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★PS2ゲームレビュー★
■ PS2の兄貴達は、クロスノーツ・彩京により生を受ける
初代「超兄貴」は、頭の穴から光学兵器(?)の「メンズビーム」を発射するパンツ一丁の屈強なマッチョコンビ、アドンとサムソンが話題を呼んだタイトル。「超兄貴~聖なるプロテイン伝説~」は原点回帰だろうか、初代と同じスタイルの横スクロールシューティングに仕上がっている。
開発は「彩京ブランド」としてシューティングゲーム「ストライカーズ1945」や「ガンバード」をリリースした実績のあるクロスノーツ・彩京。弾の形状や飛び方が独特な「彩京弾」、「前半4ステージの順番がランダム」といった彩京シューティングのDNAが「超兄貴~聖なるプロテイン伝説~」 のなかにも継承されている。
銀河系のビルダーの間で、伝説的な存在となっているプロテインがある。十の試練を超えた先の『聖地』にあると噂されるプロテイン。そのプロテインを摂取することにより、究極の肉体を手に入れられるのだという。 いつものごとく自家用特製ジムで鍛錬に励むアドンとサムソン。そこにふいに訪れた、得るものに究極の肉体をもたらす「伝説のプロテイン」。暖かくも紳士的なアドンとサムソンに、自らを摂取し「究極の肉体」を得るよう勧める「伝説のプロテイン」だが、アドンとサムソンはその提案を拒み、鍛錬に己を見出す。 『伝説のプロテイン現る』の噂は、悪しきビルダーたちを呼び寄せていた。アドンとサムソンは悪しきビルダーたちよりプロテインを守り、聖地にプロテインを送り届ける決意をする。聖地よりやってきた『伝説のプロテイン』に制裁を下されたビルダーを道しるべに、アドンとサムソンは試練を超え、聖地へ向かう。
■ アナログスティックを回すチャージが熱い「メンズビーム」
このゲームのウリであり、また最大の特徴ともいえるのが、アドン・サムソン・伝説のプロテインが放出する貫通兵器メンズビーム。コントローラーの右スティックを回して『漢(おとこ)のシンボル』ゲージを溜めることで、強力なメンズビームが発射できる。今作のメンズビームは、既存シリーズと比較して汁っ気が増したように見えるのは、果たして気のせいだろうか……?
自機とオプションのビルドアップ(ショットのパワーアップ)は独立しており、敵を倒すと出現するプロテインを連続摂取させることで、それぞれの強化が可能。アドンとサムソンのふたりにプロテインを一定量与えると、無敵攻撃の「漢の魂」ボムをストックする。
スコアボーナスの稼ぎフィーチャーは「自機のパワーアップが最強の状態で、自機にパワーアップアイテムのプロテインを摂取させる」こと。要するに、オプションのアドンたちではなく自機にプロテインを連続投与させることで、パワーアップアイテムが得点アイテムに変わるシステムだ。古き良き時代を思い起こさせるフィーチャーだが、スコア稼ぎに関してはやや地味かもしれない。
■ 濃いキャラクタの連続出現に食傷気味の気配も 世界観の統一ということなのだろうが、全編を通じて異常なキャラクタばかり登場するため、人によっては飽きが早いかもしれない。今作の敵キャラクタで、初代「超兄貴」ほどインパクトのある新キャラクタは、残念ながら少ないように思える。エル&トポやアダムなど初代の魅力的なキャラクタも登場するが、突出した存在感を放っているのは、やはり「アドン」と「サムソン」。シリーズ内で、彼らを超えるキャラクタを生み出すのは至難の技といえる。
全10ステージとボリュームはあるが、最終ステージ以外は道中を進んでボスを倒すという構成。通常面は変化に乏しいが、最終面のボスラッシュはやり応えがある。なお、5面からは各ボスに固有BGMが与えられている。
サウンドクレジットには、初代「超兄貴」のサウンドを担当した葉山宏治氏の名前が見受けられる。葉山氏のサイトによれば「超兄貴~聖なるプロテイン伝説~」への楽曲提供は数曲程度だという。ゲーム中のBGMには「超兄貴」のリミックス曲が数曲あり、筆者が推察するに、恐らくはリミックス曲を手がけられたのではないだろうか。個人的には“世界の兄貴達”のリミックス曲を聴いてみたかったが……。 初代「超兄貴」、そして彩京シューティングを強く意識した今作。シュールでマッチョな世界観は相変わらずなので、初代「超兄貴」のテイストが好みだったユーザーなら容認できるはずだ(一部の3Dキャラクタは不気味すぎるが……)。最新ハードの性能をあえて無視したようなPCエンジンライクなグラフィックも、ノスタルジーを感じさせる手法として評価できるのではないだろうか。 シューティングとしてはオプションの弾消し性能が高すぎるために、弾避けの興が削がれる場面もしばしば。だが、メンズビームによる破壊の爽快感、ボーナスフィーチャー、ボム使用ポイントの計画性など、シューター好みの要素が多数盛り込まれている。スコアデータはセーブされるので、ハイスコアに挑戦するのも一興だろう。
最後に、「超兄貴~聖なるプロテイン伝説~」のOPに流れる曲“筋肉体操のうた”を紹介して読者の皆さまとお別れしたい。筋肉増強を奨励するハードロック調の曲で、実際にプレイをしてメロディを覚え、風呂上りに全身鏡を見ながら熱唱していただきたい。
(C)Global A Entertainment, Inc. (C)NCS/X-nauts.
□グローバル・A・エンタテインメントのホームページ(発売元) (2003年11月6日) [Reported by 福田柵太郎]
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