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★PCゲームファーストインプレッション★

ついに幕を開けた美麗な世界のMMORPG
リネージュ II
  • ジャンル:MMORPG
  • 発売元:エヌ・シー・ジャパン
  • 価格:未定
  • 月額利用料金:未定
  • 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP
  • 発売日:未定(クローズドβテスト中)


 その美しいグラフィックで注目を集めていた韓国のMMORPG「リネージュII」。日本でも10月27日より、ヤフーBBユーザー対象の先行クローズドβテストが行われた。今回はファーストインプレッションと言うことで、プレイを始めた人が目にする「リネージュ II」の世界を紹介していきたい。



■魅力的なキャラクタと、世界の描写

キャラクタ選択画面。1サーバーに7人のキャラクタを作成することができる。ひとつのキャラクタを消去するには最低6日の期間が必要なので、よく考えて作成しよう
 「リネージュII」は韓国をはじめ、世界でも人気の高いMMORPG「リネージュ」の続編である。エルフやオーク、ドワーフといった異種族と人間達が暮らし、モンスター達と激しい戦いを繰り広げるファンタジー世界「アデン」が冒険の舞台となる。

 本作はゲーム世界を美しく緻密な3Dグラフィックで表現し、韓国で行なわれたβテストでは開始1週間で会員50万人を獲得、最大同時接続者は55,000人と大変な人気ぶりで、10月からの正式スタートも好評のようだ。E3や東京ゲームショウで出展された試遊台にも、多くの人がつめかけ、韓国のみならず、世界中のユーザーが注目しているタイトルである。

 本作のまず第一印象として、「女性キャラクタの美しさ」を挙げる人も多いのではないだろうか? モデルのように胸を反らし、腰に手を当てたポーズで立つ姿、膝を折って座る姿、りりしいエルフや人間、セクシーなダークエルフとオーク、元気少女風のドワーフと、非常に独特のキャラクタ描写をしており、それが本作のイメージの大きな要素となっている。

 モンスターや建物などは重厚で、感覚的にはシリアスなライトノベルズや、アニメ作品といったところだろうか。人間の街は比較的ノーマルな「開拓者の街」といった感じだが、エルフの街にある世界樹や、ダークエルフやオークの街の巨大な神像、ドワーフの村にある線路など、世界観を想像させるオブジェクトも多く用意されている。

 使用されているテクスチャはアメリカのリアルで薄暗い「ファンタジー」を思わせるものが多く、ライトよりな感覚のなかに、おどろおどろしい部分もきちんと持っていて、独特の世界観を醸し出している。アメリカを初めとした西欧的な「血と肉」を感じさせるエグさが抜け落ちているファンタジー世界というのは、日本人のクリエイターが作る世界にも似ていて、面白い感覚だ。

 筆者が重点的に歩いてみたのは人間の住む街周辺だが、滝が蕩々と流れ、遠くに街がかすみ、緑が美しい場所であった。場所によっては蝉などの虫の声も聞こえる、非常に「情緒」的な世界で、以前インタビューで開発スタッフの言っていた「自然に注目して欲しい」という言葉を実感できた。「静」的な美しい自然の中で、スピーディーで激しい戦いが繰り広げられる、ユニークな世界観を持つ作品だ。

【スクリーンショット】
今回、街の中心にもっとも多くのプレーヤーが集まっていた人間の街。小さな島に作られた、開拓者の街らしく、活力にあふれた都市である
巨大な世界樹が美しいエルフの街。建物は非常に繊細で優美なシルエットがある。フィールドには巨大な木の精霊などがいて自然界との深い関わりを感じさせる
ダークエルフの神殿には下半身が蛇の巨大な女神の神像がある。森の木々もどこかまがまがしく、森には「ブラッディーピクシー」という妖精も
炎のエフェクトに圧倒される神殿からスタートするオーク。街は堅実な作りで、高い文化レベルも感じさせる。中央には見上げきれない巨大な建物がある
寒々としたドワーフの村。鉱山の街で、レールが引かれている場所も。女性キャラと男性キャラのギャップが一番面白い種族だ



■スピーディーな戦闘システム

 初期キャラクタは各種族ごと、「戦士タイプ」か「魔法使いタイプ」のふたつの職業がある(ドワーフは戦士タイプのみ)。駆け出しの冒険者が体験できる戦闘はスピーディーで快適そのもの。まず戦うことになる野生動物はヒットポイントが低く、戦士の剣でも楽勝、魔法使いの攻撃魔法「ウインドストライク」なら一撃で倒せる。レベル5ぐらいまではサクサクと戦えるだろう。

