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Korea Amuse World Game Expo 2003現地レポート

ゲームポータルの雄Neowizブースレポート
「Seal Online」ほか、多ジャンルに渡るオンラインゲームを出展

11月21日~24日開催

会場:韓国・ソウル・COEX

 Neowizは、大手ゲームポータルサイト「PMANG(ピーマン)」の運営を軸に、多彩なオンラインゲームビジネスを展開する総合ゲームパブリッシャーである。ゲームポータル系メーカーの中では比較的新参に位置することもあって日本での知名度はゼロに近い同社だが、ブースでは現在NTTがフレッツユーザー限定でβサービスを展開している「Seal Online(シールオンライン)」を中心に、パートナーメーカーの新作オンラインゲームを出展。5分、10分で気軽に対戦できるゲームが多いためか、試遊エリアは大いに盛り上がっていた。


■ 「シャイニングロア」を彷彿とさせる痛快アクション系MMORPG「Seal Online」

大きなリボンに大きな瞳。ほうきに乗ってすいすい進む。典型的な魔女っ娘キャラ
GMキャラの出で立ち。装備品は全身光りモノで統一され、1番目立っていた。ものすごく嫌みに見えるのは気のせいか
コンボアタックで敵のHPを大きく削る。HP回復ポーションをがぶのみしながら、がんがん敵に突っ込むスタイルはまるで「Diablo」のようだ
ヒーリングを行なうと突然現れたベッドに横になる。こうしたギャグがゲームの全編にちりばめられている
 今回もっとも大々的に出展していたのがGringon EntertainmentのファンタジーMMORPG「Seal Online」。ブースの約半分を使って、多くの試遊台を設置し、その後ろに多くの説明スタッフを配置するなど、並々ならぬ意気込みを感じさせた。

 同作はすでに日本でも東京ゲームショウでも出展され、GBMを通じてNTTがクローズドサービスを実施しているため、海外レポートで取り上げる意義は薄いが、会場でユーザーサポートをしていたGM Team LeaderのSeung-Soo Ha氏に話を聞くことができたので、その内容を中心に作品の魅力を紹介したい。

 「Seal Online」は、2000年に韓国でアクションRPGとして発売された「Seal」の世界観をモチーフにしたMMORPG。現在韓国ではオープンβテストが行なわれており、有料サービスを目前に控えてプロモーションも大詰めを迎えているといった状況だという。登録ユーザー数は累計110万で、同時接続者数は4万。韓国のMMORPGとしては中規模に位置するタイトルだ。

 ゲームデザインは、子供にもピンと来るような可愛らしさを前面に押し出した内容で、グラフィックはカートゥーンレンダリングを採用。キャラクタのモデリングは、人気漫画「あずまんが」にも通ずる4等身程度の小さなボディに、くりくりとした大きな瞳が特徴的なアニメチックなスタイルとなっており、アニメの国MMOといった印象の作品だ。

 特にこだわりが感じられるのが、キャラクタのアニメーションで、現行の韓国産MMORPGの中ではずば抜けて良くできている。最初にプレイしたウィザードハットとローブを可愛く着こなした女魔法使いは、ほうきに乗っていて人の背丈ほどの高さにふわふわ浮いている。ほうきに乗ったまま移動することも可能で、そのまま動かずにいると、暇をもてあましたように、時折ほうきを鉄棒のように使ってぐるりと1回転したりする。ついつい引き込まれて見入ってしまうほどにうまいアニメだ。

 続いて、Seung-Soo Ha氏にその場でGMキャラクタを使ってもらって、混雑した街の様子やフィールドの雰囲気、戦闘シーンなどをひととおり見せてもらった。GM01というキャラクタで、さすがはリーダーらしくレベルは107。装備品はいずれも最高級かつレアモノで統一しているらしく、背中には絶えずぴかぴか光る翼を付け、顔にはサングラス、そしてキャラの背丈の1.5倍はありそうな黒光りした大きなブレードをメインウェポンにしていた。

 まずはいきなりGMコマンドを駆使して、最難関エリアに飛んでもらった。そこには巨人型のアクティブモンスターがうじゃうじゃいたものの、コンボを駆使して難なく突破していた。同作のコンボシステムはA、S、Dをある一定の順番で押すことで発動する連続技で、これによりソロプレイでも見栄えのあるダイナミックなゲームプレイを実現している。デモプレイでは7回連続攻撃を見せてもらったが、さらに上があるようだ

