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コーエー、中間決算概要説明会でMMORPG「大航海時代ONLINE」発表 |
株式会社コーエーは、11月11日に発表した平成16年3月期中間決算短信に関する説明会をアナリスト、証券関係者、報道関係者に対して行なった。会見では襟川恵子代表取締役会長による事業戦略の説明も行なわれた。
襟川会長は現状のゲーム市場について「本当に厳しい」と前置きしながらも同社の好調ぶりをバックに自信溢れるビジョンを展開した。襟川会長は「ワクワクする新しいタイトルは出にくくなっている。それでも今後、欧州、中国の市場が立ち上がりビジネスチャンスは多い。また、新機軸タイトルで市場にユーザーを呼び込む」と語った。
今回の説明会では、今年度末から来期に向けて発表される新作タイトルを匂わす発言も相次いだ。その中でもタイトルまで飛び出したのが新作MMORPG「大航海時代ONLINE」だ。内容については“MMORPG”としか発表されていない。年明けに発表会が開催され、詳細が明らかにされたあと3月から4月に一般公開のβテストを経て、9月から10月に発売したいとしている。
プラットフォームは、「初めはPCで発売し、プレイステーション 2や、その他のプラットフォームに対しては状況を見てから考える」としている。「信長の野望Online」とは逆の展開となるが、プレイステーション 2用の「信長の野望Online」の採算分岐点が「このままの状態だと約2年かかる (PCはPS2のようにロイヤリティを支払う必要がないなどの理由で、1年で採算分岐点に達すると見ている) 」ということで、ある意味、ネットワークゲームについてはPC市場の方が向いていると判断したのかもしれない。
ただ、襟川会長は「ネットワークゲームはあくまでもゲームの1ジャンル。パッケージに代わるものではない」とネットワークゲームに力を入れながらもそれだけではないと断言した。
【スクリーンショット】 | ||
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会場で公開されたティザー広告っぽいムービー。4段目の最後2枚が「戦国無双」のもの。おそらく細かいところは来週予定されている発表会で明らかにされるものと思われる。「大航海時代ONLINE」は若干のゲーム画面とキャラクタを中心とした設定画が公開された。2004年の秋口発売予定 |
「戦国無双」のゲーム内容などについては来週の発表会に譲ることとなったが、発売時期については「来年年明けの早い時期……1月というのはないとすれば2月か3月か……」とのコメントがあった。思ったより早い時期に登場する予感だ。発売本数も資料では60万本としているが、もっと高い数字 (100万本) を見込んでいるという。また、“無双エンジン”を使用したタイトルが今後発売されるかどうかについては、「出るとも出ないとも言えない。何タイトルも発売され、お客様に本当に求められているかどうかを、我々も見極めなければならない。何か新しい提案や楽しみ方を出せなければリリースできないし、そうしたい」と発言した。ちなみに「真・三國無双」を制作したチームは現在、新しいアクションゲームの開発に入っており、2004年度には発売したい意向だという。
このほかでは、ソニー・コンピュータエンタテインメントが2004年末をめどに発売を予定している携帯端末「PSP」についても触れられた。PSPについては「我々は成功すると期待している」と小松社長が断言。襟川社長は「機能的には6万円以上してもおかしくない。もちろん価格は下げてくるだろうが、ロイヤリティ代も下げるということで、ソフトの価格も下げたいのだろう。それでも1万円台では出せないと思うので、子供に対して強いコンテンツを持っている任天堂さんのゲームボーイアドバンスとは市場が違うと思う」とコメント。
さらにPSP参入については「PSPの機能を使ったタイトルを投入したい。現在企画案が3タイトルあがっている。もちろん発売時期をずらすなどの考えから2タイトルになるかもしれないし、4タイトルになるかもしれない。全世界同時発売なので、ワールドワイドに通じるものと、日本独自のものを用意することになると思う」と複数タイトルを用意する考えだという。もちろん発売時期は「本体と同時か同時期」と早い時期でソフトを投入したい意向だ。
海外での販売展開に留まらず北米オリジナルタイトルをカナダで制作するといった、ワールドワイドの展開も今後みせていくというコーエー。今後も、多数のソフトが発売される予定だ。
発表会に出席した代表取締役会長の襟川恵子氏と代表取締役社長の小松清志氏、執行役員財務部長の長谷川秀夫氏 | オンライン戦略、海外戦略などを説明した襟川氏 | 中間決算概略について説明する小松社長 |
(2003年11月18日)
[Reported by 船津稔]
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