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【東京ゲームショウ2003】

ブースレポート ~ハドソン編+
広井王子氏や声優陣などゲスト盛りだくさん!
「北へ。~Diamond Dust~」スペシャルステージ

開催日:2003年9月28日

会場:幕張メッセ

【PS2「北へ。~Diamond Dust~」】

2003年10月30日 発売

価格:6,800円

 ブースレポートハドソン編は、ハドソンブースとCESAイベントステージで行なわれた「北へ。」のレポートからスタートする。


■ 多数のファンが詰め掛けたCESAステージ「北へ。」イベント

 前作「北へ。~White Illumination~」から4年、ついにプレイステーション 2「北へ。~Diamond Dust~」が10月30日に発売となる。それにあわせて、CESAイベントステージでイベントが行なわれた。イベント開始の15分前から席がほぼ埋まるほどの人の多さで、続編を長らく待ちわびたファンの多さが垣間見えた。

 イベントではまず、ゲームのオープニングムービーと、プロモーションムービーがスクリーンで上映された。

茜木鮮魚店の看板娘、茜木温子。元気というより、威勢のいい女の子 自主映画が高く評価され新人賞を総なめにした期待の星、朝比奈京子 金鉱堀で収入の少ない父を支えるために働く少女、原田明理
 
体が弱く療養中の少女、白石果鈴。趣味は童話を作ってホームページに載せること 日本人とフィンランド人のハーフ、北野スオミ。何故か心を閉ざしてしまっているらしい  
オープニングアニメーションの一部。結城信輝氏が作画監修を行なっている。テーマソングに乗って、生き生きとした動きを見せる

■ヒロイン役の声優トークショー

 プロモーション映像が終わると、ヒロイン役を演じる5人の声優陣が一人ずつステージに上がった。まずはトークからということで、アフレコでのエピソードや、演じたキャラクタの印象などについて、和気あいあいとした雰囲気でトークが進んだ。

 「北海道に行ったことはありますか?」という質問には、「ゲームの資料で四季の北海道の写真を見ましたが、とても行きたくなりました」という回答も聞かれた。今度はファンに対して「前作をプレイして北海道に行った方は?」と呼びかけると、これもかなりの人数だった。トラベルコミュニケーションというジャンルをうたう「北へ。」のゲームの趣旨が垣間見える一節だ。

ヒロイン役の5人の声優陣が登場。ステージにひとり上がるたびに会場は大盛り上がり 茜木温子役の石原絵理子さん。「掛け合い部分を(相手なしで)ひとりで演じるところが難しかった」 原田明理役の渡辺明乃さん。「気を抜くと声が低くなってやり直しになりました」
白石果鈴役の高橋裕子さん。「差し入れのお菓子が毎回増えていくんです」 朝比奈京子役の能登麻美子さん。「京子ちゃんは実はけっこうお茶目な一面もあります」 北野スオミ役の天瀬まゆさん「スオミちゃんは遊んでいくととても可愛くなっていきます」

 声優トークショーが終わると、次はゲームの紹介が行なわれた。

北海道の美しい風景が山盛り。旅をした気分にさせてくれるはず

 トラベルコミュニケーションというジャンルの通り、作中には背景画に北海道の実写写真がふんだんに使われている。これらはスタッフが北海道中を撮影して回ったもので、同じ場所でも昼間と夕方で別に撮影を行なったり、タイトルにもなっているダイヤモンドダストを待って撮ったりと、かなり力が入っている。総数は300枚を超えるとのことで、もはや北海道の美麗画像写真集とも言える内容だ。

 ゲームのシステム面では、会話割り込みシステム(C.B.S)に改良が加えられている。前作では割り込まないと気まずい雰囲気になるデメリットしかなかったが、今作ではそれが選択肢の一つとなり、別のストーリーに分岐することもある。会話のバリエーションが広がり、ストーリーに幅ができることが期待される。

 続けて、サウンドトラックCDの発売が発表された。オープニング主題歌はもちろん、キャラクタソングも収録される予定。また前作のキャラクタで編成されたユニット「Four Seasons」の新曲「とうきび畑でつかまえて」も収録された、ファン必聴のCDだ。発売日は11月26日の予定。


