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【Electronic Entertainment Expo 2004現地レポート】

遊べる“ビンテージゲーム”が大集合!
~The History of Videogames Museum~

5月12日~14日(現地時間) 開催

会場:KENTIA HALL

■ KENTIA HALLがゲーム博物館に!

 テレビゲームのルーツを知りたい。この思いは洋の東西を問わず変わらないようだ。今年のKENTIA HALLで最大の呼び物となった「The History of Videogames Museum」。E3が今年で10周年を迎えたことを記念して、Intellivision ProductionsとClassic Gaming Expo(CGE)の共同で開催されたものである。

 会場は2カ所にわけられ、一方では'80年代を中心とした初期アーケードゲーム機が、もう一方では歴代の家庭用ゲーム機が多数展示された。会場ではフリープレイのコーナーが広く設けられ、多くの人々がビンテージ物のアーケードやコンソールゲームを楽しんでいた。E3の入場者はほぼ全員がゲーム業界に何らかの形で関わっている人々である。子供の頃に楽しんだ思い出のゲームに再会したり、自分がかつて携わった機械に触れたりと、さまざまな思いが交錯する場になったようだ。

アーケードブース全景 コンソールブース全景
ビンテージ・アーケードタイトルたち
「NES」以前のコンソール機たち



■ あの「COMPUTER SPACE」や「PONG」も遊べる!

アメリカの家庭を模したデモプレイ場。ソファーが主役だ
 それではテレビゲームの歴史にのっとり、まずアーケードブースから内容を紹介していこう。こちらでは「パックマン」や「ドンキーコング」など、'80年代のアーケード史を彩った数々の人気ゲーム機のアップライト筐体が計34台集められ、自由にプレイできる環境が整えられた。スペースの中央には、アメリカの居間を模した形の、テレビとソファからなるスペースが2カ所設けられ、レトロゲームがデモプレイされるという趣向つき。

 これらのゲーム機は中古アーケードゲーム機販売のVintage Arcade Super Storeの協力で展示されたもので、すべて実際にロケで営業されていたもの。ロケからオールドゲームがどんどん姿を消している今、これだけのゲーム機が一堂に集まった姿を見ることができ、かつ実際に遊べるというのは、ゲーム好きにはこたえられないだろう。

 展示された筐体は下記リストにあるように、ナムコ、任天堂、アタリ、タイトーなど多岐に渡っている。中でも「ドンキーコング」や「マリオブラザーズ」など任天堂の初期アーケードタイトルが遊べることは、時の流れを感じさせて興味深い(マリオのデザインも現在とはかなり雰囲気が異なっている!)。「ギャラガ」、「ラリーX」などのナムコ・クラシックはこちらでも根強い人気だ。アタリのベクタースキャン・ゲームなども時代を超越したビジュアルデザインとなっており、今遊んでも古さを感じさせない魅力がある。

 まだコンソールやPCに技術的な制約が多かった'80年代前半、ゲーマーにとってビデオゲームとはアーケードゲームのことで、ゲームを遊ぶとはクォーター(25セント)をかけたコンピュータとの真剣勝負を意味していたのだ。



■ プレイアブルだからわかること

 また感動的だったのが、世界初の商用アーケード機といわれる「COMPUTER SPACE」と、第2号の「PONG」のオリジナル筐体が共に展示されていることだ。「COMPUTER SPACE」は宇宙戦争をテーマにしたシューティングゲームで、「PONG」はおなじみのテニスゲーム。共に若き日のノーラン・ブッシュネル氏が開発したゲーム機である(氏は後に「PONG」の成功でアタリ社を設立する)。しかもこの両機械は見るだけでなく、25セントを投入すると実際に遊ぶことができた。これが日本なら、仮に博物館で展示されたとしても文化財の一種として扱われ、実際に触って体験することはできないことが容易に想像される。それだけにこのプレイアブルな展示は意味深いものだった。

 実際に両ゲーム機を遊んでみたところ、違いが歴然として感じられる。「COMPUTER SPACE」がマニアックすぎてつまらないのに対して、「PONG」のシンプルなおもしろさが際だっているのである。「COMPUTER SPACE」のパネルにはボタン4つが横に並べられており、左から攻撃、ロケット噴出、左旋回、右旋回という配置で、操作がわかりにくい。これが「PONG」では、ダイアルを回せばラケットが上下に移動するという、誰もがすぐに操作を連想できるデザインになっている。また「PONG」では、ラケットの端の方でボールを打つと、ボールの反射角度が鋭角的になったり、スピードが速くなったりと、プレーヤーのリスクに応じたリターンがフィーチャーされている。ボタンの数だけ見ると一見退化したように見える「PONG」だが、ゲームデザインの革新は相当なものだ。

