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【東京ゲームショウ2003】スクウェア・エニックス、PS2「キングダムハーツII」 |
「FINAL FANTASY VII -ADVENT CHILDREN-」の映像は会場で数分のムービーが公開されたが、残念ながら公開禁止で公開できるのはここまで |
「キングダムハーツ」は、ディズニーのキャラクタとスクウェアのキャラクタが登場したゲームとして日本だけでなく世界中で大ヒットした作品。今回の発表では、国内130万本、海外200万本というセールスを記録しているという。和田洋一スクウェア・エニックス代表取締役社長は「この20年でゲームは市民権を得た。そして映像表現として発展してきたが、世界中誰でも知っているディズニーの世界と融合することで、さらに多くの人にゲームならではの楽しさを知ってもらいたい」とコメント。世界中でヒットした要因については「ディズニーが世界中で愛されているように、遊びの原点は世界共通だから世界中でヒットした」と分析している。
プラットフォームがゲームボーイアドバンスとなる「キングダムハーツ チェインオブメモリーズ」は、前作の終わりからゲームはスタートする。会場では橋本真司氏がムービーを紹介するときに「冒頭に美しいムービーが流れるが、これは紹介ムービーではなく本当にGBAで流れる映像です」と説明した上で映像が流れ始めたが、それでも「ウソだろう!」と思わずにはいられない映像が流された。はっきり言ってプレイステーション 2と変わらない鮮やかさで、“本当”にこれがGBAで流れるのであれば驚異的だ。開発初期のものということでここでは紹介できないが、驚きなくして観ることはできないだろう。
同時にゲーム画面も若干ながら公開された。2Dアクションが大きな要素を占めるようだが、詳しい説明はされていないため、具体的にはわからない。ただ、こちらも先日発売された「新約・聖剣伝説」でみせたグラフィックスの美しさを継承しており、キャラクタのアップ画面なども再現度は高い。
「キングダムハーツII」はプレイステーション 2でリリースされ、前作で明かされなかった謎を解き明かしていくことになるという。前作のエンディング後に流れたシークレットムービーで登場した黒いコートの男が大きな鍵を握ることになるという (これはチェインオブメモリーズでも言えることだとか) 。ムービーでは黄金の鍵を持つミッキーマウス (?) も登場するなど、相変わらずオールスターキャストとなるようだ。前作同様、ディズニー、スクウェアのキャラクタ、そしてオリジナルキャラクタで構成され、新キャラクタも多数登場するという。ムービーではモーフィングするかのような動きを見せる敵キャラなど印象的だった。
ホッパー氏は「前作が成功し、和田社長と私とで更なるアイディアがあるか野村氏の所に聞きに行ったが、、野村氏の方からたくさんのアイディアが出たので2作品となった」と説明。ディズニーとスクウェアではかなりのやり取りが行なわれているというが、「最終的なディレクションの判断は、クリエイターである野村氏の判断 (橋本氏) 」で制作が開始された。「キングダムハーツ チェインオブメモリーズ」など見た限りではかなりの進行度のように見受けられたが、2004年発売予定で、「キングダムハーツII」に至ってはまだ制作初期段階ということで発売未定となっている。
そして第2部で公開されたのはゲームではない、映像作品「FINAL FANTASY VII -ADVENT CHILDREN-」。発表会に参加した北瀬佳範氏は制作に至る経緯として「ビジュアルセクションを担当している人達を話しているときに、『映像作品として勝負したい』といった声が聞こえてきた。初めは過去の映像を使って軽くつくろうと思っていたのだが、どうせなら、初めての3D映像を実現した『FINAL FANTASY VII』で映像作品をやろうと思った。単なるリメイクではないのは、ユーザーの中でも人気があって、クラウドなどのその後を知りたいという話もあるから」だという。
現状公開形態などなにも決まっていないという。会場で公開された映像も大変美しいものだったが、開発初期段階のものであるという。完成は2004年夏で、DVDなどでの販売が中心となるようだ。ただ、和田社長は「映画やDVDなどでは留まらない、デジタルコンテンツの強みを活かし、映像配信など色々な手段で公開したい」とコメントしている。なお、現状では約60分程度の作品に仕上がりそうだという。
会場からは「以前失敗した映画とはどう違うのか?」といった厳しい質問が飛んだが、これに対して和田社長は「経験というものがあり、同じ轍は踏まない。制作費はかなりかけており、『FINAL FANTASY VII』制作スタッフを集め、すべて社内で制作している」とコメント。さらに「スクウェア・ピクチャーズは解散しているが、その時の人的資源や技術は役立っている。多様なメディアに展開していくことで経営に寄与してくれる」と自信たっぷりに続けた。また、和田社長は「クラウドが携帯電話を使うシーンがあるのだが、そこに先日発表したFOMAの次世代携帯をあざとく入れるなどしていきたい」とも語った。
一方で制作を担当している野村氏は「やりたいことはいっぱいある。クラウドもイメージが変わっているように見えると思う。今回のモデルは『FINAL FANTASY X』よりはデフォルメされているが、リアルに見えると思う。これは特徴を残してデフォルメして質感にこだわっているから」とコメント。渋い色合いのグラフィックスだが、対決シーンなど熱い何かが伝わってくるムービーだった。
(2003年9月26日)
[Reported by 船津稔]
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