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決勝戦は13歳同士の対決!
セガ「頭文字D Ver.2」史上最速伝説2決勝大会

7月27日 開催



予選参加者1,500名の激戦を勝ち抜いてきた猛者48名
 株式会社セガは、アーケード用レースゲーム「頭文字D Arcade Stage Ver.2」のオフィシャル全国大会「史上最速伝説2」の決勝大会を7月27日にセガ本社で開催した。

 今回の全国大会は、全国48店舗で予選大会を開催。予選参加者数は、前回大会の500人から1,500人へと一気に3倍増。決勝大会は、そんな激戦を勝ち抜いてきた凄腕ドライバー48名が終結。多くのギャラリーが見守るなか、1回戦から激しい戦いが繰り広げられた。

 決勝大会は、2回戦までは2試合同時に、3回戦以降は1試合ずつ進行。時間の都合があるから仕方ないのだが、記者個人としては「1回戦から1試合ずつジックリと観戦したかった」というのが本音。なぜなら、参加者のレベルが非常に高く、同時に行なわれるどちらの試合も“一瞬たりとも目が離せない”熱いバトルが続出したからだ。

 記者が個人的に“一番熱かった”と感じたのは、ALTEZZA、SILVIA、SKYLINEが登場した試合。決勝大会といえばガチンコ勝負が基本であり、少しでも性能面で有利な車種を選ぶのが勝利の定石。何も自ら好んで不利な要素を抱え込む必要はないわけで、最速プレーヤーを決める大会でこうした車種を選ぼうものなら「あいつ、ふざけてんのか?」と反感を買ってしまう可能性さえある。会場に着く直前まで「RX-7とINTEGRAが9割」と予想していただけに、良い意味で予想を大きく裏切られる結果に「やってくれるねぇ!」と思わずにやけてしまった。

 これは、当日会場を訪れた一般入場者の大半も同じ考えだったようで、スクリーンに車種が表示された途端、どよめきが起こると同時に会場全体が一気にヒートアップ! さながら、勇者(あるいはドンキホーテ?)の登場を、ギャラリーが大歓声で讃えるといった風情だ。ただし、RX-7やINTEGRAに対して冷淡というわけではなく、車種に関係なく熾烈な場面では常に歓声があがる。

 繰り返しになるが、本大会は“最速プレーヤー”を決定するもので、参加者にエンターテインメントを求めているわけではない。にも関わらず、対戦者同士が試合直前のわずかなコンタクトの合間に“試合を盛り上げよう”という発想のもとに互いの意思統一ができるというのは(仮に面識があったとしても)なんとも小気味のいい話ではないだろうか。

 さらに気持ちが良かったのは、ある意味「ネタ車」を選んでいるにも関わらず、走りが滅法速かったことだ。これにはプロデューサーの新井氏もビックリで「ありえない!」を連発。ゲームセンターでも滅多に見かけない車種が、恐ろしい勢いでカーブを疾走していくのだから、それも当然だろう。セガロッサ氏(ALTEZZA)、イッテヨシ氏(SILVIA)、9・6氏およびアッキー氏(SKYLINE)、登山番長氏(LANCER EVOLUTION)などなど、会場を大きく沸かせてくれた勇者たちには、僭越ながら心からの賛辞を贈りたい。

何やら話し込むふたり。これで走りがナマクラならば単なる馴れ合いのパフォーマンスとのそしりも免れないが、本気度全開で滅法速いからこそ賞賛に値する。ここ一番の決勝大会で、R34やS14などの車種が選択できるアイデンティティの持ち主が少なからず存在したことが素晴らしい


 決勝戦に駒を進めたのは、どちらも最年少参加者(13歳)のR・Y・Bニュート氏と、前回大会準優勝者のユウスケ氏。若さみなぎる果敢なコーナーワークが印象的なニュート氏、決勝大会の全試合を冷静沈着な先行逃げ切りで叩き伏せてきたユウスケ氏。車種はどちらもRX-7。くじ引きの結果、コースは赤城、上り、雨に決定。

 レース序盤はニュート氏が先行。スタートでユウスケ氏がライバル車の後塵を拝したのは、決勝大会では恐らく初めてのシーンではなかったかと思われる。両者、雨の影響を微塵も感じさせないほどの精確なインベタで各コーナーを走り抜ける。ユウスケ氏の猛烈な切り込みを僅差でねじ伏せていたニュート氏だが、レース中盤、わずかな隙をユウスケ氏に突かれてしまう。ユウスケ氏は、そのままゴールに向かってひたすら疾走。およそ動揺などとは一切無縁の冷静な走りと激しいブロックで、見事優勝を遂げた。

 準優勝のR・Y・Bニュート氏には、トロフィーと「頭文字D」福袋が進呈された。優勝したユウスケ氏には、その身長に匹敵するほどの巨大なトロフィーと、頭文字Dコミックス26巻セット、PS2「頭文字D Special Stage」ヤングマガジン限定版、さらにはハンドル型コントローラー「GT FORCE」と、それを固定するコクピット・シミュレータ「武者震(むしゃぶるい)」のハチロクバージョンが進呈された。

 誰が優勝してもおかしくないほどレベルの高い戦いが続いたが、そんななかでもユウスケ氏の走りは、解説陣が思わず唸るほど安定感バツグン。末恐ろしい……のではなく、すでに恐ろしいまでの実力を存分に発揮しているわけだが、もし次回大会があれば、果たして誰がユウスケ氏を倒すのであろうか。実績を踏まえると連覇する可能性も十分ありえるわけで、それがまた怖くもあり、楽しみでもある。


毎度おなじみ「秘密の優勝賞品」はオリジナル「武者震」ハチロクバージョン(上写真右)新井氏いわく「手作り感が伝わってきますねぇ(笑)」
既報のとおり、会場には試遊台、「頭文字D」グッズ入りプライズなどが設置されていた。UFOキャッチャーのみ1プレイ100円と有料だったが、景品が取りやすく設定されていたため、実質100円で1個という状態。景品をガッチリはさんで落とさないアームを見たのは久しぶり……


□セガのホームページ
http://sega.jp/
□セガ・ロッソのホームページ
http://www.segarosso.com/
□「頭文字D」公式サイト
http://www.segarosso.com/INITIALD/
□関連情報
【2003年7月18日】セガ、AC「頭文字D Arcade Stage Ver.2」全国大会「史上最速伝説2」を7月27日に開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030718/sega.htm
【2003年4月5日】「頭文字D Jam Stage 史上最速伝説」~12歳の凄腕少年が台風の目に!~
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030405/sega2.htm

(2003年7月28日)

[Reported by 北村孝和]


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