 近接戦闘は対象を左クリックするだけで、キャラクタは近寄っていって攻撃を行なう。魔法の場合はあらかじめショートカットを登録しておき、対象を指定してからそれを押せばOKだ。戦士はレベル5になると「パワーストライク」というスキルを習得できる。MPを消費して強力な攻撃をたたき込むこの攻撃は爽快なもので、初期の戦士の「必殺技」でもある。

 魔法使いは7レベルになってはじめて他のキャラクタのHPを回復させるヒールが習得できるようになる。パーティープレイには必須の能力であり、このレベルあたりからいよいよMMORPGらしい戦いが楽しめるようになるわけだ。

 スキルは、戦闘で得ることができるSPを消費して習得するパターンとレベルアップによって得るパターンの2種類の習得方法がある。どのスキルもまんべんなく上げていくというのは初期キャラクタでは難しい印象で、いくつかのスキルを集中的に上げることで、自分なりのプレイスタイルにあったキャラクタを作ることになる。極端な話、ヒールを習得せず、攻撃に特化した魔法使いにすることも可能だ。

 ソロプレイにこだわることができるというのも本作の大きな特徴。フィールドのモンスターは、プレーヤーを見つけても自分から攻撃を行なわない「ノンアクティブ」な性格付けをされているものが多く、一体を全力で倒して、敵の真ん中でゆっくり休み、体力とMPの回復を待つ、ということができる。HP・MPの回復のペースは早く、ヒーリング時間が少ないのも、快適なシングルプレイを可能にしている。

 しかし、特に魔法使いはレベル5を越えたあたりからちょっと戦闘が大変になってくる。適性レベルの敵は、ウインドストライクの一撃で倒すことができず、戦いにちょっとした戦略が必要になってくる。さらに仲間が攻撃されていると一緒になって向かってくる敵も増えてくる。撃たれ弱い魔法使いにとって、2体以上の敵に接近されるのは死を意味する。魔法の詠唱には時間がかかり、敵の攻撃で詠唱がキャンセルされてしまうことも少なくないからだ。

 「リネージュ II」では死亡してしまうと、経験値が一定量減ってしまう上、装備品を落としてしまう場合がある。他の装備は持ったまま街の中心で復活するのだが、落とした装備を他のプレーヤーが拾うのには何のペナルティーもないため、そのまま誰かに取られてしまうこともある。

 街の中心での復活を選択せず、死体のそばに残って、アイテムを監視して拾った人を見つけたり、他のプレーヤーに確保を頼んだりもできるが、確実性に欠ける。高価なアイテムを身にまとうときは、ちょっと考えることも必要かもしれない。

 ところが、パーティープレイをすることで、びっくりするほど戦闘が楽になる。レベル10程度のキャラクタがいる狩り場なら、3人のキャラクタが助け合えば、かなり速いペースでつぎつぎと撃破することができるのだ。筆者は戦士2人+魔法使い、魔法使い2人+戦士、という組み合わせでやってみたのだが、MPの消費と敵への攻撃のバランスが良く、シングルプレイとは比べモノにならないペースで狩りをすることができた。

 ただし、過信は禁物で調子に乗って特攻し、全滅してしまうこともあった。パーティーで狩りをすると、一回の戦闘で得られる経験値、お金も減ってしまうので数をこなさなくてはいけない。「俺は総取りが良いんだ」というプレーヤーは、特に序盤のうちはソロでレベル上げをするのがいいかもしれない。

 各地域には初心者向けのダンジョンが用意されており、チャット画面はダンジョン攻略メンバーを募るメッセージが頻繁に流れている。ダンジョンの敵は強力で、さすがにシングルでは難しい。ここではじめてパーティーを組むというプレーヤーも多いだろう。

 敵も味方も攻撃力が強く、一回の戦闘にほとんど時間がかからないというのが本作の初級の戦闘だ。また、戦闘中逃亡をすると敵はいつまでも追っかけてくるという性質を利用して、仲間の周りをうまく逃げ回り、攻撃をしてもらうという戦闘も可能だった。各種族、各職業によって移動速度が違うのも本作の特徴で、特に足の速いダークエルフはこれを利用したアクション性の高い戦闘を行うことができそうだ。

