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歴代AIBOも勢揃い「AIBO DREAM 2003 “4th Anniversary”」 |
開催場所:銀座ソニービル
入場無料
ソニー株式会社は、同社のエンターテインメントロボット「AIBO」の誕生4周年を記念し、特別イベント「AIBO DREAM 2003 “4th Anniversary”~AIBOに愛にきて、来て!~」を銀座ソニービルで開催した。開催期間は5月31日から6月1日で、入場料は無料。8階のソミドホールが主展示場となっているが、館内のあちこちで、AIBOに関する展示物を見ることができる。
「AIBO DREAM 2003 “4th Anniversary”」では、初期型の「ERS-110」を初め、現在でも人気が高い河森正治氏デザインの「ERS-220A」、そして“クマイヌ”をモチーフにしたことで、これまでとはデザインをガラリと変え話題を呼んだ「ラッテ」と「マカロン」……これら歴代AIBOがズラリと展示されていることから、なかなか見応えのあるものとなっている。
また、発売されたばかりのAIBO-ware (アプリケーション) 「AIBO アイズ」なども展示されており、詳しい説明を受けることができる。「AIBO アイズ」では、コマンドを記したメールをAIBOに送ると、それにあった動作をしてくれるというもの。例えば、“写真を撮る”というコマンド“PHOTO”にパラメータ“C4 (撮影の合図のパラメータで「はい、チーズ」の意味”だけを書いたメールをAIBOに送ると、このメールを受信した時点でAIBOが写真を撮影してくれる。AIBOが撮影した画像は、逆に送り返されてくるので、海外からでも携帯からでも、メールを送っていつでも写真の内容を楽しむことができる。
このほかにも、双方向テレビ番組を使い、AIBOとコミュニケーションを取ることができるシステム「AIBO TV SHOW」の技術展示や、巨大な装置を使って体を使いながらAIBOとコミュニケーションを取ることができる「エモーショナルゲート」などなど、AIBOのオーナーはもちろんのこと、誰でも楽しむことができるイベントだ。
さらに8階のソミドホールではユーザー参加型企画として、複数のAIBOを同時に制御できるソフトウェア「WATOSIN (ワトソン)」を使い、ミュージカルを行なう「AIBO Dream Musical」が開催されている。事前登録制だが自分のAIBOを晴れ舞台に立たせることができるとあって、熱心なファンが駆けつけた。
「AIBO Dream Musical」の1回目の上演に先立ち、ソニーエンタテインメントロボットカンパニー プレジデントの天貝佐登史氏が挨拶を行なった。天貝氏は「エンタテインメントロボットの老舗のソニーとしてがんばりたい」とコメント。「AIBO Dream Musical」第1回上演には、天貝氏のもつAIBOも登場。天貝氏のAIBOは、マジョーラカラーを使った「2ndアニバーサリーカラーモデル (ERS-210)」のマゼラングリーンタイプ。名前は、「娘が『ワンピース』が好きなので、Miss Wednesdayと名付けた」とオーナーぶりを存分に発揮していた
■ 天貝プレジデント ミニインタビュー
「4足歩行型ロボットと2足歩行ロボットの市場は別」
会場で少し天貝プレジデントにお話を伺うことができた。天貝氏は「今年はアトムの生まれた年でもあって、第2次ロボットブームになるという予感がある」のだという。事実、4月に行なわれたロボットの総合展示会「ROBODEX2003」では最高の入場者数を記録している。しかしその一方で、新機種の投入には慎重なようだ。
天貝氏は「数を売る戦略であれば、価格帯をどんどん下げるなどして販売していけばいいが、我々は数を売るというより、21世紀を感じさせるイメージリーダー的なものを目指している。ソニーの幹部もそういったものを求めている。ロボットはパソコンとは違い、3カ月でメモリの容量が増えるといったものではない。私もAIの開発を行なってきたが難しいもので、じっくりと育て上げたい。ユーザーの『まだかな? まだかな?』という期待感が高まったところで商品を投入していく。2足歩行タイプのロボットを一般に販売しないのは、まさにそういった戦略から来ている」と説明。
ではその期待感が高まったタイミングとはどういったときなのだろうか? これについては「今回のようなアニバーサリーのタイミングや、1年といった周期だろう。2足歩行タイプの『SDR-4X II』については、商品化するだけの安全性などのクオリティはすでに充分な域に達している。だが、2足歩行のロボットと4足歩行のロボットでは市場が違う。4足歩行についてはかわいい愛玩動物としての市場だが、2足歩行タイプは人間に近づいてくる。ソニーの商品ということで、エンタテインメント性も求められるし、運動性能と知能のバランスなどイベントなどに展示し、色々と反応を見ていきたい」とコメントしている。
一方、AIBO-wareなどアプリケーションについて天貝氏は、「AIBOのハードウェアとしてのポテンシャルは高く、まだまだ高度なことが実現可能だ。新しいアプリケーションの登場によって、そのハードウェアのポテンシャルを活かすことができる」という。方針としては「AIBOは、“ペット”としては生身の犬や猫には適わないのは認めている。つまり利口だったり便利だったり、そういったペットとは違う点を強調していこうと思う。色々とやりたいことはあるが、ユーザーから求められていることと技術的にできることをミックスするのが我々の仕事」と語っている。また「今回発表した『AIBO アイズ』はネットを使っているが、そういったことが求められているのであれば、その反応を見てフレキシブルに対応していきたいと思う」と続けた。
(2003年6月1日)
[Reported by 船津稔]
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