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【Electronic Entertainment Expo 2004現地レポート】LucasArts~映画スター・ウォーズの新作はなくても |
LucasArtsブース内休憩所で、昼食を取るストーム・トゥルーパーズ |
スター・ウォーズの世界観をベースにしたMMORPGとして世界的に注目を集めた「STARWARS GALAXIES」(以下SWG)に待望の拡張パックが登場した。
・宇宙船をカスタマイズしてアイデンティティを主張せよ
LucasArtsブース内、SWG:JTL展示コーナー |
SWG:JTLを導入すると、プレーヤーは宇宙船を購入できるようになり、そのまま宇宙へ飛び立つことが可能となる。ゲーム内クレジット(お金)があればあるほど優れた性能を持つ戦闘機(X-WING、TIE-FIGHTERなど)や、大きな輸送船(YT-1300/FALCONなど)が購入できる。
購入した宇宙船は、拡張パーツを組み込むことでカスタマイズが可能で、旋回能力や加速能力が向上したり、武装を強化することができる。たとえば、同じX-WINGでもエンジンパーツを組み替えるとその外観が変わり、見た目でその性能をアピールすることも可能となっている。MMORPGにおけるキャラクタのアイデンティティは重要だが、SWG:JTLではそのアイデンティティを宇宙船で訴えることができるわけだ。デカールやペイントで色や模様を変えることはできるが、X-WINGとY-WINGの“あいのこ”を作ったりといった宇宙船の創作は行なえない。チューンはできるがビルドはできないのだ。
なお、帝国軍と反乱軍(共和国軍)の宇宙船は明確に種類が分かれており、帝国軍に属するプレーヤーが反乱軍の宇宙船を自分のものにすることはできない。これは制限というよりは、敵味方入り乱れての宇宙戦闘を直感的に行ないやすくするための配慮……と解釈すべきか。
X-WINGをはじめとした一部の戦闘機にはドロイドスロットがあり、自分の所有しているドロイドをナビゲーターとして活用できる。これもスター・ウォーズでお馴染みのフィーチャー。X-WINGならばR2ユニットを後部席に装着できるわけだ。ドロイドによるナビ効果については未だ検討中とのことだが、戦闘中のとっさの危機回避支援行動や、損傷箇所の応急処置といった、劇中でのドロイドの活躍がそのまま再現される方向で開発を進めているという。
【スクリーンショット】 | ||
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用意される宇宙船は最初は15種程度 |
宇宙船の操縦はキーボードとマウスでも行なえるが、ジョイスティックの使用を奨励している。戦闘はMMOベースのゲームでありながら、リアルタイム処理による当たり判定ベースのシューティングゲームスタイルを採用する。
これは具体的に言えば、敵の射出したレーザー攻撃を、宇宙船の操縦によって回避できるということだ。これは一般的なMMORPGのシステムとしては珍しい例だといえる。戦況を先読みする勘と操縦テクニックさえあれば、キャラクタの成長が不十分でも、宇宙船の性能が低くても、ゲーム内で活躍ができるということだ。
実際にプレイを見せてもらったが、往年の名作、「X-WING VS TIE-FIGHTER」がそのままMMOで動いているという感じで、シールドエネルギーの配分や武器の切り替えなどはかなり忙しく、プレイ感覚はアーケード系の3Dシューティングにかなり近い。
宇宙船は1人乗りから複数人乗りまで様々。ハン・ソロの愛機としてお馴染みのFALCON号タイプのような中型スターシップになると、パイロットが宇宙船を操縦し、その他のプレーヤーが砲撃手を担当する……といった協力プレイ的な戦闘も楽しめる。
実際のプレイ画面で、戦闘中のFALCON号の中をキャラクタが自由に動けるシーンが示された。パイロットプレーヤーの画面は後方視点で宇宙船が見えている画面だが(1人称にも切り替え可能)、それ以外の搭乗しているプレーヤーキャラクタは、地上と同じように船内マップを普通に動き回れるのだ。ちなみに敵弾が命中するたびに船内が揺れ、さらにクリティカルなダメージを受けると、壁が壊れて火花が散ったりする。まさに劇中のシーンそのものであった。
宇宙船が撃破されても、完全にデータが抹消されるわけではなく、病院船で目が覚める……といった形で復活する。宇宙船は故障状態の形で手元に残り、完全になくなったりはしない。
【スクリーンショット】 | ||
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撃破された宇宙船は残骸として一定時間戦闘宙域に残り、スペースデブリとして浮遊する |
SWG:JTLの登場後、これまでのSWGはどうなるのか。これについては何の変化もなく、SWG:JTL未導入の既存プレーヤーは引き続きオリジナルSWGの世界が楽しめる。ちなみに現在は地上編とも言うべきSWGオリジナルの管理サーバーと、宇宙編とも言うべきSWG:JTLのサーバーは分かれているという。
