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【東京ゲームショウ2003】TGS2003ブースレポート~ナムコ編 Part3~ |
会場:幕張メッセ
ナムコブースのメインステージでは、新作の紹介ステージが日に数回行なわれていた。単に映像だけでなく、開発スタッフ自らが作品の魅力について語るこれらのステージは、最後のプレゼントじゃんけん(時間の都合でそうでないときもある)大会がお得なことはもちろん、気になるゲームをわかりやすく紹介してくれる意味でもありがたい。
ざっとタイトルを見てみると、「R:Racing Evolution」、「タイムクライシス3」、「バテン・カイトス 終わらない翼と失われた海」、「熱チュー! プロ野球2003 秋のナイター祭り(熱チュー! 秋)」、「塊魂」といったところ。
ステージイベントというものは、ナムコに限らず、業者向けのビジネスデーと、一般公開日の27日、28日の内容が微妙に違ったりするあたりも面白い。対象がバイヤーやマスコミと、エンドユーザーとで違うのは当たり前だから、おのずと内容が変わるのだが、イベント自体がビジネスデーと一般公開日であったりなかったりするというのはもちろん、同じイベントでも、一般日にはプレゼントが増えたり、リップサービスも増量したりする。
それを知っているファンは、2日、もしくは3日(これは条件が合わないといけないが)同じイベントに顔を出す人もいる(実際、昨日お見かけした顔がいたなあ、なんて)。
■ 動きを見せないとわからないものもある---PS2、GC、Xbox「R:Racing Evolution」ステージ
「MotoGP」シリーズのプロデューサーでもある中村氏が手がけるナムコの新しい4輪レースゲーム、「R:Racing Evolution」。弊誌でも、「MotoGP」のグラフィックと「リッジレーサー」のマインドの融合、なんて記事を何度かお届けしているが、このゲームの魅力は、音声とビジュアル、そして新しいゲームシステムのブレンドにある。インタラクティブAIシステムと名づけられたそれは、なかなか静止画だけでは魅力が伝え切れていないところがあったりする。
そういう意味でも、このステージには非常に興味があった。登壇した中村氏やディレクターの寺本氏いわく、「通信でピットとドライバーがやり取りすることによって、ドライビングのアドバイスが得られたり、本来は聞けない“他のドライバーの無線”を流すことで、より“人と人とのドラマ”を再現している」とのこと。
たとえば、サイドバイサイドで競り合っている状態で、こちらがブレーキングをミスして隣のマシンに接触すると、「畜生!」と隣のドライバーが叫んだり、うまくコーナーアペックスにラインを乗せて脱出するまさにそのとき、ピットから「絶妙なコーナリングワークだ」と無線が入る。これは、「ACE COMBAT04 -shattered skies」でも見られた(聞いた?)システムだが、確かにほめられるとうれしいし、ぶつけられると思わずこちらも声を上げてしまう。
さらに、「プレッシャーバトル」システムによって、ひとりでプレイするこのゲームのメインとなる「CPUとのバトル」がよりゲーム性を帯びていることも、こういったステージで実際に動きを見てみることで、理解度は段違いだといえよう。
このシステムは、ドライバーそれぞれが持つ「プレッシャー=心のキャパシティー」をゲージで表したもの。背後に張り付き、バックミラーにこちらの姿を映しこむことでゲージを上昇させれば、相手がミスを起こしやすくなるというもの。このゲージの反応はドライバーごとに違う。同じマシンに乗っていても、いわゆる「打たれ強さ」は違うので、同じタイムで迫っても、このゲージの上がり具合、つまり感度は異なるのである。
こういった人間くささ……このゲージの動きの違いは、会場に足を運んだ人でないとわかりにくいし、さらに開発者自らのシステム採用の理由や思い入れを聞くことで、より理解を深めることができるという、TGSやイベントに足を運ぶ利点を端的に表しているひとつの例といえるだろう。
また、プレゼント大会の時、最終日のみ、自身が「MotoGP」のブラジルGPに取材に出かけたときに購入したTシャツをプレゼントした中村氏。こういったサプライズも楽しいが、さらに「『MotoGP』の取材に行ったということは……」と突っ込まれた中村氏は、「当然、何もしないのにブラジルまで行くわけはありません」と「MotoGP」シリーズの次回作の制作をにおわせる発言で返した。ファンにとっては朗報といえる発言だったろう。
これらのTシャツは、ゲーム大会の勝者には「WINNER」の文字が背面に入っているものがプレゼントされ、敗者に文字抜きのものがプレゼントされた | 最終日には「MotoGP」のブラジルGPの取材に行ったときに中村氏が購入したTシャツ3セットがプレゼントされた(これは最終日のみのスペシャル) |
■ チャンスがあればこういった機会に足を運んでみよう
話が長くなってしまったが、要はイベントにはイベントのよさがあり、雑誌や店頭デモなどだけではわからないこともある、ということ。東京ゲームショウだけでなく、試遊イベントなども一度は足を運んでみてはいかがだろうか?
「熱チュー! 秋」のプロデューサー、塩澤氏。今作のポイントである、締め切りぎりぎりまで調整された選手データについて解説 | |
「塊魂」の藤田プロデューサー。実際に車の下にもぐりこめるほどの大きさからスタートした「塊」が、やがて家や建物などを巻き込んでいく様を解説してくれた。体験版ではそこまではプレイできない |
(2003年9月28日)
[Reported by 佐伯憲司]
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