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EA、期待の高まる多人数FPS「Battlefield Vietnam」のメディア向け内覧会を開催 |
会場:エレクトロニック・アーツ本社
エレクトロニック・アーツ株式会社は、六本木の泉ガーデンタワーに所在地を移したエレクトロニックアーツ本社にて「Battlefield Vietnam」のマスコミ向け内覧会を開催した。今回の内覧会はマスコミ対抗戦という形で開かれたため、実際に触れたのは1時間程度だが、実際に遊んで気づいた点と合わせて、すでに公開されている情報を整理していこう。
左はアメリカ軍、右は北ベトナム軍に分かれて戦闘開始。米軍主導によるフエ市進攻のマップだったのだが、米軍は町へ入る橋で北ベトナム軍の猛攻に会い、立ち往生していた |
対抗戦終了後みんなで記念撮影。背後には爆装したF4ファントムと、CH47輸送ヘリの姿が見える。また、各兵士たちが持っている武器もAK-47突撃銃からRPG-2ロケットランチャー、CAR-15突撃銃などさまざまだ |
従来のシリーズに比べて大きく変わった点は、まず兵器体系が一新されたところだ。第二次世界大戦からベトナム戦争へと舞台が移ったことにより、登場する銃や兵器が現在使用されているレベルのものへと更新されている。また、ベトナム戦争は冷戦を背景として、新兵器が大量に投入された戦争でもあり、銃ひとつとってもその種類が格段に増している。
その中でも特に大きいのはヘリコプターの登場だ。今回CH47輸送ヘリやUH-1輸送/戦闘ヘリ、Mi-8輸送/戦闘ヘリが登場しているのだが、これによって戦闘が様変わりしている。陸上兵器にとっては天敵ともいえる攻撃ヘリの登場は、地上戦における「戦闘車両に乗ったもの勝ち」的なゲームバランスを根底からひっくり返す新ユニットだ。また、輸送ヘリは5人以上の兵員を一気に輸送できる。これにより、これまで単独でジープや飛行機で先行して陣地を確保したは良いものの、すぐに敵に陣地を取り返されるといった場当たり的な戦術から一転し、敵の後方に安定した味方陣地を確保するということが可能になった。
また、ジェット攻撃機や輸送ヘリといった航続&移動スピードが上がった兵器が登場したことにあわせ、マップも拡大している。これまでのBFシリーズで大きいマップというと、エルアラメインなどが思い出されるが、「Battlefield Vietnam」におけるマップはこれよりも格段に広い。実際遊んだ上での体感では、従来のマップの2倍程度はあるような気がした。また、マップの舞台となる戦地も、市街戦で有名なフエ市やジャングルを舞台としたホーチミンルートなど、新鮮味溢れる新戦場ばかりとなっている。
さて、これぐらい広いマップが舞台となると、徒歩で移動しても何とかなってしまっていたこれまでとは違い、兵器による移動などを考えないと移動だけで時間を浪費してしまうことになる。筆者は対抗戦の予選で、徒歩で敵を見つけたほうが先手を取れると考えて徒歩で戦場を移動していたのだが、考えが甘かった。マップが広く、かつ鬱蒼と茂る木々のおかげで、敵影すら視認することができなかったのだ。マップが広くなり、移動が重要視されるようになったことで、ますます兵士と兵器の連携が重視されるゲーム性に変わってきている。
また、鬱蒼と茂る木々と書いたが、その点も「Battlefield Vietnam」での注目ポイントのひとつだ。今回レンダリングエンジンが一新されていることで、「Battlefield Vietnam」の画面描画は最新の3Dゲームとなんら遜色のないものに進化している。ベトナム戦争といえば熱帯雨林のジャングルの中、周囲を警戒して進むアメリカ軍兵士たちに、周囲の茂みの中からいきなり北ベトナム軍のゲリラが襲い掛かるといったシチュエーションがお約束。それを再現するため、マップ中のジャングルの木々は非常に濃く茂っている。
また、今回新たにLoD(Level of Detail)による動的な描写手法を採用し、ジャングルに近づけば近づくほど木々の葉が濃く、リアルになってくる。その濃さは、下手をすると1m先の人影が味方なのか敵なのかわからないほどだ。実際ゲームを遊んでいても、人影を確認して攻撃すると味方だったり、逆に発砲をためらうと敵だった人影に殺されるというシチュエーションに何度か遭遇した。