■広井王子氏と池毅氏のトークショー

「タイトルに2はつけたくなかった」広井氏
「歌は全部で10曲作りました」池氏

 今度はステージにテーブルとイスを置いて、原作・企画プロデューサーの広井王子氏と、音楽を担当した池毅氏のトークショーが行なわれた。こちらはかなりくだけた調子で、本題から何度も脱線しながらも、ゲーム制作の様々な裏話が聞けた。

 まずタイトル名の「北へ。~Diamond Dust~」について。「続編として同じ世界観でも、もっと他のいろいろな人、いろいろな女の子に会える。だから2とは付けたくなかった」と広井氏。サブタイトルの「Diamond Dust」については、「ダイヤモンドダストは北海道に行かないと見られないから、北海道を舞台としたゲームにちょうどいいと思った。ピュアな雰囲気もありますから」と意味深な部分を説明した。

 声優のオーディションは、丸2日かけて行なわれたとのこと。「歌心を見るために、初見で譜面を渡して歌ってもらいました」と、ハードな内容のオーディションだったことをうかがわせた。

 池氏がゲストということで、音楽についても話が膨らんだ。前作のオープニングテーマに「ランララン」というフレーズがあるのだが、これは池氏が「ここに何か歌詞を入れてほしい」という意味で書いたものだった。それを「インパクトがあっていいじゃないか」と広井氏がそのまま残した、という具合らしい。何気なく聴いていたテーマソングにも、意外なネタが隠されていたようだ。

 今作のテーマソングのタイトルは「なんとなく北へ。」に決まっている。初めて見た池氏は「そうきたか!」と驚いたらしいが、広井氏は「なんとなく北海道に行ってみようかな? という軽い気持ちで、なんとなく北へ、と書いたらうまくまとまった」のだそうだ。冗談のような話だが、それをオープニングテーマとしてしっかり完成させる辺りはさすがだ。

 また今作のために書き下ろされた歌は全部で10曲。作中のカーラジオでだけ聞けるレアなものもあるらしいので、ゲームプレイ中にはその辺りにも注目していただきたい。

 最後に「北へ。~Diamond Dust~」のアニメ化も発表された。SKY PerfecTV!のアニメ専門チャンネル AT-Xにて、2004年1月からスタート。全12話の予定となっている。この主題歌も現在制作中で、タイトルは未定。「出だしは決めたんです。ホップ・ステップ・ジャンプ」と広井氏。アニメの内容とともに、どのようなテーマソングができあがるのかも楽しみなところだ。


■ テーマソングライブステージ

「恋のダンシング」を歌う千葉さん
「北へ。」を歌う6人。ファンも一緒にフリやってます
初公開となった新曲「なんとなく北へ。」

 イベントの締めは声優陣が歌う3曲のライブ。1曲目は前作のヒロイン春野琴梨役、千葉紗子さんが登場。ソロで「恋のダンシング」を歌った。2曲目は前作のオープニングテーマ「北へ。」。歌の前に千葉さんがファンにフリの指導をするサービスもあり、盛り上がったところで新作の声優陣5人も登場。6人で「北へ。」を熱唱した。

 最後となる3曲目は、新作のオープニングテーマ「なんとなく北へ。」を初披露。フルコーラス版はゲームに収録されておらず、会場にいなかった人はサウンドトラックの発売まで耳にできないというレアな1曲。こちらは千葉さんが退場し、新作の声優陣5人でのステージとなった。石原さんのマイクが不調で音が出ず、やや残念ではあったが、ゲームのイメージを強く反映した、ラップ調も加わったポップな1曲だった。

 イベントの締めには広井氏が、「次回のライブは(前作と新作の)合同で」と宣言してくれた。これには会場のファンも大喜び。今回のイベントを逃した方も、次を期待して待っていてほしい。


■ ブースレポート

・「天外魔境II」、「III」

 期待の新作として注目を集めている「天外魔境II」。ニンテンドーゲームキューブ版はすでに発売中だが、今回は発売が来週に迫っているプレイステーション 2版を100%の状態でプレイすることができた。

 本作はPCエンジンのスーパーCD-ROM2で発売され、好評を博したRPGのリメイク。勿論、リメイクにあたって2Dだったグラフィックが一部3D化されていたり、RPG初心者には厳しかった難易度や、敵のエンカウント率が下げられているうれしい変更点もある。

 しかしながら、純和風テイストな世界観のせいか、3Dにリメイクされたグラフィックには個人的に若干の違和感を覚えた。筆者はPCエンジン版当時の「天外魔境II」の体験があるからかもしれないが、現在でも通用するシステムが基盤として存在する以上、本作の3D化は世界観とマッチしていない印象を受けた。

 とはいえ、「ゲーム」では考えられないほどの豪華声優陣を起用していたり、音楽はスタジオジブリの映画などで有名な久石 譲氏が担当するなど、注目するべき所は多い。未体験の方ならば、この機にいかがだろうか?

