Electronic Entertainment Expo 2003現地レポート
Sony Online Entertataiment ブースレポート
姿を見せつつある「Ever Quest II」ほか
会期:5月14日~16日(現地時間)
会場:Los Angeles Convention Center
例年、クローズドなブースで情報を公開しているSony Online。今回も黒一色のブースに、1カ所の入口がわずかに開けているといった構成。そんな来場者たちに、たったひとつの「窓」として開かれていたのが、大きめのモニタ。そこでは「Ever Quest II」を初めとした数々のタイトルが公開されていた。米国は特に「Ever Quest (以下「EQ」)」の人気が高い国。多くの人が足を止め、食い入るように画面を見つめていた。
●すべてのスケールをアップさせた 「Ever Quest II」
多くの人が関心を寄せるタイトルは、間違いなくこの「Ever Quest II」だろう。今回のリリースによれば、キャラクタは16の種族と48の職業が選択可能。さらに、プレーヤーだけの家(アパート、家、およびギルドハウスなど)を持つことが可能なことや、プレーヤーが操縦できる船や乗り物の存在といった、さまざまな追加要素が公開されている。プレイをより快適にする、さまざまなシステムの追加などがアナウンスされているのだ。しかし、実際に見ることのできた画像や映像では、まだ具体的な感触がつかめないというのが正直な感想だ。
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駆け出しの冒険者の好敵手、オーク。オークはさまざまな強さ、階級を持つモンスターだけに、多彩なモーションを見せてくれそうだ |
ゲームの舞台は「EQ」の平行宇宙という形で、500年後の世界。さまざまな歴史的のターニングポイントを経ることで、世界の変遷を肌で感じていたプレーヤーにとって非常に興味をそそられる世界だが、この時点では詳細が語られることはなかった。
今回見ることができた映像では、頬や髪型のモデリング、入れ墨や肌の色など、非常に細かいポイントが選択できるキャラクタメイキングに始まり、フリーポートを拠点にしていた冒険者の誰もが通った道である「コモンランド」でのオークとの戦い、そしてEQプレーヤーの目標のひとつである「ナガフェンのドラゴン」との戦闘を見ることができた。これらの映像は「現在のEQをEQIIのエンジンで描いたら?」という意味合いで公開されたようだ。
まずは、プレーヤー同士のコミニュケーションから。挨拶や親しげな仕草、詰問するようなパフォーマンスはもちろんのこと、PVPを行なっているかのような魔法や、武器のモーションを相手に向かってみせることができた。ガッツポーズなどの仕草が凝っている「EQ」だが、前作以上にこういった遊びが楽しめそうだ。また、NPCが「何か用なのかい?」という感じで腰に手を当てて、首を傾げるモーションも確認できた。
もちろん敵キャラクタも凝っている。棍棒を武器にする下っ端のオークでさえ、振り下ろしたり、なぎ払ったり、さらには柄で殴ってきたりと多彩で細かいモーションを持っていて驚かされる。オークマジシャンの怪しい手振りや、オークウオーリアーの「カンフーアクション」にも似た回し蹴りなど、どれも非常に凝っている。ドラゴンにいたっては、翼を振り、首をしならせて炎で地面をなめ、足を踏みならせば土煙があがる。自らの炎で映し出された影も、迫力たっぷりに動く。
「EQ」では、ゴブリンは倒れると、なぜか半分お尻を出して倒れるといったふうに、スタッフが愛とこだわりをもってモーションを作成しているのが伝わってくる。「EQII」では、どんなアクションを見せてくれるのだろうか。
北米での開始予定は、2003年第4四半期を予定しているという。世界は、発売された後もどんどん大きく、奥深く成長していくだろう。どんなワールドが展開するか、とても期待が持てるタイトルである。
【デモンストレーション】 |
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炎に包まれた木のモンスター。揺らめく炎の表現が美しい |
サーバー移動時などのロード画面。妖精の美しさと装飾がイメージをかき立てられる |
キャラクタ作成。入れ墨やさらにやけどの跡などが設定できる |
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酒場でのデモンストレーション。真ん中のふたり以外も、拍手をしたりと非常に多彩な動きを見せる |
新種族と思われるラットマン。猫人間たちとの相性はどうなのだろうか? |
ナガフェンのドラゴン。力強い動きとともに、鱗や炎の質感にも目を奪われる |
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キャラクタの服装は、今まで以上に多彩なものになりそうだ |
【Ever Quest II】 |
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(PC)ジャンル:MMORPG 発売時期:2003年第4四半期 |
UOとともにMMORPGの基礎を築き、さらに社会現象まで起こしたという「EQ」がついに生まれ変わる。最新のグラフィックエンジンで描かれたグラフィックは驚異の世界をプレーヤーの前に提示するだけではなく、キャラクタに対するより深い愛着をもたらすだろう。
プレイ時間や、アイテム収集に関する問題など「時間がかかりすぎる」という意見も多かった前作から、どのように生まれ変わるのか? 多岐に渡るユーザーからの希望に対して、どのような答えを見せてくれるのかに期待が高まる
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●神話の時代の「戦争」を表現「Lords of EverQuest」
「EQ」で冒険をしていて、目の前で突然ゴブリンとオークがけんかを始めてびっくりしたことがある。この世界は、NPCでもキャラクタによって職業、種族だけで出会い頭に攻撃されるというような種族や勢力間の激しい対立が根底にある。
