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日本ならではのネットワーク3Dアクション「STEEL FANG」
@niftyにて3月5日よりオープンβテストを開始

2004年2月23日 開催

会場:大森ベルポート

カプコン、セガ、ネクステックの3社共同のプロジェクトとして企画されたオンラインアクションゲーム「STEEL FANG」。最近の流れであるMMORPGとはちょっと違ったアプローチのネットワークゲームだ
 ニフティ株式会社は2月23日、同社が提供するオンラインアクションゲーム「STEEL FANG(スティール ファング)」の記者発表会を東京・大森ベルポートで開催した。

 「STEEL FANG」は、カプコン、セガ、ネクステックの3社共同のプロジェクトで生まれたオンラインゲーム。プレーヤーはネットワークを介し、最大6人での対戦プレイが楽しめる。基本的なゲームデザインは、3人称視点のアクションシューティングで、3対3のチームバトル、生き残りを掛けたデスマッチなどのモードが用意されている。世界観設定にスタジオぬえの宮武一貴氏、キャラクタデザインにスタジオたくらんけの箕輪豊氏を起用。独特の世界観と、スピード感を醍醐味としたゲームである。

 プレイをするためには@niftyの会員およびID登録ユーザーになる必要がある。@niftyのIDを取得する料金は無料。クライアントソフトは下記公式ページで3月1日よりダウンロードが可能になる。3月5日よりβサービスを開始する予定だ。

 正式サービスの開始は5月を予定。正式サービス開始時には月額980円の利用料が発生する。本作はまずニフティの運営するネットワークサービス@niftyの独占コンテンツとして、半年程度の提供が予定されているという。もちろん、一定以上の人気を獲得すればこの期間は延長される模様だ。

 カプコン、セガ、ネクステックが「STEEL FANG」を開発した経緯はドリームキャスト版「バイオハザード:コードベロニカ」を発端とする。このとき集められたチームによって、ドリームキャストをプラットフォームにした“新しいネットワークゲーム”を作り出すため、2000年頃から開始したプロジェクトとのことだ。

 現在の「STEEL FANG」は、“サード”にあたり、大きな2回の変化を遂げている。宮武氏とネクステックががっぷり組み、練りに練った世界観。カプコン第4開発部が監修を行ない、アクションゲームとして、ネットワークゲームとして追求したゲーム性は、非常にユニークなゲームへとこの作品を昇華させた。

 3Dポリゴンで描かれた戦場に、装甲服を着たキャラクタ達が派手な光を放ちながら打ち合うこのゲームは、一見海外のSF3Dアクションによく似た印象を受ける。しかしさまざまな部分でこのゲームならではのオリジナリティを発揮しているのである。

 まず一番最初に感じられるのがそのキャラクタの独特の動きである。壁をける「三角飛び」をくり返し、信じられない上空まで飛び上がり、さらに空中で華麗に身をひねるその動き。映画「マトリックス」を思わせるちょっと誇張気味の横っ飛びの射撃アクション。習熟したプレーヤーに操られるキャラクタはワイヤーアクションか、日本のアニメーションのように美しく空中を舞い、的確に敵をとらえて射撃を行なう。

 「当てることはもちろん、よけること、“よけつつ当てられる”ことを目指してみました」と開発者が語るキャラクタの動き、そしてそれにより生み出される戦闘空間は今までの対戦型3Dゲームにはなかったものだ。この対戦感覚を生み出すのに開発側がもっともこだわったのが「スピード感」とのこと。激しい戦いで生まれるラグなどの対戦の不具合には細心の注意をはらい、かつスピード感の強調には気を使ったとのことだ。

 ゲーム性にもまた特殊なアイデアが盛り込まれている。プレーヤーはサイ・クローン・ミュータント・ソルジャー(以下C.C.M.S)という人型のキャラクタを操って戦うことになるのだが、各キャラクタには相棒となるロボットが設定されている。このロボットが無事な限りC.C.M.Sは何度でも復活可能であり、プレーヤーは自分のロボットをいかに守って戦うか、ということが重要な要素となる。

 ロボットは自ら動くことは出来ないがさまざまな能力を持っている。ロボットによっては、敵をロボットの前におびき出し、その強力な火器で攻撃を行なうことが有効な場合もある、キャラクタの選択、そしてロボットを配置する場所に高い戦略性が必要となってくる。

