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HORI「フライトスティック2」レビュー
~「エアフォースデルタ ブルーウイングナイツ」をプレイして~

2月5日 発売

価格:12,800円

武者震「MS-007」に「フライトスティック2」をセットした状態
 2月5日、株式会社HORIより、「フライトスティック2」が発売となった。コナミ株式会社の「エアフォースデルタ ブルーウイングナイツ」が初のフル対応となるプレイステーション 2専用フライトゲーム用周辺機器だが、初代「フライトスティック」から形状の大幅変更をはじめ、多数の変更点が見受けられる。そこで今回、HORIより実機をお借りしたので、インプレッションをお届けする。

 また、昌屋有限会社(M-S-Y)のリアルコクピットシミュレータ「武者震」シリーズの最新作である「MS-007(価格:25,000円)」もお借りできたので、「フライトスティック2」に正式対応している「MS-007」を組み合わせてプレイしてみた。


■ 外観をチェックしてみる

 操縦桿とスロットルがセパレートになって、まず見た目の印象がとてもリアルで格好良い。操作とは関係ないパーツ類にも、本格的な外観へのこだわりが感じられる。またセパレートになったことで、ケーブルの許す限り自由自在に配置できるのも実用的だ。両方を前に並べて置くのもいいし、操縦桿だけ正面に配置して、スロットルは体の横に置くといった個人の好みによる配置も可能だ。「MS-007」では左右のテーブルにそれぞれを配置することになる。

【「フライトスティック2」外観】
操縦桿は、上面のボタン操作を親指で行なう。左のボタンは、中央に向かってスライドさせるような角度で押し込む。右はアナログスティックで、こちらは標準コントローラの右アナログレバーに対応、押し込む操作(R3)もできる 操縦桿を握ると小指が丁度下のトリガーの位置に当たる。中指を赤いトリガーに掛けて人差し指を赤いボタンに置けば、親指でのボタン操作と併せて操縦桿から手を離すことなくあらゆる操作を同時にこなせる プレイする側と反対方向から見た面。操縦桿の土台部分の中央から出ているのがUSBコードで、これをPS2本体に接続し、その隣りにある端子にスロットル側から出ているコードを接続した状態で使用する。初代はコントローラ端子に接続していたので、接続方法が変わっている
こちらはスロットル。握りの部分は大きさもあって、押し込みやすく引っぱりやすい角度がついていて手に馴染む。また掌を置けるので、ずっと手を掛けていても疲れない 赤い目立つボタンが「エアフォースデルタ ブルーウィングナイツ」ではエアブレーキを担う。その下面左端の小さいボタンがスタートボタンとなっており、親指で押す格好になる プレイ側と反対から見ると、握りの下部に見えるボタンがラダー操作を行なうボタン。2つの突起を持つ1つのボタンで、片方を押している状態で反対側が入らないようになっている


吸盤がしっかり4カ所でコントローラを固定する。平らな机に吸着すると、かなりの力を入れて引っぱってみても取れなかった
 コントローラの裏面にはそれぞれ4カ所の吸盤取り付け用のくぼみがあって、吸盤をセットして平らな机などに吸着させれば、かなりしっかり固定することができる。MS-007の場合、「完全対応」をうたっているだけあって、吸盤の食いつきはよかった。実際に操作した際も、操縦桿を遠慮なくぶんぶん振り回したり、急激なスロットル操作を行なっても外れるようなことは無かったので、安心して遊べた。


■ 各パーツの感触をチェック

 各パーツは汗をかいても滑らない、全面ラバーコーティング仕様になっており、手にフィットしたグリップが非常にいい。また、長時間操作していてもベタつかず、滑らないのもありがたい。

 操縦桿もスロットルレバーも想像していた以上に重めで、特にスロットルレバーを最初に操作した感じは硬すぎるというくらい重みがあった。どちらかというと軽すぎる方が困る(残念ながら初代『フライトスティック』は若干軽すぎた)のでむしろその方がいいが、スロットルレバーの重さはコントローラの裏側からドライバーで調節することが可能。ちょっと緩めてからは、ちょうどいい感じの重さになった。操縦桿の方はもともと丁度いい具合の重みで、長時間操作しても疲れない。配置されたボタンは全て指が届いて、機体の操縦をしながら、機銃やミサイル発射などあらゆる操作が同時に行なえる。

 ただし、手の大きさの問題か、スロットル側はちょっと手の届きづらいボタンがあった。スロットルを握った指の先端に位置する左右ヨーのボタンと、親指に位置するエアブレーキのボタンがちょっと届きづらい。これら両方のボタンに指を乗せたままスロットルを開こうとすると、スロットルを押し上げる操作ではなくて引っ張り上げるような格好になって、力をかけるとどちらかのボタンから指が外れてしまうという感じだったが、まぁエアブレーキをかけながらスロットルを開けるという状況がそもそもあまりないはずなので、手の小さい人にとっても心配するほどの問題ではない。

