【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

Electronic Entertainment Expo 2004現地レポート

Codemastersブースレポート
エンジンを一新した「CMR 2005」、リアルスケールのミリタリーRTS「Wartime Command」などなど

会期:5月12日~14日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 「Colin McRae Rally」を筆頭とするレースゲームシリーズと、「Operation Flashpoint」を筆頭とするミリタリーゲームシリーズの両輪で長年にわたって好調を維持する英最大手のゲームメーカーCodemastersは、今年初めてブースを開放し、自慢の新作を多くの来場者にアピールしていた。出展タイトル数は少なめだったが、今年も来場者の目を見張らせる注目作ばかりだった。


■ 2年ぶりにエンジンを一新した「Colin McRae Rally 2005」

一番人気はやはり抜群の知名度を誇る「Colin McRae Rally 2005」
こちらはXbox版の画面。被写界深度シミュレーションを行なったことにより、リプレイ映像がまた一段とフォトリアルになった
 「Colin McRae Rally 2005」は、2年ぶりにグラフィックスエンジンを一新。一例をあげると、木々や岩盤など背の高いフィールドオブジェクトの発生する影がフロントガラスに映り込んだり、豪雨の際の水滴のシミュレーションおよびワイパーの動きがさらにリアルになっていたり、アスファルトの一部に細かいヒビが入っているなど細部にこだわっていたり、リプレイ時に被写界深度のシミュレーションを行なっていたりなど、さらにディテールに磨きをかけている。残念ながら今のところ発売プラットフォームはXboxおよびPS2のみというが、ぜひともPC版の高解像度でこのグラフィックスを堪能してみたいところだ。

 さて、「2005」の大きな特徴のひとつは、「ゲーム全体のボリュームを増やす」という、これまでにないアプローチが試みられているところだろう。具体的には、クラスを4WD、2WD、4-Wheel、Super 2-Wheel、4×4 classicsの5つに細分化し、ラリーカーを34車種まで増やしている。さらに「Career Challenge」モードでは、実在のラリーレース25レースを収録し、アマチュアレベルから順番にキャリアを積むことができるようになっている。

 このため、トラック数は9カ国76本にも達しており、同作プロデューサーによれば「どんなにうまいドライバーでも15時間以上は走ることになる」という、レースゲームとしては圧倒的なボリュームを擁したタイトルになっている。ラリーレース好きにはたまらない新要素といえそうだ。

 コンソール向けに特化した新要素としては、これまで実現できなかったオンライン対戦への対応だろう。Xbox LiveやPlayStation BBを介することで、最大8人の同時対戦が可能になる。こうしたマッチングサーバーを介することで、レーティングシステムなどにも対応する。

 また、CMRシリーズの醍醐味のひとつであるボディに対するダメージも細分化しており、ダメージマッピングが細かくなると同時に、姉妹タイトルである「TOCA Race Driver」ではすでに実現しているダメージ部位およびダメージレベルの視覚化も取り入れている。なお、プロデューサーの話によれば、天候の変化による路面の影響は若干強くしたということだ。

【Colin McRae Rally 2005】
2年ぶりのフルモデルチェンジとなる「Colin McRae Rally 2005」。英国での発売時期は9月が予定されているが、PC版および日本での発売予定はないのが返す返すも残念


■ リアルスケールで第二次世界大戦を再現した「Wartime Command」

ワルシャワ空撃に向かうドイツ軍機。まるでフライトシムのようだ
俯瞰して戦場を見たところ。実際の地図からデータを起こしただけあって、実に自然な光景だ
戦車の視点から見た光景。この3点の画面を見て、ゲームジャンルをRTSと答えられる人間はまずいないのではないか
 今回、プライベートコーナーでひっそり出展されていた唯一のタイトルが「Wartime Command」。サブタイトルを「Battle for Europe 1939-1945」と言い、そのものずばりの第二次世界大戦を描いたリアルタイムストラテジーだ。開発元はロシア大手デベロッパーである1Cで、ロシア、ドイツ、アメリカ、フランス、イギリスの5カ国を中心に、著名な戦闘をリアルスケールで堪能できる。

