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★PS2/DC/GCゲームレビュー★
シリーズを重ねるごとに新しい要素が加わってきた「ぷよぷよ」だが、本作においてもそれは同様である。細かい変更点は多々あるのだが、本作における最も大きな追加要素である「フィーバーモード」は、今までにない戦略が必要とされるだけでなく、友達との対戦はかなり白熱するはずだ。
なお、ドリームキャスト版はアーケード版の元になった作品で、いくつかの隠しコマンドなど、隠し要素が公開されている。ACに一番操作感が近いのはDC版ということになるだろう。
■ 「ぷよぷよ」の基本と「フィーバー」におけるゲームモード
本作のタイトルにもなっている「フィーバーモード」の詳細も気になると思うが、まずは「ぷよぷよ」の基本ルールをおさらいしておこう。「ぷよぷよ」は「ぷよ」と呼ばれるその名の通りぷよぷよした物体が上から降ってくるパズルゲームで、赤、青、黄、緑、紫の計5色(難易度によっては紫以外の4色)が2~4匹のセットとしてフィールドに落ちてくる。この「ぷよ」を同じ色で4匹以上つなげると消すことができる。ポイントは縦と横しか「ぷよ」はくっついてくれないことだ。つまり、ななめに同色の「ぷよ」が並んでもくっついてくれないので注意してほしい。フィールドに落ちてくる「ぷよ」は回転させることができるので、うまく「ぷよ」を積み上げていくことで「連鎖」を狙うことができる。この連鎖が本作最大の魅力で、「ぷよぷよ」が大ヒットした理由だと言っても過言ではないだろう。
「ひとりで~」は「るんるんコース」、「わくわくコース」、「はらはらコース」、「フリー対戦」の4つに分かれていて、「るんるんコース」が最もやさしく「はらはらコース」が上級者向けの内容なのだが、「るんるんコース」では「フィーバーモード」についてのチュートリアルが含まれているので、「ぷよぷよ」上級者でもまずは「わくわくコース」をプレイすることをオススメする。「フリー対戦」は好きなキャラクタを選んでの対CPU戦だ。
「ふたりで~」も「ふつうのルール」、「クラシックルール」、「トラップルール」、「エディットルール」の4つから構成されている。「ふつうのルール」は「フィーバー」の標準的なルールで対戦し、「クラシックルール」では「ぷよぷよ」のシリーズ2作目である「ぷよぷよ通」のルールにのっとった対戦を楽しむことができる。「トラップルール」は「フィーバーモード」時の攻撃力が極端に低くなってしまうルール。通常の「フィーバーモード」と逆に、“相手をフィーバーモードに突入させることで”攻撃することができる。「エディットルール」は設定を色々といじった対戦ができるお約束のものである。補足として、「フィーバー」ではキャラクタによって能力に違いが生じる。自力の連鎖による攻撃力が高いキャラクタや、逆に「フィーバー」時の連鎖による攻撃が非常に強力なキャラクタもいるのだ。
一番ルールによる違いが大きいのが「とことん~」だろう。「とことん~」は「フィーバー」、「タスク」、「オリジナル」の3つから成り立っていて、「フィーバー」は常に「フィーバーモード」の状態で時間制限内にどんどん連鎖をくみ上げていくモード。ここでフィーバー時の「連鎖のタネ」のパターンを覚えてしまうと対戦時に非常に有利になるだろう。「タスク」は「ぷよ」の消し方に関する課題が次々と出てくるモード。次々と課題をこなしていくことでどんどん難易度が上昇していくのだが、対戦で役に立つような実践的な課題があまり出てこないので、練習というよりは自己満足に近いかもしれない。「オリジナル」は初代から用意されているクラシックなルールで、時間制限もなく延々と遊ぶことができる。
■ 「フィーバーモード」が産み出す新しい「ぷよぷよ」の魅力
本作にはフィールドの横に「フィーバーカウント」と呼ばれるカウントゲージが存在する。これは予告おじゃまぷよがある状態で「ぷよ」を消しておじゃまぷよの数を減らす、いわゆる「相殺」することでカウントゲージがたまっていく仕組み。これがゲージいっぱいになると「フィーバーモード」に突入する。「フィーバーモード」に突入すると、あらかじめ連鎖が組まれた状態の「連鎖のタネ」が落ちてくる。この「連鎖のタネ」は3連鎖くらい自力で組むことが可能なプレーヤーならば、起爆となる「ぷよ」は容易に判断できるレベルなので、5連鎖以上の大連鎖を繰り返し発動させることができるはずだ。「フィーバーモード」は「フィーバータイム」が終了するまで続き、制限時間が終了すると通常モードに戻ってしまうので、時間内にできるだけ大連鎖しておじゃまぷよを送り込もう。
「ぷよぷよ」初心者でもお手軽に大連鎖の爽快感を味わうことができる「フィーバーモード」は、旧作からのファンばかりでなく、新規ユーザー獲得という視点からみても良くできたシステムだといえる。通常、人気タイトルの続編が発売される際、どんどんゲームの難易度があがり複雑化する傾向が見うけられるものだが、「フィーバー」ではむしろ初心者に視点を向けた新システムを追加するアイデアには非常に共感が持てる。それも「ぷよぷよ」がパズルゲームとして完成されているからこその仕様なのだが、実際、土台ができている人気タイトルの続編が失敗する時は、完成されている土台を無理にいじりすぎている場合が多い。こういったゲーム作りは、人気タイトルを保有する他の開発も見習うべきところがあるだろう。
■ 旧作からのファンの視点から見た「フィーバー」
「ぷよぷよ」が「テトリス」と並ぶパズルゲームの王道であるゆえんは、ライトユーザーとコアなゲームユーザー両方が楽しめるところである、といっても過言ではないだろう。ではシリーズを通して「ぷよぷよ」を遊んでいる「ぷよぷよ」ファンや対戦で切磋琢磨を続けている「ぷよぷよ」上級者達に本作はどう映るのだろう? かくいう筆者は初代「ぷよぷよ」をアーケードでプレイして以来、どっぷり「ぷよぷよ」にはまったコアなファンの1人なのだが、筆者が実際に「フィーバー」をプレイして感じたことを書いていこう。補足として、筆者は「ぷよぷよ」3作目である「SUN」があまり好きになれず、「初代」、「通」ほどゲームシステムを理解していない。そこのところを了承していただき、参考にして欲しい。
もう1つは窒息(埋まるとゲームオーバーになる)する列が2列になったこと。これによって15連鎖以上の連鎖が非常に組みにくくなっており、いわゆる“折り返し”を使って16連鎖以上の連鎖を狙っていた上級者には「フィーバー」ならではの頭の切り替えが必要となる。 以上のような変更点が存在するわけだが、本作のセールスポイントである「フィーバーモード」は違和感なく遊べる。確かに「フィーバーモード」は初心者救済の反面、対戦がやや大味に感じられるかもしれない。だが、上級者同士の対戦は相手の連鎖待ちになることを考えると、「フィーバーモード」がゲームバランスを大きく崩していることはないと感じた。
ともあれ、「ぷよぷよ」が「コアなゲームファンからライトユーザーまで広く遊べるゲーム」であることは間違いない。普段あまりゲームをやらない友達や彼氏、彼女を誘って休日に遊んでみてはいかがだろうか? Original Game (C)SEGA (C)SONICTEAM/SEGA,2004
□セガのホームページ (2004年3月25日) [Reported by 林 智加良] また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved. |
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