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“ドラクエ”、“ファイナルファンタジー”がFOMA次期モデルに登場 |
ムービー最後にも公開された「ファイナルファンタジーVII」のクラウド。これもすでに現行の携帯でポリゴンが動作するという |
株式会社スクウェア・エニックスと株式会社NTTドコモは9月25日、来年初めに発売が予定されているFOMA次期モデルに実装されるiアプリに対応した「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」を制作中であることを発表した。会場ではプレイアブル版も展示され、開発が順調であることをアピールした。
FOMA版「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」は完全移植版だが、発表会に出席した和田洋一スクウェア・エニックス代表取締役社長は「操作性のストレスのなさ、画面のクリアさなどを見てもらえればわかると思うが、全く新しいゲームとして楽しめるよう制作している」とし、「(FOMA次期モデル対応iアプリの性能が) 『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』を作ることができるスペックになった」と続けた。
和田社長は看板タイトルを携帯電話に移植する経緯について「ずっといっしょにやりたいと考えていたが、技術面などの諸問題があり実現しなかった」と冒頭に発言。ゲームを表現できる必要条件を満たすところまで携帯が進化したと語り、「今回の発表は携帯ゲーム機への開戦宣言だ」とまで言い切り、FOMAの性能を褒め称えた。
気になる「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」のリリース時期やコンテンツ利用料金、パケット料金については「ビジネススキームについては未定 (和田社長)」と明らかにしなかった。ただ、開発は順調ということで、FOMA次期モデルのリリース時期とされる“来年初頭”に同時リリースすることも可能だとしている。
さらに会場で流されたスクウェア・エニックスの紹介ムービーの最後には、プレイステーションの「ファイナルファンタジーVII」のクラウドが剣を振るう映像が流された。この件について和田社長は「すでに現行機種でこの3Dグラフィックスを動かすことは可能」とし、「実際に移植するかどうかはわからないが、『ファイナルファンタジー』の2作目や3作目を移植することは技術的になんの問題もない。しかし我々の力点としては、今回の件はあくまでもスタートで、移植ばかりではなくコミュニケーション能力やネットワークなど携帯電話ならではの新しいゲームを投入したい」と前向きなコメントを残した。
会場では505iをベースとした機種上で動作するプレイアブル版が出展されたが、グラフィックスも美しく文字もクリアに表示されていた。「ドラゴンクエスト」の戦闘シーンの効果が若干重く感じたが、展示機種に比べ「倍以上 (夏野氏)」と言われる性能を持つFOMA次期モデル対応iモードにおいては更なる向上が見込まれる。バッテリもかなり改善され505iシリーズ相当になるという。
夏野氏の携帯電話メーカーからの見方として面白いコメントがあった。それはユーザーの“ニッチタイム”。「携帯電話でゲームをするシチュエーションをどのようにとらえているか?」という質問に対し夏野氏は、「iモードでゲームをプレイするのはすでに日常的なこと」とし、「電車の待ち時間や、つまらない会議の合間などちょっとした隙間時間 (ニッチタイム) は、テレビの前でじっくり腰を落ち着けてゲームをプレイする時間に匹敵する」とし、それゆえゲームコンテンツの重要性を語った。
すべてが携帯電話に集約されつつある現在、グラフィックスや処理的にはすでに現行携帯ゲーム機に肩を並べたと言っても良いだろう。ただ、インターフェイス (コントロール) についてはゲーム機に敵うべくもない。そういった意味でも“携帯電話らしい”ゲームが登場して欲しいものである。和田社長の言うように、すでに機能的には充分な要素は実現されているのだから。なお、明日から開催される東京ゲームショウ2003のNTTドコモブースにおいてオートデモが展示される。
【ドラゴンクエスト】 | ||
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【ファイナルファンタジー】 | ||
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(2003年9月25日)
[Reported by 船津稔]
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