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アイドス、品性無用のハードコアマッチが続出! |
価格:6,800円
PS2「バックヤードレスリング」は、全米で社会問題にもなった「Backyard Wrestling(BYW)」をモチーフにしたアクションゲーム。直訳すると“裏庭プロレス”といったところで、要は子供たち(もしくは、いい歳をした大人)が裏庭でプロレスゴッコに興じるというもの。ただし、その内容が半端ではなく、単なるプロレスゴッコをはるかに超越しているのが特徴。自称“団体”は、数えたらキリがないほどで、試合形式も芝生や床の上でレスリングを見せるだけではなく、FMW、W★ING、大日本プロレスばりに蛍光灯や画鋲などの凶器を使った流血デスマッチでさえ珍しくない。
本作は、米カリフォルニア州のBackYard Wrestling社が管理運営するエンターテインメントプログラムをゲーム化。米ケーブルTVのPPVで大ヒットした過激な内容を、そのままゲームに持ち込んでいる。試合はほぼ“場外乱闘”といってもよく、裏庭はもとより、生肉工場、スタジオなど、どこであろうが“レスラーが対峙した瞬間”そこが戦いのリングに変貌する。落ちている蛍光灯、釘バット、道路標識、ドラム缶など、拾えるオブジェクトはすべて“凶器”として利用可能。さらには屋根からダイブして攻撃するなど、流血や怪我を恐れない捨身の攻防が繰り広げられる。
ゲームモードは、全7ステージのメインモード「Talk Show」、CPUまたは友だちと対戦する「Exhibition」、サバイバルなどのミニゲームが遊べる「Bonus Game」の3つが用意されている。このうち「Talk Show」は、特定の条件をクリアすることで新しいレスラーが使えるようになったり、シークレットムービーが閲覧できるようになる。
BGMは、ロックやヒップホップなど全41曲を収録。登場レスラーは、来日経験もあるマッドマン・ポンドやサブーなど、実在人物が31人登場。オリジナルレスラーのクリエイトも可能。ゲームを進めていくと、金髪美女軍団「バックヤード・ベイブス」などのプロモーションビデオが閲覧可能になる。
拾えるものは何でも凶器になる。ドラムカンはもちろん、絵画、交通標識、さらには“牛の生首”まで…… |
裏庭、ガソリンスタンド、屠場、ショーパブ、ショッピングモール。どこであろうが、レスラーふたりが対峙すれば戦いが始まる。 |
凶器攻撃だけではなく、きちんと技も繰り出す。相手の体力が一定以下になれば、必殺技「ハードコア・アタック」が使用可能になる |
素人のプロレスゴッコを過激なエンターテインメントに押し上げた「BYW」は、“良識派”を自称する人がみれば「なんだ、この脳天から血を流している馬鹿な連中は?」とか「まぁ危ない! 子供が真似したらどうするの!?」といった反応が関の山だろう。だが、プロレスは元来「世間から白眼視されてきた」ジャンルであり、それらに対する反発こそが、プロレスおよびプロレスファンのエネルギーになっていた時代がある。
「BYW」は、プロレスに対して世間が白眼視する部分を抽出し、さらには煮詰めて凝縮したかのごときアナーキーな存在といえる。その一方で、「BYW」そのものは、世間に対する単なる反発ではなく“プロレスが好きで好きで仕方がない”人たちのシーンに対する憧憬と自己表現を、エンターテインメントと無軌道の境界線ギリギリまで突き詰めた結晶のような気がしてならない。
こうした意味でも、本作は「プロレス」というキーワードを自分なりに考えながらプレイしてみると、ちょっと違った味わいになるかもしれない。
【実写映像】 | ||
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□アイドスのホームページ
http://www.eidos.co.jp/
□製品情報
http://www2.eidos.co.jp/byw/main.html
□関連情報
【2003年9月10日】アイドス・インタラクティブ、社名を「Eidos KK」に変更
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030910/eidos.htm
(2004年2月3日)
[Reported by 北村孝和]
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