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コナミ、PS2「SILENT HILL 3」本日発売 |
価格:6,980円
株式会社コナミは7月3日に、プレイステーション 2用ホラーアドベンチャー「SILENT HILL 3」を発売した。価格は6,980円。発売日となった本日、渋谷駅前にある渋谷TSUTAYAでは店頭において特設販売所を設置し、店頭販売を行なった。会場にはプロデューサーでありサウンドを担当した山岡晃氏を初めとしたスタッフも集まり、山岡氏には少々作品についてお話を伺うことができた。
「SILENT HILL 3」は、独特の世界観を持つ「SILENT HILL」シリーズの最新作。モンスターの独特の動きや、暗闇から突如現われる恐怖感は凄まじく、特異な世界観を築き上げている。薄暗くよく見えない通路でモンスターに出会う恐怖感を前に逃げ出したくなるだろう。
■ 今回の「映像にこだわり、影の表現、目の演技に注目して欲しい」
山岡氏はプロデューサーとして全体を統轄しつつさらにサウンドの制作も行なうという多忙ぶり。兼務しているだけに純粋に時間がなく大変だったという。ただ「これまでのシリーズ作品でサウンドを担当しているときも、音楽を作って作品に当てはめるわけではなく、ゲームの進行の中で、演出上どのようなサウンドが必要かといった観点から作っていた」という。つまり山岡氏はもともと「ゲームを作りたかった」ということで、そういった意味では今回もスタンスは変わっていないとか。
「SILENT HILL 3」におけるこだわりについては「やはり映像」とキッパリ。今回フル3Dでグラフィックを構築し、デモシーンなどもリアルタイムレンダリングで描かれている。インタラクティブなゲームシーンとプリレンダーで描かれたデモシーンのグラフィッククオリティが違うと興醒めしてしまうということから、すべてのグラフィックを統一するためにもフル3Dで描かれている。だが逆を言えば、通常のゲームシーンのグラフィックを底上げしなければならず、これは相当な苦労だろう。
この点については「今回は影にこだわっている。笑ったり怒ったりしたときに顔に皺が寄ってそこに影ができる。さらに自分の影が自分に投影されるし、光源によってその影は常に変化する」という。海外のゲームなどのCG表現で最も注目されているのがこの“影の表現”だが、単純にマシンパワーを必要とするため、プレイステーション 2で表現することは圧倒的に厳しい。山岡氏は「ゲームの制作に入る前にプレイステーション 2でどれだけのことができるのか基礎研究をじっくりやり、プログラマーの技術が投入されている」のだという。さらに「目の演技にもこだわった」という。話している最中に目をそらしたり、そういった演技でキャラクタの持っている性格を表わしているという。
印象的なメリーゴーランドのシーン |
ちなみにスタッフの人達はやはりホラーに関する思い入れが大きいらしく、スティーブン・キングやデビット・リンチなどに影響は受けているという。「そういった捻ったようなところが好きで、デザイナーなどはモンスターの表現などにヤン・シュワン・クマイエルなどの影響もあるようだ。それは、ホラーゲームとして、もっと言えばゲームとして、ほかのゲームとは違うことを表現することにこだわっているからこそだという。どこかアンチテーゼ的なものが制作者としてあるという。
最後にユーザーへのメッセージとして「3作目ということで1作目、2作目をプレイしなければならないと言うわけではない。十分楽しめるので、ぜひプレイして欲しい。また、これまでプレイしてきてくれたファンのみなさんにはゲームをプレイしていただければわかるが、繋がりもある。そういった意味でも楽しんで欲しい」とアピール。また「こわい作品だけどそれだけではなく、その裏にある人間関係やドラマを感じ取って欲しい」と付け加えた。
今回、プロデュースとサウンドを担当している山岡晃氏 | 当日発売会場に来ていた「SILENT HILL 3」を作ったスタッフの方たち | 渋谷TSUTAYAの店頭ではかりん糖が配られ、大盛況 |
(2003年7月3日)
[Reported by 船津稔]
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