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カプコンが開発スタジオ「クローバースタジオ」を分社、設立 |
クローバースタジオの代表取締役社長に就任する稲葉敦志氏。カプコンでは第4開発部に所属し、「Viewtiful Joe」や「鉄騎」などのプロデュースを行なってきた |
2004年7月1日に設立される予定のクローバースタジオは、資本金が9,000万円。すべての株式をカプコンが所有し、カプコンの100%子会社として設立される。クローバースタジオの代表取締役社長には、現在カプコンの第4開発部でプロデューサーを務める稲葉敦志氏が就任。第4開発部から移籍するクリエイターを中心に、総勢64名での会社設立となる見通しだ。クローバースタジオ設立に参加するクリエイターには稲葉氏をはじめ、バイオハザードシリーズのプロデューサー三上真司氏、「バイオハザード2」、「デビルメイクライ」、「Viwetiful Joe」のディレクター神谷英樹氏などが名を連ねている。
ゲームキューブ版、プレイステーション 2版が同時期に登場する「Viewtiful Joe 2」のメインイメージイラスト |
「Viewtiful Joe 2」がプレイステーション 2のプラットホームにも登場することから、前作「Viewtiful Joe」もプレイステーション 2向けにリリースされることが決まった。「クローバースタジオは移植を行なうスタジオではありませんので、何か新しいアソビを登場させないといけません」と稲葉敦志氏が強調するように、プレイステーション 2版の「Viewtiful Joe」には、デビルメイクライの主人公“ダンテ”が登場するなど新要素が追加されたものとなっている。
この日発表されたもうひとつのタイトルが、完全新作となる「大神(おおかみ)」。“ヒーリング”をメインコンセプトとする同タイトルは、トゥーンシェードをベースにしていると思われるグラフィックながら、スクリーン上では“和紙”や“筆”あるいは“水墨画”といったイメージを漂わせる特徴的なゲーム画面となっている。ゲーム内容も、怪物によって支配され色彩を失った死の大地を、プレーヤーキャラクタである「天照(あまてらす)」を操作することによって生命力あふれる世界に変えていくというもの。実際に、プレイの初期段階ではまさに水墨画の世界のような画面も、敵を倒したりすることによって色彩豊かな画面へと変化していくことになるようだ。ちなみにプレーヤーキャラクタである天照はオオカミによく似た外見だが、背中に八咫鏡(ヤタノカガミ)を背負った神の使いとして描かれている。同タイトルはプレイステーション 2版で2005年に登場する。いずれのタイトルも現時点で詳細な発売日や価格は未定となっている。
発表会ではこれら新作タイトルのゲーム映像が上映された。スクリーンショットなどは、各タイトルの詳細とあわせて近日中に掲載できる予定だ。
【Viewtiful Joe 2 / Viewtiful Joe】 | ||
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「Viewtiful Joe 2」の新しいプレーヤーキャラクタは恋人のシルヴィア(変身前) | 変身後。銃などを使った遠隔攻撃の得意なキャラクタとして操作できる | プレイステーション 2版「Viewtiful Joe」に追加要素として登場するダンテ |
【大神(おおかみ)】 | ||
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プレーヤーキャラクタとなる天照。背中に八咫鏡を背負った神の使いとして描かれている | 「大神(おおかみ)」のメインイメージイラスト | 「大神(おおかみ)」のタイトルロゴ |
設立に参加したのはこうした考え方に共感したクリエイターで、モノ作りが人生の大部分を占めるような、クリエイティブを愛するスタッフがスタジオそのものの姿だという。カプコンの第4開発部において三上真司氏の指導のもとモノ作りについて教え込まれたスタッフの約半数となるが、残りの半数はその精神をうけついでカプコンに残留し、本社クリエイターとして作品作りを続けるという。
稲葉氏が「僕たちの心とクローバースタジオの行く先を表す作品になります」という「大神(おおかみ)」については、「新しいモノといっても新しい映像を作っただけでは、新しいアソビにはならない。そこは誤解してもらっては困ります。アクションゲームのスタイルでゲームを進め、ほかに生活している人間達とかかわり、交流が大切になっています。大地にどういう風に生命力を取り返していくのか考える深いアドベンチャー要素。自分のプレイした結果が、美しいグラフィックでモニタに再現されるのが喜びになります」と説明。「スタジオの価値を切り開き続けていかなければならないクローバースタジオのチャレンジ」と位置づけた。
またクローバースタジオに参加する三上真司氏について稲葉氏は、自分をはじめとする第4開発部のスタッフに、モノを作るということの厳しさを骨の髄まで叩き込んでくれた人と説明。しかし、三上氏本人がやりたかったのはプロデュースや監修といった現場から一歩引いた立場ではなく、自分自身が現場で仕事をしていきたいと思い続けていたクリエイターだったとして、クローバースタジオがそれを実現する環境になると紹介した。
(開発スタジオとして独立して)新しいコンテンツを生み出すことに専念できるのは嬉しいが、それには作品の価値で答えるとともに、ユーザーの声をはじめすべてのことに責任を負っていかなければならない。厳しいようにも思えるが「言い換えれば幸せな立場です。そしてクローバースタジオという名前が、新しい価値を作る、新しいアソビを作るという意味の代名詞となれるように頑張っていきます」と稲葉氏は意欲を見せていた。
□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□関連情報
【3月31日】カプコン、開発の一部を子会社化。新設会社の名前は
「クローバースタジオ」、社長には稲葉敦志氏
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040331/capcom.htm
(2004年4月21日)
[Reported by 矢作晃]
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