【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

Sony Online Entertataimentブースレポート
βテスト直前の「Ever Quest II」
プレーヤーの前に拡がる世界とは?

会期:5月12日~14日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

  毎回、E3ではほぼ完全なクローズドブースで情報を公開。秘密のベールに包まれているSony Online Entertataiment。今回もまた、一般の人々はブースの周りで公開されているムービーを見るか、唯一の試遊台である、「Ever Quest」を題材にしたPS2版のアクションRPG「Champions Return to Arms」をプレイすることしかできない。

 ところが、許可を取って中にはいると状況は一変。入り口のブロックは広いスペースに何台かの巨大なモニターが設置されており、そこにはスタッフがにこにこと歓待してくれる。「Ever Quest II」に関して、丁寧な説明を聞くことができ、さらに質問にも真摯に答えてもらえる。入る前の苦労とはあまりにも違った雰囲気で、そのギャップに驚かされた。

 とはいえ、その場所からさらにクローズドになっているミーティングルームで話をしているであろう 「Ever Quest」の新拡張パック「Omens of War」に関しては、説明を受けることも、最新画面を見ることもできなかった。今回は「Ever Quest II」を中心に、最新スクリーンショットと、会場のモニターの写真を交えながら、ゲームの情報をお伝えしていきたい。



■ グラフィカルな進化が特に目立った「Ever Quest II」


キャラクタ作成は、スタッフでも思わず入れ込んでしまうほど。クリエイター魂を刺激せずにはいられない自由度がある
 「Ever Quest II」は、スクウェア・エニックスが電撃的に日本での取り扱いを正式発表したことで、次世代のRPGとして日本でも注目を集めることは必至となった。米国では5月よりついにβテスタの受付を開始。制作が発表されてからかなりの時がたち、「いつ出るのか」を問われ続けていたソフトなだけに、サービス開始に「具体性」を帯びてきたことには感慨を持つファンも多いことだろう。

 会場では最初にムービーを見ることができた。美しい空と石づくりの強固な建物。「Ever Quest」ではほぼ世界の中心に位置するアントニカ大陸の西に位置する「ケイノス」である。前作ではどことなく荒廃している雰囲気もあった街は、未来にあたる「Ever Quest II」の世界では、洗練された美しい都市になっているようだ。

 続いて登場したのはフリーポート。アントニカ大陸の東端に位置する街である。こちらは赤い空に荒れ果てた石畳、戦争の準備を思わせるまがまがしい旗の下に集まる兵士達などが確認できる。前作では猥雑な港町であったフリーポートはかなり軍事的な匂いのする街になってしまっているようだ。

 グッドとイビルという属性は、前作よりつながる「Ever Quest II」の大きなキーワードのひとつ。このムービーでは、グッド側を象徴する街としてケイノスを、イビル側を象徴する街としてフリーポートを紹介していた。

 詳しくは後述するが、グッド、イビルを選択しても、スタート地点はそれぞれ上記の街ではなく、ひとつの同じ街のようだ。また、種族によってのルールの違いなどはなくしたいという考えもあるようで、前作ではイビルのキャラクタが普通の街を歩くには隠れたり、街に貢献して認めてもらったりとかなりの苦労が必要になっていたのだが、今作ではその苦労はないということだ。

 続いてはオークの砦に攻め寄せるキャラクタ達の映像。今作ももちろん、職業、種族による多彩な攻撃は健在で、戦士が敵を引きつけ攻撃を受け止め、他の仲間がパーティーを補助したり、強力なスペルを浴びせかけていた。このシーンでは、特に鎧に注目してほしいという説明が。まだ駆け出しの冒険者なのであろう各キャラクタ達。特に戦士は既製品のようなチェインメイル、小さな盾を持っている。装備そのものは弱そうだが、込み入った装飾は非常に見事で、グラフィック表現のすごさを感じさせられた。

 前作では装備そのものは非常に多彩だったが、デザインにおいて比較的貧弱で、初心者用の鎧も、上級者向けの鎧も、プレートメイル、リングメイル、皮鎧といった種類別しか違いがなく、キャラクタの外見においてのカスタマイズがスポイルされている部分があった。しかし、今作ではそういった部分も強化されていくとのことだ。多少弱くてもかっこいいからこの鎧、というような、鎧のコーディネートにもこだわったプレイを希望したい。

 一転してダンジョンに。光り輝くゴーストによる警告の後、襲いかかってくるのは巨大なコウモリの翼を持った、一見して強力なモンスター。プレーヤー側も強力なキャラクタのようで、魔法使いは巨大な炎の杖が吹っ飛んでいくようなエフェクトをもつ強力なスペルをぶつける。

 モンスターの腕が戦士に強力なパンチを浴びせかけると、戦士は一瞬で床にのびてしまう。横にいる盗賊らしきキャラクタにのしのしと迫っていくモンスター。その瞬間、盗賊は周囲に姿をとけ込ませ、かき消えてしまった! 戦士が復活し再び注意を引きつけ、戦闘が再開された。

 ここで見ることができたのは、キャラクタの状態変化までグラフィカルに表現しようという試みである。ノックバック(気絶状態)にされたキャラクタは一発でそれが確認でき、隠れたキャラクタは前作のようにまったく透明になるのではなく、映画「プレデター」の光学迷彩のように、もやもやと空気をゆがませる。わかりやすいキャラクタの表現はよりパーティー間の意志の疎通をスムースにさせることが伺える。

 他にも、キャラクタの歩行速度を上げるスペルの場合は、緑色の馬の形をした光がキャラクタを包んだり、さまざまなスペルが飛び交っていた。光やエフェクトで呪文の効果まで推し量れるという表現には少なからず驚かされた。