【スクリーンショット】
装備によって劇的に見た目が変わるのが本作の大きな魅力。ただし、序盤のうちは装備品は大変高価なモノである。華麗な装備も多数登場するようだ
最初の敵となるネフティル。武器のモーションは各職業・種族ごとに実にさまざま レベルアップをすると、天空から光が降り注ぐ。パーティーメンバーから祝福を受ける ネフティルを4匹倒すと地図がもらえる。プレーヤーが体験する最初のクエストだ
街の中心にはゲームのガイドをしてくれるNPCがいる。さまざまな知識を教えてくれる、マニュアルいらずの親切システムだ 戦士に敵の攻撃を引き受けてもらい、魔法使いは攻撃魔法を唱える。ソロプレイも、マルチプレイも楽しいのが本作の魅力 ダークエルフの「忍者走り」。種族・職業によって移動速度が違うようで、これを利用した戦い方も今後生み出されていくことだろう



■冒険はまだ始まったばかり

 筆者はまだプレイをして3日目、レベルはようやくふた桁に達したばかりだが、コアなプレーヤーは既にレベルも20を越え、頻繁にダンジョンに繰り出したり、船に乗ってさまざまな場所を訪れているようだ。既にこの人間の島である場所を訪れているダークエルフや、ドワーフも見かけた。

 今のところプレーヤー達は、戦士と魔法使いというバランスの良いパーティーを組んで、戦士が壁になり、魔法使いが攻撃と回復を行なうというスタイルで戦っているようだ。この点、「エバークエスト」のように人気のある職業と、パーティーに入れなくて待ち続けてしまう職業があるのが気に掛かるが、今後増えてくるであろう、多くの専門職のキャラクタが組み合わさることで生まれる冒険は、今体験しているものとは全く別なものになっていきそうで、期待がふくらむ。

 なお、キャラクタはレベルが上がると、より専門的なスキルに特化したキャラクタに成長していく。まずレベル20になり、「試練」を受けることで、たとえば魔法使いは攻撃系と、回復系のいずれかの専門職に転職できるようだ。
 「血盟」と呼ばれるギルドの存在も気になるところ。本作がプレーヤーに提示している「ゲームの目的」は、この血盟を作り、他の血盟と争って、世界を支配するような大きな勢力を目指すことなのである。プレーヤー同士の対戦ができない昨今のゲームの流れとは、少し違うところに位置しているゲームなのだ。そして大勢力同士の「戦争」は城を奪い合う「攻城戦」として、ゲームの一大イベントとなる。

 韓国では12月にこの攻城戦イベントが予定されているという。正式サービスの始まった韓国では、既に50レベルを超えたキャラクタも多数いて、彼らの戦い、そして彼らの世界そのものもいま、筆者がプレイをしている世界とは全く違う感触のものだろう。

 MMORPGの特徴は、プレーヤーとメーカー側のそれぞれのアプローチによって、多用な変化を遂げることだ。11月6日よりスタートする一般向けクローズドβテスト、さらに正式サービスの開始によって、ゲーム世界はどのようになっていくだろうか。ひょっとしたら韓国とはプレーヤーが生み出す空気が全く違う世界となっていくかもしれない。

 βテストとはいえ、韓国では正式にサービスが行なわれているだけあって、システム的にも、ゲーム的にも充分楽しめるクオリティーを持った日本語版「リネージュII」。今回のレポートはほんの序盤である、今後より詳しい情報を伝えていければと思う。

【スクリーンショット】
魔法使い2人と戦士の3人パーティー。火力の高さが魅力。今のところ、フィールドでは3人グループの戦闘が有効のようだ 多くのプレーヤーが挑む「遺跡」とよばれる初級ダンジョン。まだ挑戦できるレベルではないが入ってみることに 強力な敵がうようよしていたため、入り口までしか入れなかった。奧にはいくつかの部屋があり、さらに強力なモンスターが多数いる
恋人を捜しているというエルフ。街にはさまざまなクエストをくれるNPCがいる GMが頻繁に姿を現わすのも本作の特徴。騎乗動物に乗っていて、なかなか魅せつけてくれる 島から出る定期便が止まる港。ここから出航できるのはいつになるだろうか

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【リネージュ II】
  • CPU:Pentium III 800MHz以上(Pentium4 1GHz以上を推奨)
  • メモリ:256MB以上(512MB以上を推奨)
  • HDD:インストール時:5GB以上の空き容量
  • ビデオカード:NVIDIA GeForce2以上の3Dカード
    (GeForce 4Ti、GeForceFX以上の3Dカードを推奨)


□NCジャパンのホームページ
http://www.ncjapan.co.jp
□「リネージュ II」の公式ページ
http://www.lineage2.jp/

(2003年11月5日)

[Reported by 勝田哲也]


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