World Cyber Games 2003運営事務局は、9月21日、Necca秋葉原にて「Age of Mythology」の準決勝大会を開催した。試合は2本先取の総当たり戦にて行なわれ、HALEN選手(2戦全勝)とFird選手(1勝1敗)が見事韓国行きの切符を手にした。両者は9月28日に東京ゲームショウメインブースにおいて再度日本一の座を争うことになる。

挨拶を行なうマイクロソフトの風間 彩氏

試合中のHALEN氏。キーボード、マウスとも持ち込み

　大会ではまず、WCG2003日本チームのスポンサーを務めるマイクロソフトを代表し、「Age of Mythology」のプロダクトマネージャーを務める風間氏が挨拶を行なった。同氏は、「今大会は、昨年の『Age of Empires II: The Conquerors Expansion』の日本予選と比較して2倍以上の参加募集があり、まだまだシングルプレイモードのみをプレイしているユーザーも多い中、WCGの盛り上がりを感じている」とコメント。続いて選手を激励したあと、同事務局の長崎氏を公式審判に試合が開始された。

　準決勝の見所は、WCG2002で世界チャンピオンになったHALEN氏のプレイ。4人の選手は横一列に並べられたPCで試合を行なったため、ギャラリー席からは選手全員のモニタの動きを同時に把握することができるのだが、彼だけはモニタの映像からして明らかに異なっていた。

　具体的には、視点操作にマウスを使ったスライド移動をほとんど使わず、キーボードショートカットのみで行なっている。このため彼の画面は、常にババババと数秒単位で視点が切り替わる感じで、彼がいま何を考えているのか非常に汲み取りづらい。リアルタイムストラテジーといえば、マウスで操作するゲームというイメージがあるが、究極を突き詰めるとキーボード主体の操作になるのだろう。

　結局、HALEN選手は、まったく危なげのない試合展開で2戦全勝を果たし、韓国行きを決め、もうひとりはFird選手が3戦目でNekokan選手を下し、2勝1敗で決勝にコマを進めた。ちなみにHALEN選手は、1戦目は攻城兵器と歩兵で押し切るオーソドックススタイルで勝利し、2戦目は象を多用する力攻スタイルで完勝した。使用勢力はいずれもイシス。

　「Age of Mythology」といえば、いまなおセト全盛だが、なぜイシスなのか聞いてみたところ、「(韓国や台湾の)ライバルにリプレイデータを見られて、対策を練られてしまうので(日本予選では)使いません」とのこと。すでに本戦を見据えて日本予選を戦っているところが頼もしい。準決勝の全試合はリプレイデータが公式サイトで公開されているので、一度見てみると良いだろう。

　続いて、本戦への意気込みを聞いたところ、「自分も相手も全員セトになる。ライバルは台湾に3人、韓国に1人。対戦で彼らには負けたことはないので、その意味では私が有利。ただし、現状、セトは間違いなく最強だが、動物の配置で勝負が決まる運の要素もあるので、優勝できるかどうかはわからない」と慎重な意見。

　風間氏による閉会の挨拶では、28日の決勝大会では米国開発元(Ensemble Studios)からビッグゲストが激励に駆けつける予定であることを明らかにした。また、当日は、北米で9月30日に発売される「Age of Mythology: The Titans」がお披露目されるという噂もある。28日の決勝大会が楽しみだ。

授賞式の様子。右の記念写真は左からFird選手、HALEN選手、UDN選手、Nekokan選手

□WCG2003日本予選のホームページ
http://www.acegamer.net/wcg/2003/
□関連情報
【9月18日】「Age of Mythology」WCG2003日本予選準決勝を9月21日に実施
勝者2名が韓国ソウルのグランドファイナルに出場
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030918/wcg.htm
【8月7日】「World Cyber Games 2003」日本予選の開催が決定
決勝戦は東京ゲームショウのメインステージにて実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030807/wcg2003.htm

(2003年9月19日)

[Reported by 中村聖司]

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