 ムービーのクライマックスは巨大なドラゴン。レベル50という、前作では上級者へのスタートポイントとなる付近の強さを持ったキャラクタだ。対するパーティーも炎で輝く剣を持っていたりと強力そうだ。ドラゴンは、炎と、ガスのブレスを使いこなす。ガスを浴びるとプレーヤー達は一瞬でスケルトンとなり、がらがらと崩れてから人間に戻る。強力な攻撃をしめすわかりやすい表現というわけだ。他にもメンバーすべてに強風をたたきつけ、なぎ倒してしまったりと印象的な強さを見せつけてくれた。

 ムービーの後は、実際にキャラクタを作るデモプレイを。ここで、スタッフに「あなたが思う、クールなキャラクタを見せてくれ」などとふってしまったところ、スタッフの方は完全に本気モード。話が聞けなくなってしまうんじゃないか……とこちらが心配するほど入れ込んで作成してくれた。

 今までさまざまな媒体で紹介されているように、本作のキャラクタの個性化は詳細きわまりない。エルフやノーム、さらにラットマンなど16の種族に、瞳や髪や肌の色、体格、鼻の形まで自由に設定するというすさまじいまでの自由度がある。さらに、髪型などを選ぶと、アクセサリまで登場。エルフは花や蝶の髪留めをつけたモデルを選択できたり、オーガは鉄鋲を思わせる攻撃的なとがりまくりの飾り(?)をつけることもできる。眼帯、傷跡、入れ墨などもこだわれるし、瞳の色までも変えられる。ちょっと残念だったのが、オッドアイ(左右の目の色が違う)はできないとことだ。

 ユニークなのがノーム。彼らはどんなモデルを選んでも眼鏡をかけているのである。別に日光に弱いわけではなく、魔法に詳しい種族を示す世界での記号として、ノームは眼鏡をかけているのだそうだ。前作でもロボットを作っているなど、SF的な設定を匂わせるノームは、今作でも面白い文化を見せてくれそうだ。

 キャラクタを作成すると、プレーヤーは船の上に。ここから浜辺に上陸し、街に繰り出すまでがチュートリアルになっていて、操作の仕方、さらにキャラクタの職業を選択することになる。この時も含め、NPCは常に、メッセージをしゃべりまくる。NPCの「音声化」は本作の大きな特徴で、幾人ものアクター達が膨大なメッセージをはなしてくれるようだ。

 次は、街の外に出て、戦うシーンを。呪文書から稲妻の呪文を選び、ショートカットに登録、これをクリックすることで発動する。稲妻が天から降り注ぎゴブリンは一撃で昇天した。

 街の外での冒険、キャラクタの戦闘は残念ながら興奮の度合いは少なかった。デモ用のキャラクタのため、最初の敵であるゴブリンは、ほとんど魔法の一撃で倒せてしまうのである。こういった戦いの臨場感、初めての戦いの緊張は、正式にサービスが開始され、強さの調整がなされた上で、「自分の」キャラクタで戦ってみなくては生まれない感覚なのかもしれない。

 筆者は今回初めて、リアルタイムに動く「Ever Quest II」を見たのだが、「ファイナルファンタジーXI」や、「リネージュII」などとは明らかに違う、「濃いグラフィック」に圧倒された。そしてたまらない魅力をここに感じるのだ。グラフィックの濃さは力強さだけではない、海外のファンタジー作品に直面したときの、違和感と、バタ臭さ、そしてなにより圧倒される実在感がこの作品にはある。世界の構築もまた、他の作品とは明らかにベクトルの違う、「アメリカ人ならではのファンタジーへのこだわり」にあふれている。

 スクウェア・エニックスの発表により、にわかに日本との距離が縮められた感のある「Ever Quest II」。日本人のユーザーが、この世界をどう受け止め、どんな反応を示すか、 楽しみな作品である。

【デモプレイの模様】
スタッフの作成したセクシーなウッドエルフ。アクセサリなどは目移りしてしまうほどに多い
スタート地点となる船。ここから冒険が始まるのだ ダークエルフ達が闊歩するフリーポート NPCは雰囲気たっぷりにこちらに語りかけてくる
【スクリーンショット】
まがまがしいオブジェクトの多いフリーポートの街。
さまざまなNPCがプレーヤーを待ち受ける キャラクタはタトゥーや装飾品などこだわりまくれる オークとの戦い。連携は初期から必須となるだろう
幽霊の警告とともに現れるモンスター。役割を決めた上で、全力で戦わなければならない
巨大なドラゴン。レベル50程度の強さとのこと ガス状のブレスを浴びるとこちらは骸骨に 新名所など、ノーラスの変化を感じることができそうだ



■ そのほかのタイトル


【Omens of War】
(PC)発売時期:2004年7月26日 ジャンル:エクスパンション
 新しいグラフィックエンジンによって描画されるキャラクタ、そして待望のレベル制限底上げ、など特に上級キャラクタに魅力的な新しい拡張パック。歴史的な戦いへつながるシナリオが展開する。各職業にひとつしか存在しない最高の武器“Epic”が追加されるのも見逃せない要素。プレーヤー達は新たな情熱をもたらさずにはいられないだろう
【Champions Return to Arms】
(PS2)発売時期:今冬 ジャンル:アクションRPG
 「Ever Quest」の世界を題材にしたアクションRPG第2弾。前作をプレイした人はキャラクタを引き継ぐこともできる。オンライン、オフラインともに最大4人でのプレイが可能。ゲームはミッション制になっていて、各ダンジョンを攻略していくことで、ゲームが進行していく

□SONY ONLINE ENTERTAINMENT公式ホームページ
http://www.station.sony.com/

(2004年5月16日)

[Reported by 勝田哲也]


Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved.