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ボーステック、FM-7「スターアーサー伝説」3部作を復刻! |
価格:4,800円
上写真がパッケージ、下写真が付属のフィギュア |
「レジェンド・オブ・スターアーサー・トリロジー」は、T&Eソフトが'83年に発売したアドベンチャーゲーム「惑星メフィウス」、「暗黒星雲」、「テラ4001」のFM-7版3本をWindows上で動作するように復刻してワンパッケージにおさめたもの。
特典として、VHD版「スターアーサー伝説 惑星メフィウス」のオープニングムービーが収録されるほか、「スターアーサー・ミルバック」の3.5インチフィギュア(原型制作:コトブキヤ)と、「テラ4001」に同梱されていた「ストーリーブック」およびT&Eマガジンに掲載されていた製品情報やコミックを収録したPDFファイルが付属する。
さて……「スターアーサー伝説」と聞いても、恐らく20代、もしくはそれ以下の方には何のことだかさっぱりわからない人が大半だろう。本作は、'80年代のホビーパソコンユーザー、特にアドベンチャーゲームファンには忘れられない金字塔ともいえる作品。もし忘れていたとしても、当時ゲームを扱うパソコン雑誌を読んでいた人なら、必ずどこかで目にしたことがあるはずだ。
ただし、いくら大ヒットした作品とはいえ、現在の至れり尽せりなアドベンチャーゲームに慣れた未体験世代には正直おすすめしかねる。本作のインターフェイスは、カーソルキーで移動ができたり、動詞を入力したらあとは対象を画面内のカーソルで指定すればいいといった、当時としては珍しいユーザーフレンドリーさを備えていたが、それでも会話などの主要コマンドは単語を直接入力しなければならず、“当時としては画期的”だった操作性も、現在ではお世辞にもいいとはいえない。
謎解きに至っては、さらに難解を極める。今にして思えば“難解”というよりは”理不尽”そのものといった謎解きばかりだったような気もするが、当時の忍耐強いADVゲーマーたちは一片の疑念さえ抱くことなく、わき目もふらず正面から突撃していったものだ。
だが、自力で突破できたのは一握りの選ばれし者たちだけ。当時の記者周辺でも、自力でクリアできた人は皆無。力尽きたゲーマーの大半が、パソコン誌の特集記事やお助けコーナーを読み漁るか、もしくは数人で「ああでもない、こうでもない」とコマンドや選択ルートの絨毯爆撃を試みる日々に明け暮れた。「牢獄」、「砂漠」、「ピラミッド」など、本作の謎解きに関する逸話は枚挙にいとまがない。
そんな修行みたいなゲームを、今プレイする意味があるのか? といえば、それは思い入れ次第ということになるだろう。少なくとも、当時の空気を知っている人にとって、本作は強くアピールするものを内包している。今のように情報が溢れかえる時代とは違い、当時は何もかもが手探りであり、だからこそ想像力、探求欲、好奇心を強く刺激された部分があったように思える。
ノスタルジーで手を出してもいいし「『暗黒星雲』まではついていったんだけど『テラ4001』はやってなかったな」という人が、もう一度チャレンジするのも悪くない。あるいは、幻ともいえるVHD版のオープニングが見られるだけでも、本作を購入する価値は十二分にある。興味がある人は、是非ともチェックしてみてはいかがだろうか。
【惑星メフィウス】 | ||
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【暗黒星雲】 | ||
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【テラ4001】 | ||
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□ボーステックのホームページ
http://www.bothtec.co.jp//
□製品情報
http://www.soft-city.com/egg/star/
□関連情報
【2002年5月17日】Project EGG、T&E「スターアーサー伝説」3部作のパッケージ販売を決定。MSX2+「フレイ」など第5回ラインナップも発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020517/egg.htm
(2003年6月4日)
[Reported by 北村孝和]
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