 宮武氏とネクステックが生みだした世界観は、「しゃべりまくる人間くさいロボット、人間とは思えない人型のキャラクタ」といったように、プレーヤーがちょっとした疑問を起点に世界に対しさまざまな考え方を持つような仕掛けをしてある。キャラクタの動きひとつ、背景の柱ひとつにまでも深いテーマ性が込められているのである。

 なにより、彼らが戦っている理由そのものがもの悲しい。彼らはかって戦争を行なうためのひとつの惑星に送られた兵士だったのだが、彼らの戦いの激しさのために戦いを命じた者達は惑星を遺棄。C.C.M.Sとロボット達は意味を失った戦いをひたすら繰り返している、という設定なのだ。

 このSFマインドあふれるとても殺伐とした物語は、チュートリアルをかねたゲームのシングルプレイモードや、公式サイトで連載されるWEBコミックで補填されていく。ゲームではこの物語以上に「STEEL FANG」……鉄と牙、人造と野生、人とロボット、さらにこれらの要素は対立しているのか、イコールなのか、というちょっとした哲学問題まで隠されている。単純に遊ぶことはもちろん、そういったマニアックな解釈も楽しめる作品なのである。

 コミュニケーションシステムにも工夫がある。ファンクションキーに簡単な状況を仲間に伝えるショートカット機能があり、使いこなせば仲間との迅速な連携が可能だ。さらにボイスチャットにも対応。マイクデバイスを接続しておけばより正確な意思の伝達が可能になる。待ち伏せやタイミングを合わせた襲撃なども実行できそうだ。

 こういったアクションゲームでは上級者と初心者での腕に差が出てしまうことが問題となる。本作では「ランキング」をプレーヤー間で常に確認できるように設定。プレイ履歴によって、うまいプレーヤーと初心者がわかるようにした。これにより、巧いプレーヤーふたりに対して、初心者4人、といったハンディキャップマッチも可能にしてあるという。

 たとえハンデがあっても、上級者は初心者達の嵐のような段幕を華麗かわして撃破していくことも可能だろう。やられた初心者は、その上級者の動きこそが目標となる。アーケードゲーム的な楽しさも持ったカジュアルなゲーム性、そして日本人ならではのケレン味にあふれたユニークなゲームである。

ニフティ株式会社 コンテンツ事業部 部長 木皿信也氏。「本作を今年の目玉のコンテンツにしていきたい」と、コメント 株式会社セガ コンシューマ事業部 PC・アジアビジネス部 部長 株田実氏。本作の制作までの経緯を説明。セガ、カプコン、ネクステックの関わりは、セガサターンのバイオハザードシリーズまでさかのぼるという 株式会社カプコン PCパブリッシング室 室長 久永智之氏。アーケード的なにおいをネットワークに持ち込みたかったとのこと。カプコンはゲーム全体を監修、本作をアクションゲームとしてつきつめ、そのコンセプトを強調させた
ゲーム制作を担当した株式会社ネクステック 第3開発事業部 部長 寺岡大介氏。日本人好みのゲームとして、さらにテーマを追求した形で、2000年の頃から宮武氏と本作を練り込み、作り上げた 会場では6台の試遊台を設置、実際に3対3の戦いを体験できた。最初にスタッフのデモプレイがあったのだが、華麗に空を飛び、強力、かつ正確な攻撃をするそのスピード感に驚かされた。キーボードとマウスを使うスタイルはFPSファンにはなじみやすい操作系だろう


【スクリーンショット】


(C) CAPCOM CO.,LTD., SEGA CORPORATION, NEXTECH CORPORATION 2004 ALL RIGHTS RESERVED.


【STEEL FANG】
  • OS:Windows98/98SE/Me/2000Professional/XP
  • CPU:Pentium III 1GHz以上(Pentium 4 以上を推奨)
  • メモリ:128MB以上(256MB以上を推奨)
  • HDD:700MB以上(1.2GB以上を推奨)
  • ビデオカード:VRAM 32MB以上(64MB以上を推奨)


□@niftyのホームページ
http://www.nifty.com/
□「STEEL FANG」公式ページ
http://www.nifty.com/steelfang/

(2004年2月23日)

[Reported by 勝田哲也]


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