世界初の商用アーケードゲーム機、「COMPUTER SPACE」 「COMPUTER SPACE」の操作パネル。4つのボタンでロケットの操作を行なう 「PONG」。画面を見ただけで遊び方がわかる点は偉大だ


 ノーラン・ブッシュネル氏は「COMPUTER SPACE」の失敗から「PONG」のヒントを得たといわれるが、「画面を見ただけで遊び方がわかる」、「ゲームデザインにおけるリスクとリターンの関係性」という、おもしろいテレビゲームに共通してみられる普遍的な要素が「PONG」ですでに実践されていたことに、素直に驚いた。またこうした発見ができたのも、両ゲームがプレイアブルな形で出展されており、遊び比べることができたからだろう。テレビゲームはユーザーに遊ばれてはじめて価値が生まれる。ガラスケースの中に陳列されているのでは、他の工芸品と変わるところがない。



■ コンソール機の歴史も一望できる

 一方でコンソールブースでは、世界初の家庭用テレビゲーム機といわれるマグナボックスの「Odyssey」や、全米で爆発的に普及し、アタリショックを引き起こしたことでも有名な「Atari2600」、ファミコンの北米版である「Nintend0 Entertainment System(NES)」、アタリ最後のコンソールである「Jagar」や、セガ・スーパー32Xのプロトタイプである「Neptune」、さらには携帯ゲーム機やLSIゲームに至るまで、全50台以上のビンテージ・ゲーム機が展示された。特にIntellivisionやATARI、Vectrex、ColecoVisionなど「NES」以前のコンソール機の充実ぶりには目を見張らされるものがある。さすがに初期のコンソールは本体展示のみに留まったが、驚くことに「Odyssey」のプロトタイプである木製キャビネットの「Odyssey/Brown Box」では、実際に「PONG」を楽しむことができた。ちなみにこのマシンは'69年製である。

世界初の商用テレビゲーム機、「Odyssey」 「Odyssey」のプロトタイプ、「Odyssey/Brown Box」
全米で一斉を風靡した「Atari2600」 「Intellivision」など国内で輸入販売された物も多い


 また「Apple II」や「Comodole64」、初代IBM-PCなど、コンソール機と共に初期ゲームシーンを支えたPCの名機も展示され、ゲームのデモプレイが行なわれていた。「NES」以前にこれだけのバラエティ豊かなコンソール文化が存在していたこと、さらにはこれらの初期コンソールで「パックマン」や「スペースインベーダー」、さらには「ドンキーコングJr.」といった日本のアーケードタイトルが動くさまを見たのには驚いた(これらのゲームがライセンス販売されていたことは、知識としては知っていても、実際に見るのはこれが初めてだった)。

 他にもマグナボックスや「Intellivision」などの初期コンソールには、ゲームコントローラをきれいに収納するための仕掛けが本体に作られているなど(このギミックはファミコンにも引き継がれたが、残念ながら「NES」では省かれた)、筐体デザインにも秀逸な物が多い点にも驚かされる。

多くの有名RPGを排出した「Apple II」 ROMカートリッジを内蔵していた「Comodole64」 家具調の作りが美しい「Astrocade」



■ コンソール文化における「NES」の功績

 これらのコンソール機の歴史を振り返って、改めて感じられたのが「NES(海外版ファミコン)」の位置づけである。アメリカで誕生し、現在にまで至るコンソールの歴史の中で、「NES」の誕生は大きなエポックメイキングだった。そこには大きくゲーム内容とコントローラという2つの意味合いが見受けられる。

 ゲームの内容については言わずもがなで、実際にゲームを遊んでみると、「NES」以前と以降ではゲーム内容や洗練度に大きな差がある。一方でコントローラの進化についても忘れてはならないだろう。「NES」以前の初期コンソール群のコントローラは、各マシンごとにダイアルやテンキー、トリガーなどが入り乱れて構成されており、非常にバラエティに富んでいた。この百花繚乱のコントローラ文化の頂点に立ったのが、「Atari2600」の8方向デジタルレバー+1ボタンという、ジョイスティックタイプのコントローラだった。

「Atari2600」のジョイスティック(ジョイスティック+1ボタン) 「Intellivision」のゲームパッド(テンキー付き) 「Vectrex」のゲームパッド(ジョイスティック+4ボタン)


Nintendo Entertainment System(NES)
 しかし「Atari2600」のコントローラ文化はアタリショックと共に消滅し、一度リセットがかけられてしまう。その後に現れたのが「NES」の十字ボタン + A、Bボタンというコントローラであり、以後すべてのコンソール機では、この「NES」のコントローラのデザインが踏襲されていることがわかる。十字ボタンでメニューを選択し、Aに相当するボタンで決定、Bでキャンセルという、基本的な操作方法も東西を問わず同じだ。いわば'80年代初期、アメリカで花開いたテレビゲームのカンブリア・エクスプロージョンを一度集約し、新しいスタンダードを作り上げた点に「NES」の意義があった、今回の展覧会ではそんなことが改めて感じられた。



■ 北米でファミコンミニは売れるか?

