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「Judge Dredd: Dredd versus Death」プレビュー |
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会場:Asia Civilization Museum
「Judge Dredd: Dredd versus Death」を制作しているRebellion Softwareは、英国を本拠にした比較的新しいデベロッパーだ。PCタイトルでは「Aliens vs. Predator」、そのほかに「Rainbow Six」や「Delta Force」といったアクションタイトルのコンソールへの移植作業などを行なってきている。
「Judge Dredd: Dredd versus Death」は、英国の人気コミックの世界観をそのままゲーム化したアクションシューティング。日本でも'95年に同名の映画が公開されているので、名前を聞いてピンと来た人も多いだろう。映画版「Judge Dredd」はあくまで外伝的エピソードで、ゲームとは直接関係ない。ゲーム版「Judge Dredd」は、コミックの痛快なシナリオをそのままゲーム化したものだ。コミック版のキャラクタも総出演するということで、欧米では高い注目を集めているアクションシューティングだ。
■ 法の番人Judge Dreddを操り、違法行為を取り締まれ!!
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基本は注意を呼びかけてその場で逮捕。アクションキーを押せば刑が確定する |
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戦闘になっても降伏させるのが正しいやり方だ |
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メガシティは5億人もの人口を抱える超巨大都市だ |
そこで街の治安を守るために武装した治安維持部隊「Judge」が設立され、彼らに街で犯罪を犯したものに対して、その場で逮捕、判決、執行を行なう権限が与えられる。プレーヤーの分身であるJudge Dreddは、中でも特に厳しい刑罰を科す「Judge」のひとりとして市民から恐れられている。プレーヤーはそうしたバックグラウンドのもと、敏腕の「Judge」のひとりとしてびしばし犯罪を取り締まっていくわけである。
ところで、なぜ市民が「Judge」を恐れているのかというと、先述したように大前提として社会秩序が崩壊してしまっているにも関わらず、厳しい法律をそのまま施行しているため、メガシティの市民は何かしらの犯罪を犯しつつ生活を送っているという、ゆがんだ構図になっているためである。
たとえば、デモ行動や壁への落書き、喫煙なども犯罪で、即座に取り締まることができる。これらの微罪は、注意を勧告することにより、市民はその場にしゃがみ込んで手を後ろに回して恭順の意を示してくれる。あとはアクションキーで手錠をかければ任務終了となる。彼の名前と犯した犯罪、および瞬時に決定された刑罰がテキスト表示される。これがなかなか気持ちいい。
ただし、決定した刑罰以上の罰を施行することはできない。たとえば、壁にスプレーで落書きしている市民をいきなり撃ち殺してしまうと、Lawメーターが一気に下がってしまう。Lawメーターは取り締まりの適用具合を表したもので、ルールどおりに取り締まりを続けると少しずつ上がり、逆に器物を破損したり、軽犯罪者や味方を撃ったりすると下がってしまう。
LawメーターがゼロになるとJudge Dredd自身が犯罪者となり、ミッションは自動的に失敗となるだけでなく、他の「Judge」からバンバン撃たれてゲームオーバーになってしまう。法の番人だからといって必ずしも好き勝手に行動できないところに同作のおもしろさがある。
■ 優れたコンピュータAIと、ユニークなゲーム性
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街では突然銃撃戦が始まるので、いつでも戦える心構えが必要だ |
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基本的に人間は必ず恭順させることが可能だ。いろいろ試してみよう |
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人間タイプの犯罪者にもさまざまなタイプが存在する。これは違うタイプ同士の抗争なのか!? |
たとえば、注意を呼びかけると、恭順の意を示すどころか、一斉に散開して銃撃戦になることもある。この場合は、射殺してもOKで、これまでの水戸黄門的プレイから、一転して激しいFPSスタイルに変わる。注意を呼びかけてから銃撃に入るまではまさに一瞬で、油断していると集中砲火を浴びて一瞬でやられてしまう。かといって、注意を呼びかけずに射撃するとLawメーターが下がってしまうし、注意を呼びかけてすぐ射撃すると、実は手を挙げるところだったりして、なかなか難しい。