 操縦桿の方は、標準付属品のグリップパッドを操縦桿の付け根辺りに装着できるので、握りの部分が短くなって手の小さい人でもフィットしやすくなっている。また操縦桿の方はエアブレーキをかけるなどの状況によって振動して、空戦の雰囲気を掌全体に伝えてくれるのもいい感じだ。


■ 「エアフォースデルタ ブルーウィングナイツ」をプレイしてみて

 フライトゲーム専用のコントローラだけあって、操作の要となる出力や機体の制御に関する操作はボタンやレバーが固定となっていて、混乱を招かない点が大きい。コンフィグの設定で変更できる操作は、ミニマップやターゲット切り替え、視点変更の操作など一部に限られる。

 標準コントローラ「DUALSHOCK 2」でプレイした時は、“出力を上げながらミサイルを撃ちたい”、“ミサイルを撃ちながら機銃も撃ちたい”、“しかも左右ヨーはLRボタンに振りたい”という都合のいい操作にたどり着くまで3つのコントロールタイプ全てを試し、その都度ボタン配置を覚え直す手間を踏んだだけにちょっと感動的だった。標準コントローラから移行するときは、機体の制御に重要な左右のヨーボタンやエアブレーキボタンなどが独立していてとてもわかりやすいので、ちょっとプレイしていればすぐ操作に慣れることができた。

 そして「エアフォースデルタ ブルーウィングナイツ」には「ノービス」、「エキスパート」、「エース」のコントロールタイプがあるので、それぞれ標準コントローラと「フライトスティック2」でやり比べてみると、いくつかの違いがあることがわかったのでここに記しておく。

 まず「エース」でエアブレーキを掛ける操作は、DUALSHOCK 2ではボタンを押すとエアブレーキが掛かり始め、もう1度押すと解除される。「フライトスティック2」では、ボタンを押している間はエアブレーキがかかり、指を離すとすぐ解除されるので、今の状況を的確に把握できる。間違ってエアブレーキをかけっ放しにするというミスは確実に減るだろう。

 そして、「ノービス」と「エキスパート」では、DUALSHOCK 2との大きな違いがある。ゲームレビューの方で「『エース』ではエンジン出力を任意の位置で固定できる」と書いたが、「フライトスティック2」でプレイすると「エース」に限らず全てのコントローラタイプで、エンジン出力がスロットルの位置に対応するので、任意の位置に固定することができる。標準コントローラでは、「上げる」、「下げる」という極端な操作になるのに比べて、押したり引いたりすることで微妙な速度調節ができる「フライトスティック2」のスロットル操作の方が、安定した速度調節が可能となる。

 ただし「ノービス」と「エキスパート」ではエアブレーキが無い変わりに、エンジン出力をゼロにした状態でエアブレーキがかかるため、ゲームスタート時のスロットル位置には注意が必要だ。一番下に下げた状態でゲームがスタートすると、いきなりどんどん出力が下がっていき間もなく失速してしまう。


 当たり前といえばそれまでだが、DUALSHOCK 2のアナログスティックで操作するよりも、操縦桿をぐいぐい引っ張ったり回したりする方が操作している雰囲気が味わえるのは当然のこと。また、実際のプレイ感でも述べたとおり、スロットル操作をボタンで行なうよりも「フライトスティック2」のたっぷりした握りの重めのスロットルレバーで行なうほうが安定感があっていいし、エアブレーキや左右ヨー操作のボタンが、いざという時に独立した位置にあるのも混乱を招かない意味で本当に助かる。

 そして、個人的には操縦桿の戻るバネの硬さもいい感触を得られたので、大いに「フライトスティック2」をお勧めしたい。見た目のカッコ良さからいっても、セパレートタイプで機能的という面から見ても、お買い得のお値段だと思う。また、セッティング場所の確保に苦労している人は、「MS-007」を思い切って導入してみるのも悪くない選択肢だと思う。

□HORIのホームページ
http://www.hori.ne.jp/
□製品情報(フライトスティック2)
http://www.hori.ne.jp/fst2/
□M-S-Yのホームページ(英文)
http://www.m-s-y.com/
□プレスリリース(武者震「MS-007」)
http://www.m-s-y.com/news.html
□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□製品情報(エアフォースデルタ ブルーウイングナイツ)
http://www.afd.jp/
□関連情報
【2月17日】PS2ゲームレビュー
マルチシナリオにも注目の空戦3Dシューティング
「エアフォースデルタ ブルーウイングナイツ」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040217/ad.htm
【1月30日】「武者震」シリーズ新作フライトシム用コクピット
「MS-007」を1月31日より販売開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040130/msy.htm

(2004年2月18日)

[Reported by 河本真寿美]


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