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European Computer Trade Show 2003現地レポート

Nova Logic「Joint Operations」プレビュー
ポスト「Battlefield 1942」を狙った次世代マルチプレイベースFPS

8月27日~29日まで開催(現地時間)

会場:London Earls Court

 Nova Logicは、「Comanche 4」、「Delta Force: Black Hawk Down」など、毎年ヒット作を生み出している英国の古参メーカーのひとつだ。離合集散を繰り返すECTSにおいて、数少ない常連メーカーのひとつでもあるが、今年は残念ながら出展社リストには含まれていなかった。と思ったら、AMDと共同で出展しているNVIDIAブースに、最新作「Joint Operations」を出展していた。発売時期は2004年の第一四半期とまだ少し先のタイトルだが、しっかりプレイアブルで出展していたので、そのインプレッションをお伝えしよう。
【Joint Operations】
陸海空を股にかけた現代戦が楽しめる「Joint Operations」。各兵器のディテールも抜群だ


■ 戦闘ヘリに上陸艇に装甲車、実在兵器に何でも乗れるリアル系FPS

グラフィックエンジンはBlack Hawkエンジンを採用。この3D表現ダイナミズムはUbi Softの「Far Cry」に勝るとも劣らないできばえだ
4人乗りのエアボートに乗り込むところ。“Controlに座る”を選べば操作でき、Sitに座れば機銃員となる
輸送トラックに乗り込んだところ。実際にはあと5人乗り込むことができる
エアボート搭乗シーン。走行時は両サイドに水しぶきがあがり気分爽快。移動中も操作系は独立しているので、時間差を付けて降りていくことも可能
 Nova Logicといえば、戦闘ヘリシミュレータ「Comanche」シリーズに代表されるシミュレーションゲームの開発で知られる。ひとつ前のプロダクトである「Delta Force: Black Hawk Down」は、アクションシューティングながら「Comanche 4」のグラフィックエンジンを採用し、戦闘ヘリを主体とした過酷なソマリア紛争をリアルに描いたことで欧米で評価された。

 「Joint Operations」は、「Delta Force: Black Hawk Down」で確立させたヘリシミュレータ+FPSというスタイルをさらに一歩進化させて、乗り物シミュレータ+FPSを狙ったリアル系アクションシューティングだ。LCAC(Landing Craft, Air Cushion:空気クッション上陸用舟艇)やChinook(輸送ヘリ)、そのほか装甲車や輸送車、ジープ、エアボート、モーターボートなどなど、米軍自慢の現代兵器がごろごろ登場する。

 こうした乗り物の要素は、「Tribes 2」、「Battlefield 1942」、「Unreal Tournament 2004」などなど、最近のFPSの流行のひとつとなっている。乗り物の豊富さ、乗り物のディテールのリアルさ、そして挙動の正確さといった要素もFPSを評価する基準のひとつとなっているわけである。これまでシミュレーションゲームを得意中の得意としてきたNova Logicがこうした現状に鑑み、新作にマルチプレイFPSを投入してきたのは、当然といえば当然だ。

 「Joint Operations」の乗り物は、基本的に人員輸送用の兵器が多いものの、操縦席以外の搭乗員は、手持ちの武器を構えて敵を攻撃することができる。このため、ボートなどは4人で乗れば結構な戦力になりそうで、戦闘ヘリなどは文字通り、空の機銃要塞と化し、地上の敵は対空ミサイルを探して右往左往するしかなさそうだ。

 今回のデモで乗れたのは、モーターボートと大小の輸送車など。エアボートは、左右に曲がる際の、大きく横にスライドしながらなめらかに曲がっていく感じがよく出ていて乗っていて気持ちよかった。デモでは、湾口に要塞が設置された地点をモーターボートで突破するというシチュエーションも見られた。直進スピードもかなり速いため、強行突破ということになるのだろうか。

 基本的なゲームデザインは、「Delta Force」シリーズとはうって変わってマルチプレイ主体となっており、シングルプレイモードも基本的にマルチプレイの練習用になっているようだ。このあたりのゲームデザインは「Battlefield 1942」に近い。最大参加人数も64人と同じだ。

 デモで見た限りでは、米軍対ゲリラ軍という構図になっており、ジャングル戦はベトナム戦争的な雰囲気が強かった。草葉をかき分けてジャングルを進んでいくと川岸にボートが接岸されているが、それに乗ると両岸からゲリラ兵に襲われる。実はボートに乗らずに迂回して包囲殲滅するのが正しいといった具合だ。

 マルチプレイモードは、Capture The Flag、Death Match、Team Death Match、Cooperative、King of The Hill、Team King of The Hill、Search & Destroy、Attack & Defendといったモードが用意されている。専用サーバーNova Worldも設置されるため、対戦相手に困ることはなさそうだ。

 ひととおりプレイしてみた感じでは(といってもすべて1人プレイだが)、Attack & Defendがおもしろかった。これは数キロ四方のマップを舞台に、一方は目的地の制圧を目指し、一方は来るべき敵の襲撃に備えて防衛戦を展開するというもの。

 攻撃側はマップの端からスタートし、うっかり徒歩で行ったら目的地までにずいぶん時間がかかってしまった。途中まで歩道を行き、川を越え、湖をまたいで、オアシス上の森林地帯の中に目的地があった。が、森に入った時点で戦闘となり、一瞬でやられてしまった。実際のマルチプレイでは「Operation Flashpoint」のゲームプレイをやや大規模にしたような感じになりそうだ。

 さて、グラフィックエンジンは、「Delta Force: Black Hawk Down」のものをバージョンアップさせたBlack Hawkエンジンを採用。現時点ではグラフィックオプションを最高にするとエラーが起きて起動しなかったため、中程度でのプレイとなったが、陸、空、海ともにまったく違和感のないビジュアルを実現している。「Delta Force」に比べると、フィールドのオブジェクトの数やディテールが格段に向上しており、隊員のモデリングもブラッシュアップされている。

 時代設定は、近未来のインドネシア。スクリーンショットを見ればわかるように、砂漠地帯だけだった「Delta Force」とは一転して、今回は南海の孤島や未開のジャングルが舞台となっている。ジャングルにも入り組んだ川や湖など水面地帯が豊富に設定され、それらの水面には遠景が映り込み、実に美しい。発売が楽しみなタイトルのひとつだ。

【Joint Operations】
どういうシチュエーションでも常に自然なビジュアルを見せてくれる。シャドウ表現などにやや甘さはあるが、このグラフィックで64人対戦できるのは驚異的だ

□ECTSのホームページ
http://www.ects.com/
□Nova Logicのホームページ
http://www.novalogic.com/
□「Joint Operations」のホームページ
http://www.novalogic.com/games.asp?GameKey=JO

(2003年8月30日)

[Reported by 中村聖司]


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