SWG:JTLの登場でオリジナルSWGが盛り下がらないか……という懸念については「何の心配もない」とLucas Artsは説明する。
というのも、宇宙船の修理やアップグレード、各種クエストの獲得は地上編の方で行なわれるからだ。結論から言えばSWG:JTL導入後はプレーヤーは宇宙と地上を行ったり来たりの、スター・ウォーズに登場する様々なヒーロー達と同じ行動を取ることになるわけだ。
なお、地上編と宇宙編との移動シーンは現在どのように見せるか検討中なのだという。映画のように、大気を突き破ってのシームレスな発着を期待したいところだが、システムやデータの継承や再設定が多いために、なかなか難しいようだ。もしかすると「ロード画面を表示するだけ」で終わるかもしれない。
【スクリーンショット】 | ||
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SWG:JTL発売後も、既存プレーヤーはSWG:JTLを導入せずとも引き続きSWGの世界をこれまで通りに楽しめるという |
SWG本体とSWG:JTLのデラックスパックについてのリリースは未定 |
宇宙ミッションの中には、巨大宇宙要塞の中の冒険のようなものもあるという。これは劇中のデススター内部でのゲリラ戦のような、船内ミッションのようなものを指しているのだと思われる。
宇宙ステージの追加に配慮して、SWG:JTLでは4つの新職業、2種類の新種族エイリアンも追加される。
プラットフォームはPC版のみ。発売は2004年秋を予定。プレイするには当然のことながらSWG本体とアカウントが必要になる。SWG:JTLをはじめるにあたっての追加課金はなし。従来の料金システムのまま宇宙編が楽しめる。
「STARWARS EPISODE II」と現在撮影進行中の「EPISODE III」を結ぶ空白の時間軸を、共和国のクローン兵の視点で綴ったシューティング・アドベンチャー。それが「STARWARS Republic Commando」(以下SWRC)だ。
・カジュアルでスター・ウォーズなコンバットシム
隠れた名作となりそうな「STARWARS Republic Commando」 |
ただし、プレーヤー1人で全ての敵を相手にするヒーロータイプのFPSではなく、複数の味方と行動を共にして進めていく、いわゆるコンバットシミュレーションタイプのゲームになっているのが本作の特徴。
コンバットシムといえば「Tom Clancy's Rainbow Six」などを連想する人も多いだろうが、あのタイプのハードコアな軍事作戦シミュレーションではなく、本作SWRCは、もっとカジュアルに複数の味方NPCと共同プレイが楽しめるように工夫されている。
プレーヤーに与えられる味方は3人。ただし、作戦開始前の侵攻経路などの指定は不要で、ゲームはすぐに開始される。ゲーム世界内の干渉できるオブジェクトに視点を向けると状況に合った味方の配置が、ゴースト表示される。この配置に納得がいけば、自動的に味方のクローン兵がその配置に付き、迫り来る次の状況に身構えてくれる。
このフォーメーション指定は、たとえば、扉を突破する際や、プレーヤーの援護射撃などを行なわせる際に活用する。乱戦時も基本的な味方の行動方針は1キー入力で指示できる。
一見しただけでは何の変哲もないFPSゲームだが、リアルタイムかつカジュアルに小隊を率いながら敵地へ潜入していけるプレイ感覚は実に新鮮。味方クローン兵は比較的賢く、何も指示を出さなくても、ある程度は独自の判断で行動してくれるのも頼もしい。
敵弾を食らうと体力ゲージが減少し、ゼロになると倒れてしまうが、プレーヤー、味方クローン兵共々一部の例外を除いて死亡することはない。クローン兵は他のクローン兵を治療することができ、味方クローン兵が倒れたら、走り寄って治療すれば再び戦線に復帰してくれる。逆に自分が倒れた場合は味方が治療を施してくれる。全員が倒れた場合は全滅したとみなされ、ゲームオーバーとなる。
【スクリーンショット】 | ||
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こちらの画面はPC版。PC、Xbox版共に発売は2004年秋を予定。日本での発売は現在検討中 |
ミッションは救出、潜入、暗殺、妨害、偵察などを含む全14種。舞台となる場所は「EPISODE II」に出てきた昆虫惑星のGeonosis星やハン・ソロの相棒チューバッカの出身星Kashyyyk星など8カ所に渡る。ミッションのテーマ自体は現代コンバットシムによく見受けられるものだが、世界観がスター・ウォーズであることに助けられ、不思議とそのプレイ感にマンネリ感はない。
立ち塞がる敵は、昆虫星人Geonosian、トカゲ星人Trandoshanや各種ドロイドなど10数種類。