また、銃撃戦になっても、撃ち殺すのは最善の解決策ではなく、あくまで無傷のまま逮捕することが求められる。やり方としては、銃器で殴って戦闘能力を失わせたり、頭数を減らして降伏に追い込んだり、もっともテクニカルな方法としては、銃を持った手を撃って、武器を落とし、戦闘意欲を失わせるというものがある。
もちろん、全員撃ち殺してもステージクリアは可能だが、プレーヤーに繰り返しプレイの意欲を沸かせるやり込み的要素をふんだんに盛り込んでいるところに英国産らしいつくりのうまさが伺える。ちなみに銃を落とされた敵は、必ず降伏するかというとそうでもなく、別の銃を拾いにいったり、一時撤退したりなど、さまざまな行動を採る。
またステージ中盤以降は、闇雲に襲いかかってくるヴァンパイアも登場するようになる。ヴァンパイアは無差別に殺してもかまわないが、当然、ヴァンパイアから逃げる市民もいたりするわけで、乱射しているといつのまにか自分が犯罪者になってしまう。中にはスタート直後からヴァンパイアだらけで、「The House of The Dead」を彷彿とさせるシナリオも用意されていた。
なお、先ほどステージは基本的に1本道と書いたが、都市が舞台なので半迷路状態になっており、戦闘が続くと自分の位置がわからなくなってしまう。こういう場合は、自動的に自分の行くべき地点を距離計と共に指し示してくれる。広大なレベルを舞台にしたFPSではこの機能はまさに必要不可欠なものといえる。
【Judge Dredd: Dredd versus Death】 | ||
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中盤以降のJudge Dreddの主要な相手となるヴァンパイア。ヴァンパイアに対しては、炸裂弾や火炎弾が有効。なぜヴァンパイアが街に出没するようになったのか。その鍵はJudge Deathが握っているようだ |
■ 技ありのアニメーションとボリュームたっぷりのマルチプレイモード
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マルチプレイモード。ヴァンパイアが銃を持っている |
それでもなおゲーム世界に引き込む魅力を感じさせてくれるのは、キャラクタのアニメーションを中心とした演出面がうまいからだろう。銃で撃たれたときの演出ひとつとっても、吹き飛んだり、倒れ込んだり、逃げ出したり、炎に包まれもがき苦しんだりと、実に多彩でユニークだ。
手を撃てば手に持った銃を落とすという趣向が盛り込まれていることからもわかるようにダメージマッピングも実に細かく設定されている。一般的な頭部とボディの2点だけでなく、頭部、両手、両足、ボディの5カ所以上にあるようで、当たり位置によって敵の反応が異なる。遊び込むほどによく作り込まれているゲームであることを実感させられた。
さて、同作のマルチプレイモードは、ジャッジと犯罪者、ヴァンパイアと3つのキャラクタパターンによる3つどもえのバトルとなっている。その上に、多種多様な60種類ものスキンが用意され、プレーヤーごとに個性的な装いでマルチプレイに参加することができる。
対戦モードはデスマッチ、チームデスマッチなど5つ用意され、スコア制、タイム制、ワンショットキルの有無、初期時の銃器の有無といったオプションが豊富に用意されている。専用マップは12枚用意。さらにコンソール版では画面分割式のマルチプレイもサポートする。
この充実したマルチプレイモードは、英Eidosの大ヒットアクションシューティング「Time Splitters」シリーズの存在を強く意識したものだろう。純粋にPC向けアクションシューティングとして見るとグラフィックの部分に物足りない要素は残るが、ゲーム性はユニークで、つくりも丁寧だ。北米での発売時期は11月。発売が楽しみなタイトルだ。
【Judge Dredd: Dredd versus Death】 | ||
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ゲームに登場するキャラクタ総出演といった感じのマルチプレイモード。お気に入りのキャラクタでプレイできるのが魅力だ |
□Vivendi Universal Gamesのホームページ
http://www.vugames.com/
□「Judge Dredd: Dredd versus Death」のホームページ
http://judgedredd.vu-games.com/
(2003年9月17日)
[Reported by 中村聖司]
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