 また、一時は開発が中断され、再開を心待ちにしていたファンも多いであろう「天外魔境III」の映像が出展されていた。こちらは発売日未定となっており、まだ完成度も低いとのことだが、開発が再開された以上、発売日を気長に待ちたいものだ。

・「ドリームミックスTV ワールドファイターズ」

 ハドソンのキャラが勢揃いして繰り広げられる対戦型アクションバトル、それが「ドリームミックスTV ワールドファイターズ」だ。この作品は、コナミブースにも展示されていたことからおわかりいただけると思うが、開発、発売元は共にハドソンだが、「リカちゃん」、「パワプロ君」などのタカラ、コナミのキャラクタも出演。これはファンにとってはうれしい仕様だろう。

 基本的には、4人のプレーヤーがキャラクタに因んだステージで格闘戦を行なうといった感じだ。プレーヤーが4人そろわない場合は、もちろんCPUキャラが参加することになる。この時、相手の強さを設定できるので、格闘モノやアクションが苦手なプレーヤーでも安心して楽しむことができるだろう。

 ルールは至って簡単。プレーヤーはゲーム開始時に決められたライフ(画面の下部にバーが表示されている)があり、これが「empty」まで下降してしまうと負けになる。しかし、「empty」になった瞬間に負けになるわけではなく、そのプレーヤーの「魂」が画面上部から降ってくるのだ。これを他のプレーヤーに取られてしまうと本当に負けになるのだが、逆に自分で取り返すことによって、僅かだがライフが回復した状態でバトルに復帰することができる。

 また会場でプレイできたバージョンでは普通の打撃と投げぐらいのアクションしか存在しなかったのだが、現在開発中のバージョンでは必殺技の追加も検討中とのことだ。コマンド型の必殺技はゲームの敷居を上げてしまう危険性があるものの、ゲームに深みを与えるためにはこの手の対戦アクションは必須だと言えるので、難しいところだ。

 友達と賑やかに遊ぶゲームとしてはうってつけといえる「ワールドファイターズ」。多人数プレイが好きなプレーヤーならば買って損をすることはないはずだ。

・「桃太郎電鉄12」

 人気ボードゲーム「桃太郎電鉄」も遂に12作目となる。ゲームシステムは全く変わっておらず、サイコロを振り目的地を目指しながら、最後の年の決算時に最も資産が多かったプレーヤーの勝利となる。今回は前作の「九州編」に加え、「西日本編」が収録されている。これには「全国編」では登場しない新キャラや物件駅、目的地が用意されている。

 また、シリーズの続編が発売されるたびに新キャラクタが追加される「桃鉄シリーズ」だが、本作では「大阪のおばちゃん」、「ハリケーンボンビー」の2キャラが追加された。「大阪のおばちゃん」は「西日本編」限定の登場となっていて「ハリケーンボンビー」は毎度お馴染み「ボンビー」の最終バージョンだ。それぞれの詳しい悪行に関してはゲームをプレイしてからのお楽しみとしておこう。

 先に紹介している「ワールドファイターズ」と共にパーティプレイに最適の一品なので、シリーズのファンでなくとも、たまには友人と卓を囲んで「桃鉄」な年末もいいかもしれない。

(C)1999,2003 HUDSON SOFT/RED

□ハドソンのホームページ
http://www.hudson.co.jp/
□「北へ。」公式サイト
http://www.kita-he.com/
□東京ゲームショウのホームページ
http://www.cesa.or.jp/tgs/
□関連情報
【2002年9月24日】東京ゲームショウ2002、記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020924/tgslink.htm
【9月25日】「東京ゲームショウ2003」各社の出展ブース情報一覧
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030925/tgs2003.htm

(2003年9月28日)

[Reported by 石田賀津男 / 林 智加良]


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