プラットフォームはPC版とXbox版。ともにゲームエンジンはUnreal 2エンジンベースを採用。ただし、グラフィックス周りはかなりオリジナル拡張がなされているという。PC版とXbox版の違いはテクスチャクオリティとキャラクタのポリゴン数などで、PC版の方が高品位となっている。
チームプレイベースのデスマッチを初めとした、最大16人対戦可能なマルチプレイに対応。マルチプレイはXbox版はXbox Live経由、PC版はGameSpy経由で提供される。
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画面はXbox版。Xbox版ではプレイ操作はパッドで行なうことになる |
パーティゲーム感覚でわいわい楽しめるSTARWARS BATTLEFRONT |
基本ルールは単純に敵を撃破すること。敵を1人排除するごとに敵軍の戦力ゲージを減らすことができ、これをゼロにすると自軍の勝利となる。自軍に損害が出れば逆に自軍の戦力ゲージが減退する。こちらが先にゼロになれば自軍の敗北となる。
兵士の種類は選択した軍勢の種類ごとに異なり、たとえば帝国軍であればAT-ST乗り、スピーダー乗りといった複数種類のストゥームトルーパーからの選択になる。自分が撃破されたときは、再び兵士の種類を選択してからその兵士で戦線へ赴くことになる。それぞれの兵士には得意分野があり、戦局に合わせた兵士の選択が必要になってくる。
戦場ロケーションはホス、ジオノシス、ヤビン、タトゥイーン、ナブーといったシリーズでお馴染みの惑星を含む全10カ所で、マップは15種が用意されている。登場勢力は反乱軍、帝国軍、クローン軍、ドロイド軍の4種類、選択可能な兵の種類は全20種類。乗り込むことができる兵器としてはスピーダーバイクやAT-STなどの歩行兵器、X-WINGをはじめとした航空機が予定されている。
シングルプレーヤーモードの他、オンライン対戦にも対応。プラットフォームはPS2、Xbox、PCの3種類。いずれのバージョンでもオンライン対戦が可能となっている。インターネットでの対戦はXbox版とPS2版では16人対戦まで、PC版は32人対戦までに対応。LANでの対戦はそれぞれ2倍の人数にまで対応する。
【スクリーンショット】 | ||
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北米での発売は9月21日を予定。日本での発売も予定されている |
STARWARS RPGの決定版に続編が登場 |
時代設定は今作も「STARWARS EPISODE I」の時代を遡ること約4,000年前。ただし、前作の「STARWARS Knights of the Old Republic」の5年後と設定される。
スター・ウォーズファンにはもはやお馴染みの悪のジェダイ“シス”との戦いで、死滅寸前まで追い込まれたジェダイ達はもはや共和国の守護者としての力を失っていた。シスはジェダイを根絶すべく、生き残りのジェダイの抹殺に全力を注いでいた。プレーヤーはこの「生き残りのジェダイ」となって混沌とした銀河を救うための冒険に挑む。
ゲームそのものは前作同様のロールプレイングゲームスタイルを踏襲。舞台となるのは前作では話に出てきたのみで実際には行くことのできなかったTELOS星系やPERAGUS星系を含む7つの星系。グラフィックは自然現象の再現に注力したそうで、雨、風、雷の表現のリアリティが向上している。
10人以上のキーキャラクタが登場し、それらとのパーティを組んでの活動が可能。60種類以上の新しい超能力(フォース)とアクションが追加され、キャラクタの成長がそのアクションに反映されるシステムを導入した。戦闘シーンにおけるライトセイバーアクションでは特にその切れに違いが出てくるという。
プラットフォームはPCとXbox。ゲームはシングルプレーヤー専用だが、Xbox版はXbox Liveに対応し、追加コンテンツのオンライン提供を行なう予定だという。
【スクリーンショット】 | ||
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北米での発売時期は2005年2月を予定。日本での発売は未定 |
今年、LucasArtsブースにて展示された作品で唯一、STARWARSとは無関係なゲーム。
ゲームスタイルは3人称視点型の「Tomb Raider」タイプ。時代設定は近代。舞台となるロケーションは北朝鮮、中国、ロシアなど。元軍兵のアメリカ人、元秘密捜査官のイギリス人、賞金稼ぎのスエーデン人のいずれかから主人公を選択、その1人を操作してゲームを進めていくことになる。
プラットフォームはPS2とXbox。発売時期は2005年1月を予定。日本での発売の可能性は低い。
【スクリーンショット】 | ||
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上3枚がPS2版、下3枚がXbox版の画面 |
(2004年5月15日)
[Reported by トライゼット西川善司]
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