 次に釣りや、チャット部屋、露天などを見せてもらった。釣りは、同作における大きな楽しみのひとつで、街中ではどこかしらに釣り糸をたれている冒険者がいたり、大会などが行なえるように釣り堀なども用意されている。チャット部屋は、遠隔地のユーザーとコミュニケーションを取り合える内部チャットツールで、ユニークなのは参加者がどこにいようとも全員キャラクタごと無人島に移動し、通常チャットのみならず、エモーションを使ったコミュニケーションや、エリア人口の集中を気にせずに集団チャットが楽しめる。

 ちなみに同作でヒーリングを行なうと寝るモーションに入る。初期キャラクタだと新聞紙をかぶって寝るが、中程度の冒険者だとこれが布団になり、Lv107ものキャラにもなるとベッドになる。これは名声値によってグレードが高まる仕様になっていて、Zzzの吹き出しをはき出しながら集団睡眠する姿はなんとも異様、というより思わず吹き出したくなる光景だ。

 今回、ひととおり体験した限りでは、ギャグ要素やアニメ的デフォルメ要素がゲーム内の至る所に目に付き、同じコンセプトで人気を博したNC Softの「シャイニングロア」の系統に位置するMMORPGだと感じた。くすくす笑いながら、あるいはなごやかな雰囲気で冒険を楽しみたい人にお勧めのMMORPGだ。

【Seal Online】
敵も味方も世界観そのものが可愛らしい「Seal Online」。これもまた日本市場を強く意識したMMORPGだ


■ 純韓国産のチームベースFPS「Heat Project」

屋根の一部がぶち破られ、案内板が垂れ下がる無人と化したソウルの地下鉄。「グラフィック」はCSと同等程度だが、マップの作り込みが丁寧な印象だ
今回紹介した2タイトル以外にもNeowizグループはピーマンで展開している数多くのオンラインタイトルを出展。ドライブゲームから、横スクロールシューティング、3Dシューティング、パズルアクション、ライトアクション、ロボットアクションなど実に多彩。まさになんでもMMO化してしまっているメーカーだ
 Neowizブランドタイトルでもうひとつ気になったのが、Doobic Entertainmentが開発しているFPS「Heat Project」。Valveの大ヒットFPS「Counter-Strike」を強く意識した16対16の32人同時対戦が可能なチームベースのアクションシューティングだ。現代の韓国をモチーフにしており、政府軍対テロリストの戦いを描いている。

 韓国産らしくシングルプレイキャンペーンは用意せず、チームベースのオンライン対戦のみと割り切った仕様で、韓国のほか、中国、台湾、タイなどアジア地域での発売を予定している。プラットフォームはPCおよびXbox。

 ブースでは6台のPCを使い、βテストに参加しているサーバー上のユーザーも交えて10数人規模のチーム戦が行なわれていた。マップはソウル市内の地下鉄で、長いプラットホームでのロングレンジでの戦いや、階段下の通路での遭遇戦、封鎖された改札出口付近での戦いなどなど、仮に「Counter-Strike」のマップとしてみてもなかなか人気の出そうな良マップのように見えた。

 ステージ内には至る所にハングル語の看板や案内が配置され、時折、電車も通過して一時的に視界と射線を遮るなど、なかなかリアルなシチュエーションだ。マップはこの地下鉄のほか、寺院、牢獄、要塞、空港、倉庫、滝、ホテルなど全部で9種類を用意。

 既存の「Counter-Strike」という圧倒的な存在に対する強みは、キャラクタに継続性を持たせ、キャラクタの能力が成長していくところ。FPSにおいて安易な差別化は危険だが、マップデザインも丁寧で、数回プレイした限りでは、欧米産FPSと変わらない操作感でプレイできた。韓国産FPSとしては飛び切り良くできたタイトルといえそうだ。

【Heat Project】
上段から順に寺院、滝、ホテル。すべてマルチプレイ専用マップとして開発されている

□KAMEXのホームページ
http://www.kamex.or.kr/
□Neowizのホームページ
http://www.neowiz.com
□「Seal Online」のホームページ
http://www.sealonline.co.kr/
□「Heat Project」のホームページ
pmang.sayclub.com/heatproject/heatproject_home.nwz
□関連情報
【11月21日】Korea Amuse World Game Expo 2003が開催
バラエティに富んだユーザー密着型のショウに変貌
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031121/kamex_01.htm

(2003年11月23日)

[Reported by 中村聖司]


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