この茂みの中に伏せたりして隠れられてしまうと、狙われているほうからは何もできない。どこから撃たれたかすらもはっきりわからないのだ。ベトナム戦争でアメリカ軍がジャングルに隠れる北ベトナム軍のゲリラを一掃するために、執拗な大規模空爆を行なった理由がよくわかった。実際のゲーム中でも、F4ファントムなどのジェット攻撃機に乗るプレーヤーが、敵がいそうなジャングルに対して空爆を行なうというシーンが見られそうだ。
そして、一兵士レベルでの武器や装備も大幅に変わっている。これまでのシリーズでは、プレーヤーは5つのクラスから好みのクラスを選んでゲームに参加していたが、このクラスが4つに絞り込まれた。その代わり、クラスごとの武器は固定ではなくなり、主武装に関しては2種類ある武器の中から選択できるようになっている。さらに外見も、着ている服や帽子を変更することが可能となっており、戦場にはさまざまな格好の兵士があふれることになる。装備がそろわず、間に合わせの装備で戦った北ベトナム軍や、兵士が装備をある程度の範囲でカスタマイズしていたアメリカ軍の雰囲気などがうまい具合に表現されている。
ちなみに武器に関しては、マップごとにアメリカ、ベトナム双方の参加部隊が変わるようになっており、その参加部隊に合わせた装備を選択することができるようになっている。いずれも、ベトナム戦争における装備に詳しい方なら、思わずニヤリとしてしまうようなチョイスをしているので、楽しみにしていただきたい。
今回、1時間ほど触ってみたわけだが、強く感じたのは「イメージとしてのベトナム戦争」というのが強く再現されているという点だ。EAによると、本作は、ベトナム戦争を舞台としているものの、実際の戦争ではなくベトナム戦争を描いた映画などの世界観を再現することを心がけてゲームを作成しているとのことで、ベトナム戦争を描いた映画を見ている方にとっては親しみやすい世界観となっている。
実際ゲーム中に収録されている音源は、映画で一度は聞いたことがあるものばかりで、筆者などは聞き覚えのある音源が聞こえてくるとニヤニヤしっぱなしという危険な状況になってしまった。3月18日の発売まで約2週間ということで、BFファンの方は心して待っていよう。
F4ファントムに空爆される北ベトナム軍の陣地。特にナパームで空爆すると効果的に敵を掃討することができそうだ。兵器や陣地など、目立つ目標のそばにいた場合、こういった空爆をうけるとあっという間にやられてしまう | 地上に向かってロケット弾を撃つUH-1戦闘ヘリ。パイロットにいったん視認されたら、なかなか逃れられない。ジャングルの中を気づかれないように回り込み、背後からロケットランチャーを撃ち込んでやろう |
□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.japan.ea.com//
□「Battlefield: Vietnam 日本語版」の公式ページ
http://www.japan.ea.com/battlefield/vietnam/index.html
□関連情報
【2004年3月3日】EA、「Battlefield Vietnam」のゲーム大会を3月20日と21日に開催
最優秀選手にGeForce FX 5950 Ultraをプレゼント
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040303/vietnam.htm
【2004年1月22日】EA、「Battlefield: Vietnam」を3月18日に発売
新エンジンで生まれ変わった「Battlefield 1942」最新作
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040122/vietnam.htm
(2004年3月5日)
[Reported by tyokuta]
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