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【Electronic Entertainment Expo 2004現地レポート】映画「マトリックス」を題材にしたMMORPG |
MxOの配給を担当するのはセガ。写真はセガブースのMxO展示セクション | ATIブースでもMxOを積極的に展示。写真はATIブース内のMxO展示スペース |
ゲームの舞台となるのは劇場版最終作「マトリックス・レボリューションズ」の世界。主人公ネオの活躍により、機械(マシーン)軍による大虐殺の危機を免れた人類だが、人類を電源として培養するマトリックスは、引き続き人間を仮想世界に封じ込めている。
ゲームでプレーヤーは、人類解放戦線のザイオン側、メロビンジアンのようなエグザイル・プログラム側、サイファのようにマシーン軍側のいずれかの軍勢に属して、マトリックスが運営する仮想世界を生き抜いていく。ザイオン側は人類の解放、マシーン側はこれに立ちはだかり、エグザイル側は自らの欲望のためだけに暗躍するという三つ巴の図式が展開しており、MxOにおけるマトリックス世界はいわば冷戦のような状態となっているのだ。
プレーヤーはエージェントになることはできず、また、映画のキャラクタそのものにはなれない。ただし、主要キャラクタやエージェントはNPCとしてミッション中に登場し、映画の世界観を盛り上げてくれるという。
プレーヤーが扮すことができるのはあくまでマトリックス世界の一住人ということになる。プレーヤーの造形は顔や体格、衣服、アクセサリー、入れ墨にいたるまで細かく設定でき、MMORPGの面白さの1つであるゲーム世界でのアイデンティティのアピールに凝ることができる。
そして、外観だけでなく、能力のアイデンティティを主張できるのがMxOならではの最重要事項となる。プレーヤーキャラクタには、ゲーム中に入手可能な「アビリティコード」を適用することでパワーアップできるようになっている。劇中でネオが行なっていた銃弾避けアクション能力などはこのアビリティコードによって提供されるわけだ。アビリティコードはいわばアイテムのようなものであり、クエストから知り得た情報を元に作り出せたり、ミッション完了時にもらえたりする。また、他のプレーヤーとの交換も可能だ。
キャラクタの外観の作り込みの自由度は高い |
クエストは、自分の属する組織のNPC達から得ることができ、複数人のプレーヤーで挑むことができる。その内容は敵組織の陰謀の阻止や、情報収集のための潜入ミッションなど、多岐にわたる。ミッションを遂行していく途中で発生するイベントでは、映画でお馴染みのキャラクタ達と遭遇することもあるという。
ミッションのロケーションは、公園、クラブ、オフィスといった、劇中に登場していた都市内の施設がメインとなる。映画に出てきた荒廃した現実世界や空中戦艦の内部とマトリックス社会の往来のようなものはサポートされず、ゲームはあくまでマトリックス内の仮想世界に限定されている。
ミッションを進めていく上で、場合によっては所属している組織への裏切り行為(寝返り)を働くことも可能だそうだが、一度裏切ると元の組織には戻れないという。ミッション遂行にはハッキング能力、ステルス能力などを必要とするものもあり、難易度の高いミッションでは他プレーヤーとの連携が欠かせなくなるそうだ。
戦闘は、銃火器を駆使したガンシューティングから、バレットタイムアクションを駆使したワイヤーアクション風の肉弾格闘戦までが用意されており、映画の雰囲気そのままのド派手なアクションが楽しめる。なお、操作はマウスとキーボードで行なうタイプで、見せ方こそ派手なものの、戦闘処理内容はシューティングゲームや格闘ゲームのようなリアルイム当たり判定ベースではなく、一般的なMMORPGと同等のパラメータ演算ベースと推察される。ちなみに、プレイに必要な回線速度はナローバンド(56kアナログモデム接続)もOKとなっている。
なお、PvP(PK)、いわゆるプレーヤー同士の戦闘は標準でサポートされ、NPCとの戦闘同様にシームレスに行なわれるそうだ。
ゲームの舞台は映画と同様に都市部に限定されている。君は一般市民NPCがエージェントに変身する瞬間を見ることができるか | |
戦闘シーンはとにかく派手。街の至る所で絶えずボカボカやっている情景はいかがなものか…… |
銃器からの銃弾は、映画でお馴染みのバレットタイムエフェクトで避けられてしまうため、MxO世界ではそれほど強い武器にはなり得ない |
ネオのようにスーパーマンライクに空を飛ぶことはできないが、アビリティコードの適用で、モーフィアスのようにビルからビルへのハイジャンピングや、トリニティのような高台からのダイブ、壁掛け上がりのような特殊アクションは行なえるという。
背景に自動車やバスの乗り物は出てくるが、これらに乗ることはできない。また、自分で自動車を操縦することもできない。少々残念だが、いずれ拡張パック等でこうした制限に対応したいそうだ。映画第2作目「マトリックス・リローデッド」でも印象的だった、ハイウェイでのカーチェイスシーンなどはMxOでも体験したい要素である。
ゲームには「どの組織が勝利した」といったエンディング的な要素はなく、複数の勢力間で繰り広げられる冷戦構造に終わりがない。これについても何らかの対応を期待したいところだ。
ゲームはインターナショナルな展開がなされる予定で、アクセス元地域を判断してのプレイ制限は行なわないという。
ゲームの開発元はLithTechエンジンで知られるMONOLITH。とはいえゲームエンジンはLithTechエンジンではなくゼロから開発したMxOオリジナルのものを採用しているという。ゲームのプロデュースは劇場版マトリックスシリーズと同じく、ウォシャウスキー兄弟。あの「STARWARS GALAXIES」でさえ、辛い戦いを強いられている映画関連MMORPG。MxOで、どこまでマトリックスブランドが通用するのかにも注目が集まる。
取材協力頂いたMONOLITHの「THE MATRIX ONLINE」開発チームの面々 | 開発がエンジンメーカーとして有名なMONOLITHということもあり、グラフィックのクオリティは高め | |
言語の違いの障壁はあるものの、日本のプレーヤーも2004年11月のリリース直後からMxOが楽しめることになる |
□セガのホームページ
http://sega.jp/
□Sega of Americaのホームページ
http://www.sega.com/
□Warner Bros. Interactive Entertainmentのホームページ
http://www.wbie.com/
□製品情報
http://thematrixonline.warnerbros.com/
□関連情報
【5月11日】Sega of America、MMORPG「The Matrix Online」を
Warner Bros. Interactive Entertainmentと共同展開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040511/matrix.htm
【5月11日】Electronic Entertainment Expo 2004 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040511/e3link.htm
(2004年5月16日)
[Reported by トライゼット西川善司]
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