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European Computer Trade Show 2003現地レポート

Electoronic ArtsがN-Gageへのタイトル供給を決定
10月7日の世界的ローンチに向けて加速するN-Gage

8月27日~29日まで開催(現地時間)

会場:London Earls Court

 携帯電話メーカーであるNokiaが開発する、携帯電話を内蔵する携帯ゲーム機「N-Gage」の発売が近づいてきた。まさに直前とも言えるこのECTS 2003でもNokiaは展示ホールにブースを構えて、N-Gageそして対応タイトルのPRに余念がない。

 ECTS初日に、Nokiaはプレス関係者を集めて主に英国での展開に関するブリーフィングとQ&Aセッションを行なった。この席で、英国におけるN-Gageのおおよその市場予想価格も明らかにされ、本体は220~230ポンド(日本円換算で約42,000円程度)、ソフトは20~40ポンド(3800円~7600円程度)と発表されている。E3取材時における米国での市場予想価格である本体予想価格229ドル、ソフトの30~40ドルという数字に比べてかなり割高という感はあるが、ここ英国ではゲーム機や携帯電話などは贅沢品として扱われており、高めの価格が設定されることになる。

 こうした状況は既存のゲーム機であるプレイステーション 2やXbox、ゲームボーイアドバンスなどでも同様で、特にN-Gageに限って高く設定されているわけではない。それでもやはり違和感はあるのか、母国から訪れた同社のマネージャーは、当初220~230ユーロとコメントしてしまい(EU諸国では差こそあれ、ほぼこの程度)、あわてて通貨を訂正する一幕もあった。おおまかな見方ではあるが、日本の経済状況や同種の製品を考慮して考えると、我々が“3万円前後の製品”として認識したり、購入を検討したりするレベルととらえるのが適当だろう。

 全世界一斉というN-Gageのローンチは10月7日。もちろんこのなかに日本は含まれていない。しかしそれでも全世界、世界的という表現が使われるのは、携帯電話機能がほぼ世界中で利用できるGSMの3帯域(900/1800/1900およびGPRS)をサポートしているからだ。つまりこれらGSM携帯が利用できる国からであれば、N-Gageを使って通話をするのはもちろん、オンラインゲームのポータルサイト「N-Gage ARENA」にアクセスしてゲームを楽しんだり、ランキングや追加データを参照したりすることが可能になるというわけである。ちなみに日本は韓国とともにGSM携帯の利用できない主要国のひとつ。NOKIAの日本法人もN-Gageの国内販売に関しては検討中という以上のコメントを出してはいないが、9月に幕張メッセで開催される東京ゲームショウではNOKIAによるブース出展が行なわれる模様だ。

オレンジ色を基調にしたNOKIAのブースは明るいイメージ。ローンチタイトルの10作品に加え「Tom Clancy's Sprinter Cell」などがプレイできた。後日発売される注目タイトルの「Pathway to Glory」は映像による出展 N-Gageにタイトルを供給するパブリッシャー各社。今回タイトル名こそ具体的にあげられなかったが、Electronic Artsの参入が決定。EA Games、EA Sportsの両ブランドからそれぞれタイトルが年末のクリスマスシーズンにあわせて投入されるという プレスブリーフィングの席で「Tom Crancy's Sprinter Cell」をN-GageのBluetooth機能を使って協力プレイしてみせるGameloftのスタッフ。N-Gage ARENAを使うのとは別の方法、それぞれに声を掛け合いながら身近にいるユーザー同士での同時プレイの様子を披露してみせた

 N-Gageは携帯電話そしてゲーム機のふたつの顔を持つため、流通ルートもいわゆる携帯電話販売店と、ゲームショップの2通りで行なわれるという。GSM携帯の場合、利用するキャリアの情報や電話番号はSIMと呼ばれるチップに書き込まれ取り付けや取り外しが可能なため、携帯電話本体と、利用するキャリアとの契約を別に行なうこともできる。そのため、電話番号入りのN-Gage本体がキャリアの販売店などで販売される一方、場合によっては番号なしの本体がゲーム販売店店頭などに並ぶことになるわけだ。

 こうした場合でもキャリアと契約してSIMカードを取り付ければ、携帯電話機として利用することができる。対応するキャリアは、英国ではVodafone、O2、Virgin Mobileなど大手をひととおり網羅しているほか、ドイツテレコム系のT-Mobileも対応を予定している。こうした状況は欧州各国で同様で、欧州各国の大手キャリアは、ひととおりN-Gageに対応するキャリアとなる模様だ。

 また、この日発表されたリリースによれば、世界最大のゲームパブリシャーであるElectoronic Arts(以下、EA)がN-Gageプラットホームにも参入。タイトルを供給することが決定した。具体的なタイトル名こそ明らかにされなかったが、クリスマスシーズンにあわせてEA Games、EA Sportsの両ブランドからタイトルが提供されることになるという。

 10月7日の発売と同時にローンチされるのは10タイトル。その後、クリスマスまでに20タイトルほどにラインナップが拡充される予定だ。またブリーフィングでは、後日発売予定のGameloftによる「Tom Clancy's Sprinter Cell」のデモも行なわれ、Bluetooth機能を使った2台のN-Gageによる協力プレイが披露されている。

 Q&Aセッションでは、先日セガからNOKIAへ譲渡された米国のモバイルゲーム開発、運営の子会社SEGA.comの今後についての質問もあがったが、N-Gage対応ゲームやマッチングシステムの運営に注力する一方で、既存の携帯電話など他のモバイルプラットホーム向けのゲーム開発も継続して行なわれることが明らかにされている。ちなみに、SEGA.comのSNAP(SEGA Network Applications Packeage)は、N-Gage ARENAのコアテクノロジーになっているという。

【Sonic N】
【Super Monkey Ball】
【Puzzle Bobble VS】
【Virtua Tennis】
【TOMB RAIDER】
【TONY HAWK'S PRO SKATER】
【MOTO GP】
【Tom Clancy's Sprinter Cell】
【MLB Slam!】

□ECTSのホームページ
http://www.ects.com/
□London Games Weekのホームページ
http://www.londongamesweek.com/
□NOKIA N-Gageのホームページ
http://www.n-gage.com/

(2003年8月30日)

[Reported by 矢作晃]


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