 また、今回の展示で印象深かったのは、これらのビンテージゲームを遊ぶ人々の顔が実に活き活きとしていたことだった。業界関係者ばかりだから、という前提はあるとしても、北米でテレビゲームが文化として根付いていることを改めて感じさせる。

 今回のE3で任天堂は新型携帯ゲーム機、ニンテンドー・ディーエスと共に、ファミコンミニの北米展開も発表した。国内ほどに売れるか疑問視する声も聞かれるが、この会場の熱気を見た限りでは、意外と北米市場でもチャラッと売れてしまうのではないだろうか。ともあれ、10周年を迎えたE3でこのようなテレビゲームのルーツを探る催しが開催されたことは、非常に意義深いものだった。できれば来年以降も常設展示してほしいものである。



【出展アーケード筐体一覧】
BOSCONIAN(MIDWAY)
BUBBLES(Williams)
CARVIVAL(Gremlin/SEGA)
COBRA COMMAND(DATA EAST)
COMPUTER SPACE(NUTTING ASSOCIATES)
CRAZY CLIMBER(TAITO)
DONKEY KONG(Nintendo)
DRAGON'S LAIR(STARCOM.INC)
FROGGER(SEGA/Gremlin)
Galaga(MIDWAY)
JUNGLE KING(TAITO)
Kick(MIDWAY)
KRULL(Gottlieb)
M.A.C.H.3(MYLSTAR)
MAKE TRAX(Williams)
MARIO BROS.(Nintendo)
MILLIPEDE(ATARI)
MISSILE COMMAND(ATARI)
MOTORACE-USA(Williams)
Ms.PAC-MAN(MIDWAY)
PAC-MAN(MIDWAY)
Pengo(SEGA)
Phoenix(Centuri)
PONG(ATARI)
POLARIS(TAITO)
POPEYE(Nintendo)
PUNCH-OUT!!(Nintendo)
PUPPY PONG(ATARI)
RALLY-X(MIDWAY)
SPACE ACE(STARCOM.INC)
SPACE INVADERS(MIDWAY)
STRATOVOX(TAITO)
SUPER PAC-MAN(Bally/MIDWAY)
The Adventure of MAJOR HAVOC(ATARI)
※括弧内は当時の北米市場におけるパブリッシャー名なので実際のメーカー名とは必ずしも一致しない。

【出展コンソール/PC一覧】
32X System(スーパー32X)
3DO Console(3DO Real)
Atari 800 Computer
Atari 2600 Console
Atari 2700
Atari 5200 SuperSystem
Atari 7800 Console
Atari Cosmos w/box
Apple II Computer
Arcadia 2001
Astrocade Console
ColecoVision Console
Coleco Telstar Arcade
Commodore 64
CX2000
Fairchild Channel F
Genesis Console(メガドライブ)
IBM-PC Computer(vintage)
Intellivision Console
Intellivision Keyboard Component
Intellivoice
Jugar Console(ジャガー)
Microvision Sysytem
Neo Geo AES Console(ネオジオ)
Nintendo Entertainment System(ファミリーコンピュータ)
Odyssey/Brown Box
Odyssey Console
Odyssey2 Console
Sega CD System I
Sega Channel Adapter
Sega Neptune Prototype
Sega Saturn(セガサターン)
Super NES Console(スーパーファミコン)
System X
Timex Sinclair
TI-99/4A Computer
Turbografx-16&CD-ROM Expansion(PCエンジン)
Vectrex Console
Virtual Boy System(バーチャルボーイ)

【その他】
・携帯ゲーム機
Game Gear System(ゲームギア)
Game Boy Color System(ゲームボーイカラー)
Game Boy Color(ゲームボーイ)
Lynx System(リンクス)
Microvision System
Nomad System
Repro Cart
TurboExpress System(PCエンジンGT)

LSIゲーム 各種
Game&Watch 各種
Vintage PC Games
ゲーム関連アイテム(トロフィー・ワッペン・周辺機器他)多数
他、プレイ用のゲーム機、多数


□関連情報
【5月11日】Electronic Entertainment Expo 2004 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040511/e3link.htm

(2004年5月15日)

[Reported by 小野憲史]

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