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Xbox事業本部ジェネラルマネージャに |
会場:都ホテル東京
Xbox事業本部ジェネラルマネージャに10月1日付けで就任する丸山嘉浩氏。米国SQUARE SOFT,Inc.の上級副社長兼COOとして活躍した |
丸山氏は、株式会社スクウェア(現:株式会社スクウェア・エニックス)の米国子会社であるSQUARE SOFT,INC.(現:SQURE ENIX U.S.A.,INC.)の上級副社長兼最高執行責任者(COO)、および株式会社ディーワンダーランド(旧:株式会社ティーアンドイーソフト)の取締役を歴任。そして今回、日本におけるXboxの最高責任者としてその手腕を奮うこととなる。
また、これまで暫定的にXbox事業本部ジェネラルマネージャを務めてきたPar Singh氏が、米国Microsoftホーム&エンターテインメントディビジョンの、日本とヨーロッパを担当するアドバンストプランニングディレクターに任命され、さらにマイクロソフト株式会社Xbox事業本部のマーケティング本部長として、SEGA OF AMERICAのマーケティング担当副社長を務めていたMike Fischer氏が就任したことも合わせて発表された。
丸山氏は会見において、「マイクロソフトのXboxチームは、ゲーマーに楽しいインタラクティブエンタテインメントを提供することこそが、ゲーム事業を成功させるカギであるという確固たる認識を持ち、日本のゲーム会社と緊密に連携し、日本はもとより、海外市場に向けても日本の質の高いゲームをXboxを通じて広めていきたい」との考えを示した。また、海外で発売されているXbox対応ゲームの中に、日本市場でも受け入れられる良質のゲームが増えてきていることを踏まえ、日本でも「ワールド・コレクション」シリーズや「プラチナ・ヒット」シリーズなどの新ラインナップを導入し、それら海外ゲームを日本市場に投入していくことや、カジュアルゲーマーにも楽しめるような、簡単なオンラインゲームを投入することなども合わせて表明した。
ただ、東京ゲームショウ2003前日ということもあってか、丸山氏も含め、人事以外の目新しい内容の発言はほとんどなかった。丸山氏の言うワールド・コレクションやプラチナ・ヒットシリーズの投入は、すでに7月24日に行なわれたXbox Conference 2003 Summerで発表されているものであり、Xbox Liveを重視した戦略という点も、これまでに何度となく語られてきたことである。
同じくXbox事業本部マーケティング本部長に就任したMike Fischer氏。SEGA OF AMERICAのマーケティング担当副社長を務めていた |
唯一興味深い内容だったのは、Q&Aセッションにおいて、丸山氏がマイクロソフトに入社することによって、スクウェア・エニックスのタイトルがXbox向けとして投入される可能性が上がるのかどうか、という質問に対しての丸山氏の解答だ。丸山氏の解答を要約すると以下のようなものである。
スクウェア・エニックスのタイトルがXboxに投入されるのは望ましいことであると考えているし、そういった方向で結果が出るように、これまでも努力してきたし、今後も努力していくことになるだろう。ただ、実際に出るかどうかに関しては、Xboxというプラットフォームを正しく理解していただき、ゲームを出すことでどれだけメリットを見いだしてもらえるか、ということにかかっていると思っている。過去にどのような話し合いがありどのような経緯があったかはよく分からないが、説明不足などによってXboxを十分に理解して頂けなかったケースがあったかもしれない。しっかりとした説明を行ない、Xboxを十分に理解してもらうことが私の使命である。
この内容をそのまま理解すると、マイクロソフトは過去にもスクウェア・エニックスと話し合いを持ってきたものの、スクウェア・エニックスはXboxに対するソフトの供給を積極的には考えていない。しかし、マイクロソフトは今後もソフトを出してもらえるようにねばり強く話し合いを持つ、といった感じだろうか。つまり、丸山氏が就任したからといって、スクウェア・エニックスとの関係がすぐに好転するわけではない、と考えていいだろう。
とはいっても、丸山氏がスクウェア・エニックスと太いパイプを持っていることは疑いのない事実であり、将来あっと驚くような内容の発表がなされる可能性も否定はできないだろう。とにかく、大手ゲームソフトメーカーのCOOとして活躍してきた丸山氏の加入によって、日本におけるXboxの現状が、いい方向で打開できることを期待したい。
(2003年9月25日)
[Reported by 平澤寿康]
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