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「FINAL FANTASY XI Play Zone REAL VANA'DIEL」 |
REAL VANA'DIELは、秋葉原のパーツショップ激戦地区に位置する。Wonder Cityの入っているビルの2階だ |
店内は、白を基調としたシンプルなデザインとなっており、とても明るいイメージだ。よくあるネットカフェやマンガ喫茶のような、雑然とした雰囲気は一切ない。そして、「『FF XI』のテーマパーク」と銘打っているだけあり、趣向を凝らしている部分もある。
店内には、男性スタッフが1名、女性スタッフが1名の2名のスタッフが常駐。そして、女性スタッフは、「FF XI」に登場するキャラクタのコスチュームを再現した衣装で出迎えてくれる。コスプレ用の衣装としては、ヒュームの初期装備とヒュームの種族装備、ミスラの初期装備の3種類が用意され、1日おきに違うものが利用されるそうだ。また、イベント向けの特別な衣装も用意されているそうである。
また、カウンター裏に用意されている喫煙スペースは、「FF XI」に登場する「モグハウス」を模したものとなっている。内部は実際のモグハウスさながらの木造風デザインで、簡易ベッド(椅子として利用)と栽培用の壺(もちろん実際に栽培ができるわけではない(笑))が用意されている。やや狭いものの、モグハウスがうまく再現されている。
ただし、これら2点を除き、店内には「FF XI」を想像させるような装飾などはほとんど施されておらず、プレーゾーンに整然とマシンやディスプレーが並んでいるだけで、やや殺風景な感じもする。とはいっても、それが逆に清潔なイメージを生んでおり、居心地は悪くない。また、店内は土足厳禁となっており、床も常にきれいな状態が保たれている。これならば、長時間でも非常に快適なプレーができると言っていいだろう。
入り口には受付のカウンターがあり、初めて訪れた場合には、まずここで会員登録を行なう。会員になると、専用の会員カードが作られるが、会員カードは7種類用意され、それぞれに異なる召喚獣が描かれている。もちろんその中から好きなカードを選択できる。
プレー料金だが、入会金が500円、デイタイム(午後1時から午前0時)は30分350円、ナイトタイム(午前0時から午前7時)は7時間2,850円となる。デイタイムには3時間1,900円、5時間3,000円のロングコースも用意される。そして、累積20時間以上の来店者はリピーターユーザーとなり、料金が割引になる(詳しくはREAL VANA'DIELのホームページを参照してもらいたい)。ちなみに、12月中は全ての来店者がリピーター価格で利用できる。また、12月中に会員登録した人には、スクウェア・エニックス提供のFF XIカレンダーがプレゼントされるそうだ。ただし数量限定なので、ほしい人は早めに行って会員登録したほうがいいだろう。
店内での飲食に関してだが、150円のフリードリンクサービスが用意されており、プレー時にはフリードリンクの利用が必須となっている。食べ物に関しては、将来的には「FF XI」に出てくる食べ物を再現して提供するという構想もあるそうだが、現時点では提供はない。ただし、持ち込みは自由なので、あらかじめ弁当などを買ってきてもいいし、プレー中に一時的に食事に出掛けたり買い物に行くことも可能だ。
■ 「計り知れない」パワーを持つPCを全22台設置
ブースは、21インチのディスプレイ、キーボード、マウス、ゲームパッドで構成される。椅子はヘッドレストもある大型のもので、座り心地は非常に良い |
また、各ブースには電源コンセントが用意されており、持ち込んだノートパソコンなども利用可能となっている。ディスプレー横にはノートパソコンを置けるだけの十分なスペースが確保されている。しかも店内にはバッファローのフリー無線LANアクセスポイント「FREESPOT」が設定されており、無線LANを利用してインターネットに接続可能。「FF XI」をプレーしながら、インターネットにアクセスして攻略情報ページを参照する、といったことも可能というわけだ。ただし、REAL VANA'DIELは「FF XI」オンリーのプレーゾーンであり、持ち込んだノートパソコンで「FF XI」以外のゲームをプレーすることは御法度だ。まあ、わざわざREAL VANA'DIELに来て、持ち込んだノートパソコンでFF XI以外のゲームをプレーする人などはいないと思うが、この点はきちんとルールを守りたいところだ。
各ブースに設置されているパソコンは、現時点でほぼ最強と言ってもいいスペックとなっている。CPUにインテルのPentium 4 Extreme Edition 3.20GHz、グラフィックカードにATI Technologies RADEON 9800 XT搭載カードがそれぞれ採用された、エプソンダイレクト製の「Endeavor Pro2500」をベースとするパソコンだ。ちなみに、スクウェア・エニックスが提供しているベンチマークソフト「FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークソフト2」の結果は、Lowで7000、Highで6200を超えるそうだ。まさしく「計り知れない」パワーを持つNMクラスのパソコンというわけだ。
実際に自分のアカウントを利用してプレーさせてもらったが、さすがにNMクラスのパワーを持つパソコンだけあり、プレー中にストレスを感じることは一切なかった。標準設定での「FF XI」の画面解像度は1,280×1,024ドットに設定されていたが、描画のもたつきなどは全くない。個人的にもこれだけのパワーを持つパソコンで「FF XI」をプレーしたいと感じたほどである。
