこだわりを見せており、たとえば砂嵐では砂煙が舞い上がり、風にあおり立てられる木々の動きがよく表現できていた。

 マルチプレイは対戦と協力プレイの両方に対応。

プラットフォームはPC版のみ。北米での発売は2005年第1四半期を予定。日本での発売は日本語化を視野に入れて検討中



■ 「Evil Genius」~悪の組織運営シミュレーション、ついに今年発売

 昨年のE3で電撃的に公開されたデミス・ハサビス氏の新作「Evil Genius」。世界征服をたくらむ悪の組織のリーダーとなって、手下を育てて怪人に成長させ、ジェームズ・ボンドのような世界的スーパーヒーローをトラップにかけていたぶるという、イギリスユーモアたっぷりのリアルタイムストラテジー。どことなく「ダンジョン・キーパー」に似ているのは、彼の師匠がピーター・モリニュー氏だからか?

 プラットフォームはPC。マルチプレーヤーには対応せず、シングルプレーヤーのみなのが少々残念。

北米での発売時期は2004年第4四半期。日本での発売は未定



■ 「Men of Valor」~ベトナム戦争の真実を疑似体験

 当時の取材実写映像を織り交ぜながらベトナム戦争の真実をドキュメンタリータッチで綴った戦争叙事詩的ゲーム。ゲームシステムとしては1人称シューティングを採用する。

 プレーヤーが扮するのは18才の米軍の黒人少年新兵。実際の史実に基づいた作戦に参加してベトナム戦争を疑似体験していく。

 シングルプレイは米軍側でのみプレイ可能。AIはベトナム軍も米軍も、自らの味方を助け合うようなAIが組み込まれており、負傷した味方をかばうような行動も取るという。

 ミッションのタイプは、偵察任務、救出任務などなど、当時の実際の軍事行動に準じたものになっている。絶体絶命のさなか、通信で依頼した援護空爆によって活路が切り開かれたり……といったドラマチックな展開は今作にも健在。

 マルチプレイモードでは、米軍とベトナム軍に分かれての対戦が楽しめる。

 プラットフォームはPCとXbox。北米での発売は2004年10月。日本での発売は日本語化を視野に入れて検討中。ただしXbox版に関してはワールドコレクションでの提供になる可能性もあるとしている。

開発は、リアル指向な戦争体験ゲームとして世界で絶賛を受けた「MEDAL OF HONOR: Allied Assault」を制作したゲームスタジオ"2015"。ゲームエンジンはUnreal 2エンジンベースの独自強化版を採用



■ 「Ground Control 2」~戦闘重視RTS傑作の続編、ついに来月発売

 西暦2741年の遙かなる未来を舞台に、Northern Star連合(NSA)とTerran帝国の2勢力の戦いを描いたリアルタイムストラテジー(RTS)ゲーム。

 RTSゲームでありながら、資源マネージメントがなく、「戦うこと」、「生き続けること」などで獲得できる戦術ポイントのみだけで自軍を増強していける、戦闘主体のゲームシステムになっているのが特徴。

 NSAは現代兵器を700年分進化させたようなイメージのハイテクユニットで構成されているが、Terran帝国が投入してきたエイリアンVironは、自らがバイオ兵器として活動できる特徴を持つ。Vironは戦場で同種ユニットと合体&分離して、より強力かつトリッキーな戦闘力を持つユニットに変身できる。戦況に応じて、合体&分離フィーチャーを使い分けていくのがViron独特の戦術となる。

 シングルプレーヤー向けキャンペーンはNSA用、Viron用がそれぞれ12種、合計24ミッションから構成される。

 オンラインマルチプレイにも当然対応。マルチプレイ用マップは10種類を用意。最大3人までの同時協力プレイが可能となっている。独自の対戦マッチングシステム「MassGate」により、最大8人同時のオンライン対戦も楽しめる。MassGateは、マッチメイキングだけでなく、ヨーロッパ、北米、アジアの各地区別のランキング集計やトーナメント大会の管理までを行なう。

 ゲームは、強力な動的Level of Detailシステムを組み込んだ独自のMassTechゲームエンジンを採用。衛星視点から歩兵ユニットの個人視点に至るまでをシームレスに移動可能。グラフィクスエンジン部はプログラマブルシェーダ2.0に対応する。

プラットフォームはPCのみ。北米での発売は2004年6月中を予定。日本での発売は日本語化を視野に入れて検討中



■ 「Crash Twinsanity」~ドクターコルテスを相棒(?)に大暴れ

 3Dキャラクタアクションの伝統芸「クラッシュバンディクー」の最新作。今作では凶悪な新たな敵の出現に、我らがクラッシュは宿敵ドクターコルテスとタッグを組むことに。爆笑アクションはさらに進化した……といってもコルテスはほとんど道具状態で酷使されているだけなのだが。

 プラットフォームはPS2とXbox。北米での発売時期は2004年第3四半期。日本では2004年12月に日本語版をリリース予定。

今作のコルテスは悪役の威厳なし。クラッシュにブン回されたり、囮にされたり、スケボーにされたり……。これってチームワークといえるのか!?



■ 「Spyro: A Hero's Tail」~紫ドラゴンの大冒険再び!

 VUGを代表するもう1匹の看板キャラクタ、紫ドラゴンのスパイロの最新作。悪の赤ドラゴンが光を蝕む暗黒石をドラゴン王国にまき散らしてしまった。王国を救うために立ち上がったのが我らがヒーロー「スパイロ」。ブレス攻撃は、火、氷、電撃、そして新たに水のブレス攻撃が加わり、新アクションとして壁つかみ、壁飛び、尻尾攻撃を習得。アクアラングを使えば水の中でもアクションが可能。パワーアップしたスパイロは果たしてドラゴン王国を救えるのか。

 プラットフォームはPS2、Xbox、GC。北米での発売時期は2004年第4四半期を予定。

日本での発売時期は来年を予定。日本語化する方針で検討中としている


□Vivendi Universal Gamesのホームページ
http://www.vugames.com/
□関連情報
【5月16日】Vivendi Universal Gamesブースレポート前編
「Half-Life 2」を凌ぐか? 次世代シネマティックシューティング「FEAR」が登場!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040516/vu1.htm
【5月11日】Electronic Entertainment Expo 2004 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040511/e3link.htm
【2003年5月18日】VUGブースレポート Blizzard Entertainment編
いよいよβテストが見えてきた「World of Warcraft」最新情報
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030518/e3_bli.htm

(2004年5月17日)

[Reported by トライゼット西川善司]

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