価格：5,250円（税込）

　社団法人コンピュータエンターテインメント協会 (CESA) は、ゲーム市場やユーザーに関する調査報告書「2004CESAキッズ調査報告書」を2月23日に発売した。判型はA4版、全145ページ。価格は6,300円。同報告書は、CESAホームページ、政府刊行物サービスセンター、書籍通販専門サイト「専門書籍の杜」にて購入可能。

　「2004CESAキッズ調査報告書」は、子供たちの遊びのトレンドが変化する“3年周期”で発刊されている調査報告書。'98年、2001年に続き、今回が3号目となる。「子供たちと遊び」を中心に、「子供たちのライフスタイル」、「親の意識」についても同時に調査が行なわれている。調査対象は、首都圏、関西圏（京阪神含む）、広島に在住する3歳から小学校6年までの男女702人と、その保護者。有効回収数は483人で、有効回収率は68.8%。

　報告書によれば、調査対象となった子供たちに「自宅でゲームをしているか」と尋ねたところ、全体で60.5%が「はい」と回答した。年齢別に細かく見ると、男子・小学校低学年で82.5%（前回調査：92.8%）、女子・小学校低学年で54.7%（同66.9%）、男子・小学校高学年で90.4%（同97.4%）、女子・小学校高学年で76.5%（同78.9%）と、いずれも前回の2000年調査の数字を下回っている。

　このうち「自宅でゲームを遊ばない」と回答した191人に理由を尋ねたところ、1位が「ゲーム機をもっていない（55.5%）」、2位が「ほかの遊びのほうが面白い（40.8%）」、3位が「目が疲れる・視力が悪くなりそう（29.8%）」、4位「親から反対されている（26.7%）といった回答が得られたという。

　学年別にみると、「ゲーム機をもっていない」に関しては、男女とも高学年になると極端に数字が減る傾向にある（男子：低学年63.6%→高学年14.3%、女子：低学年62.5%→高学年33.3%）。主な理由としては「忙しくてゲームをする時間がない（男子高学年57.1%、女子高学年33.3%）」、「ほかの遊びのほうが面白い（同57.1%、同46.7%）」、「目が疲れる・視力が悪くなりそう（同42.9%、同73.3%）」、「親から反対されている（同42.9%、同53.3%）」などが挙げられている。

　CESAは、これらの数字について「昨今の新型ゲーム機投入背景による従来顧客確保の一方で、新旧ゲーム機がキッズ層にまで行き届いていないという問題が発生し、その結果、新規創出顧客の開拓不足やキッズ層へのアプローチ不足が生じている」と分析している。

　子供たちの親に関する調査は、対象483人のうち92.3%が母親。「子供にゲームをさせることの賛否」について尋ねたところ、「賛成」、「どちらかといえば賛成」は計30.2%で、「反対」、「どちらかといえば反対」は計69.6%と「ゲーム反対派」のほうが多数を占めている。親のゲーム経験については、何らかの形でゲームに触れたことがある人は91.1%と多いが、現在もゲームを継続的に遊んでいる親は19.7%にとどまっている。

　ゲームが子供に与える不安要素としては、1位が「肩こり・目の疲れなど身体面への悪影響（91.5%）」、2位が「内向的・暴力的・空想世界への逃避など精神面への悪影響（62.7%）」、3位が「勉強をしなくなる（43.1%）」が挙げられている。このうち、上位ふたつは、「子供にインターネットをさせることの不安要素」の1位「身体面への悪影響（70.2%）」、2位「アダルト、残虐性が強いなど年齢にふさわしくない内容を見る（58.2%）」とおおむね合致している。

　精神面への悪影響に関する対策として、CESAはゲームソフトに年齢別レーティングを設定する独立機構「CERO」の設立を2002年6月に発表しているが、9割以上の親がレーティングの存在自体を「知らない」と回答している。

□CESAのホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□ニュースリリース
http://report.cesa.or.jp/news/release_040223.html
□関連情報
【2003年7月28日】CESA、「2003CESAゲーム白書」をリリース～出荷額、ゲーム人口ともに減少傾向～
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030728/cesa.htm

(2004年2月23日)

[Reported by 北村孝和]

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