ところで、REAL VANA'DIELが発表された当初、設置されるパソコンはCPUがAMDのAthlon64 FX-51、グラフィックカードがNVIDIAのGeForce FX 5950 Ultra搭載カード、という構成となっていた。しかし、その後スペックが、先ほど紹介したようにがらっと変更されてしまった。この理由については、仕様の発表後にメーカー間での駆け引きがいろいろとあったようだが、最終的にはパフォーマンスと安定性で最高の組み合わせを選択したという。もちろん、プレーする側からすれば、パソコンの構成がどうであろうと、「FF XI」が快適にプレーできればいわけで、スペックの変更に関してそれほど気にする必要はないだろう。
■ 試遊アカウントが13個用意され、アカウントを持たない
ユーザーもキャラ作成からプレー可能
各パソコンは、スタートメニューから日本語版と英語版のFF XIにアクセスできるだけで、他のことは一切できないようになっている |
また、「FF XI」のアカウントを持っていない人でも「FF XI」がプレーできるように考慮されている。REAL VANA'DIELでは、全部で13個という豊富な試遊用アカウントを用意しており、そのアカウントを利用することで、「FF XI」をキャラクタ作成の段階からプレーできるようになっている。まだ「FF XI」をプレーしたことがない、プレーしてみたいけどどういったゲームなのかわからないので購入に踏み切れない、という人にとって、購入前にプレー感などを試せる有効なスポットといえるだろう。
ブースに設置されているパソコンでは、「FF XI」をプレーする以外には、基本的に何もできないようになっている。PCのスタートメニューには、日本語版と英語版の「FF XI」、そして「FINAL FANTASY XI for Windowsオフィシャルベンチマークソフト2」が登録されているだけで、それらとパソコンの再起動用メニュー以外は一切表示されないようになっている。Webブラウザも登録されていないので、Webアクセスも不可能。また、デスクトップ上でマウスを右クリックしても、メニューは表示されない。さらに、パソコンには光学式ドライブやフロッピードライブは取り付けられておらず、さらにケース前面のUSBコネクタも動作しないようになっている。つまり、外部からソフトを持ち込んでインストールしたり、パソコンの内部からデータを抜き出す、といったことは一切できなくなっているわけだ。まさに「FF XI」しか楽しめないような仕様になっているというわけだ。
ただ、この仕様で若干問題となる点がある。それはゲーム中で利用するマクロに関してだ。REAL VANA'DIELで「FF XI」をプレーする場合、毎回ゲストログインとなるため、自分のマクロを登録することは不可能。また、マクロ編集・管理ツールなども利用できない。そのため、REAL VANA'DIELでプレーする場合には、毎回マクロを手動で登録しなければならないのだ。
この点は、REAL VANA'DIEL側もどうにかしたいと考えているそうだが、外部ツール類の利用については、セキュリティ上の問題から導入する可能性はまずないそうだ。「FF XI」のサーバーにマクロを登録・管理する機能が実装されない限り、どうしようもないだろう。やや残念ではあるが、マクロに関しては我慢するしかなさそうだ。
■ REAL VANA'DIELだけのオリジナルイベントも計画
REAL VANA'DIELは、「FF XI」のみがプレーできるゲームカフェであるが、スクウェア・エニックスと協力し、それ以上の役割を持たせる構想があるそうだ。現時点では、詳しい内容は発表されていないものの、REAL VANA'DIELに足を運ばなければ体験できないような、「FF XI」プレーヤーにとって非常に興味のあるイベントも考えられているそうだ。もちろん本誌でも、今後イベント内容が発表され次第紹介していくが、十分期待していい内容になると思われる。
仲の良い「FF XI」プレーヤー仲間とわいわいしゃべりながらプレーしたり、リンクシェルのメンバーとオフ会を開いたり、最強のパソコンで夜通し「FF XI」をプレーして遊んだりと、「FF XI」プレーヤーがやりたいと思っていたことを実現できるREAL VANA'DIEL。「FF XI」プレーヤーならば、一度は足を運んで体験しておきたいスポットと言っていいだろう。ちなみに正式オープンとなる12日には、開店レポートをお届けする予定となっている。
□メルコオンラインエンターテインメント(REAL VANA'DIEL)のホームページ
http://www.realvanadiel.jp/
□ニュースリリース
http://www.realvanadiel.jp/pr20031107-01.html
□関連情報
【11月7日】メルコオンラインエンターテインメント
秋葉原に「FF XI」専用ゲームカフェ開店
「FINAL FANTASY XI Play Zone REAL VANA'DIEL」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031107/realv.htm
(2003年12月8日)
[Reported by 平澤寿康]
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