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一人称視点だった「EQ」とはまったく違った手法で世界を描写。神話の時代の戦いが明らかになる |
「Lords of EverQuest」はこの部分を取り上げており、「EQ」では実現が難しい大規模な「戦争」を、リーダーという立場で進めていく作品である。ジャンルはRTSになり、開発は「ヒーロー
オブ マイト&マジック」などを手がけるRapid Eye Entertainmentが行なっている。
本作では、プレーヤーはグッド、イビル、ニュートラルといった派閥のいずれかに属する15の君主のひとりとなり、人やエルフ、ゴブリンやオーガ、さらにデーモンといったさまざまな種族やモンスターを率いて戦うこととなる。ユニットは、各派閥で20を超える種類が用意されているとのこと。
ゲームの世界観は「EQ」の1万年前。「EQ」では若い種族である人間すら、栄華を誇った時代はとうに過ぎ去り、再び復興の兆しを見せているという「退廃と、かっての繁栄」を思わせる設定がなされているのだが、本作は「EQ」では神話として語られるような過去の世界。
その世界観が、どのように表現されるかが楽しみなところだ。さらに「EQ」に登場する、限られたプレーヤーしか持つことが出来ない「伝説のアイテム」が、どのような時代を経てきたかなど、「EQ」という広大なバックグラウンドをもつ作品ならではのエピソードのリンクにも期待したい。
3つのキャンペーンにより75時間以上も楽しめるシングルプレイのほか、最大12人での対戦も可能となっている。ひとつひとつのユニットが「EQ」のキャラクタを感じる味付けがされており、経験値を得ることで成長。キャンペーンでは、ともに戦っていくこととなる。特にロードは、100を超えるスペルや200以上のアイテムを装着および使用することで、個性的なキャラクタに成長していくという。
【Lords of EverQuestI 】 |
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(PC)ジャンル:RTS 発売時期:2003年秋 |
「EQ」の世界をRTSで表現。ゲームの中でプレーヤーに密r接に関わっていた「種族間の対立」。本作では過去に行なわれたという激しい戦いの歴史を描く。「EQ」の世界を、今までとは違ったアプローチで表現していく。高い技術力による楽しいゲームになりそうだが「原作付き」ゲームならではの、本作との密接に関係したエピソードやアイテムなどのディープな仕掛けにも期待したい。
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【EverQuest Online Adventures:Frontiers 】 |
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(PC)ジャンル:シミュレーション 発売時期:2003年9月 |
本作では、「EQ」の世界よりより過去にあたる、PS2版独自の世界が展開する。プレイできるキャラクタも独自の種族があり、特に注目が「錬金術師」という職業を選択できる点だろう。さまざまな効能の薬や、爆弾を作ることが可能で、「EQ」プレーヤーでも新しい感触を楽しむことができるだろう。
他のプレーヤーに自分の死体からアイテムをとられなくなっていたり、有料で移動をサポートしてくれるシステムが導入されていたりとプレイをしやすいような工夫が施されている。チャットは例文を選択するほか、USBキーボードを使うことも可能だ。 |
【EverQuest: Evolution 】 |
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(PC)ジャンル:MMORPG 発売時期:2003年8月18日 |
今までの全拡張パックと本体を同梱したパッケージ。これひとつで、現在展開している「EQ」のすべての世界を訪れることができる。
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【EverQuest for Macintosh 】 |
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(MAC)ジャンル:MMORPG 発売時期:2003年6月23日 |
ついにMACで「EQ」がプレイできるようになる。現在発売されている拡張パックのうち「The Legacy of Ykesha Extension」をのぞく4つの拡張パックが同梱されている。(画面はPC版)
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【PlanetSide 】 |
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(PC)ジャンル:FPS 発売時期:2003年5月19日 |
月額のサーバー利用料を払ってプレイするタイプの多人数参加型FPS。プレーヤーは広大な惑星上で、3つの勢力のいずれかに属し、戦いを繰りひろげていく。
特筆すべき点はキャラクタの成長要素で、これによりキャラクタは乗り物に乗ることができたり、能力が強化できるほか、戦場を俯瞰的に見られるなど、より大局を見据えたプレイが可能になる。また、他のキャラクタにウェイポイントを指示するなど、組織的な戦闘を可能にするシステムが導入されている。
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□SONY ONLINE ENTERTAINMENT公式ホームページ
http://www.station.sony.com/en/
(2003年5月18日)
[Reported by 勝田哲也]
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