 同作の特徴は何と言ってもリアルスケールで描かれたフィールド。1マップ当たり10km四方を当時の地形データから丸ごと再現し、5,000人規模の大戦を実現する。5人で1台の中戦車を操れることを考えると、戦車師団同士の決戦も楽に実現可能な規模といえる。

 四方には水平線が見え、戦場を俯瞰するとまるでフライトシムのようだ。エンジンはオリジナルというが、1Cの代表作である「Il-2」と、Codemastersの出世作である「Operation Flashpoint」のエンジンを足してそのままRTSに落とし込んだような感じだ。

 登場兵器はロシア製ということだけあって、戦車が中心になるようだが、戦闘機や爆撃機、装甲車、水上艦船など、著名な戦いで活躍した兵器は軒並み登場する模様だ。マップが10km四方で最大グループ単位は50ユニットということで、比較的グローバルなRTSになると思われがちだが、実は1人、1台レベルのディテールにもこだわっている。

 戦車については設計図からデータを起こし、小銃から無線機、キャタピラ、側面のスカートの形状に至るまで精密に再現しており、インタラクティブ要素としては、兵士はその場で使用武器を換えたり、戦車に至っては使用する砲弾を選択するといったことも可能になっている。

 戦場については、ドイツ軍のポーランド侵攻から、ソ連軍のベルリン進行までの7年間を、ポーランド、フランス、東部戦線、西部戦線の4ブロックに分け、それぞれ登場する国家が異なる模様だ。

 デモで見せてもらった仕様書には、Dunkirk(ダンケルク)、Moscow(モスクワ)、Stalingrad(スターリングラード)、Berlin(ベルリン)、St, Mere Eglise(セント・メール・エグリーズ)、Falaise(ファレーズ)、Bastogne(ボストーニュ)などがマップ名として挙げられており、どうやら本気でやろうとしていることがわかる。デモを受けている間、久しぶりに胸がドキドキしてしまった。ぜひともこのクオリティを維持したまま完成にこぎ着けてもらいたいところだ。

【Wartime Command】
「Wartime Command」では戦車戦が中心になるという。どの画面を見ても、今は無き戦車シミュレータを彷彿とさせるクオリティだが、これは間違いなくRTSだ。最大8人による同時対戦をサポート。発売プラットフォームはPCのみで、欧米での発売時期は今冬が予定されている

【Soldiers: Heroes of World War II】
ノルマンディ上陸作戦60周年を記念してリリースされる第二次世界大戦をモチーフにしたRTS。ノルマンディ以降の西部戦線を30のミッションで再現している。フィールド内のあらゆるオブジェクトを破壊できるのが特徴。発売プラットフォームはPCのみで、欧米での発売時期は今夏の予定

【Operation Flashpoint】
PCで大ヒットしたFPS「Operation Flashpoint」がXboxに登場。グラフィックスを大幅に強化し、Xbox Liveで多人数同時対戦をサポートする。噂されていた「Operation Flashpoint 2」の発表が先送りされたのは残念だが、ふたたび大旋風を巻き起こしそうだ

【Dragon Empires】
英国初のMMORPGとして注目が集められている「Dragon Empires」。3年以上に渡って開発が進められてきたタイトルだが、欧米では9月の発売が決定した。ファンタジーの本場のエッセンスを加えた独特の世界観が最大のウリ。日本でのサービスは望み薄だが、ヨーロッパ久々のMMORPGとして注目されるところだ

□Codemastersのホームページ
http://www.codemasters.co.uk/
□「Colin McRae Rally 2005」のホームページ
http://www.codemasters.co.uk/colinmcrae2005/
□「Wartime Command」のホームページ
http://www.codemasters.co.uk/wartimecommand/

(2004年5月13日)

[Reported by 中村聖司]


Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2003 Impress Corporation All rights reserved.