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Electronic Entertainment Expo 2003現地レポート

LucasArtsブースレポート
スターウォーズの世界観をMMORPGで再現した
「STARWRAS GALAXIES」のシステムに迫る

「STARWARS GALAXIES:An Empire Divided」の開発はSOEが担当。左から開発部長のRich Vogel氏、プログラマのJohn Waston氏、開発ディレクタのRaph Koster氏
会期:5月14日~16日(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

 今年もルーカスアーツの注目作は、やはりスターウォーズ関連作品。

 なかでも特に注目されていたのが、スターウォーズの世界観をそのままMMORPG化した「STARWARS GALAXIES:An Empire Divided」だった。

 今年のE3のルーカスアーツブースレポートはスターウォーズ関連作品を中心にお届けしたい。


■ ~世界が注目するスターウォーズMMOPRGが、ついに今年スタート

ブース内で稼働中のPCで酒場に行ったら、ハン・ソロとチューバッカに会えた
 4月からβ3テストが開始された「STARWARS GALAXIES:An Empire Divided(以下SWGX)」の正式サービスが、今年の夏からついにスタートする。

 時代設定は、帝国軍と反乱軍がほぼ同等の勢力を持って本格的な戦いに突入した旧三部作の「STARWARS:A NEW HOPE」と「STARWARS:EMPIRE STRIKES BACK」の間に置かれている。

この時代に出てきたスターウォーズキャラクタがNPCでほぼ総出演するといい、プレーヤーキャラクタに話しかけてきたり、あるいはクエストを進めるにあたってヒントをくれることもあるという


■ こだわりのキャラクタメイキング

実際にキャラクタを作成してみた。なんか顔が妙にリアルで怖い
 キャラクタは8種類の種族から選択可能で、職業は30種が用意される。プレーヤーが選んだ種族、職業、行動によって、キャラクタに設定されたスキルパラメータが変化していき、結果としてキャラクタが成長していくことになる。

 ゲーム開始時にプレーヤーの目に見えるスキルは数個と限定的だが、内部処理的には700個ものスキルが処理される。これらのスキルは、ゲームを進めていくうちに徐々に変化していき、プレーヤーの成長パスに影響するものが見えるようになるという。

 700あるスキルのうち、その全てを高める必要はないし、高めることもできない。各プレーヤーのキャラクタの成長プロセスごとに、そのスキルが意味を持って向上していくシステムになっている。

 キャラクタメイキングの際に選択可能な種族は、人間以外のエイリアンも用意されているが、二足歩行のヒューマノイドタイプに限定されている。つまり、6本足の昆虫型宇宙人や、ジャバ・ザ・ハットのような足無しエイリアンはプレーヤーキャラクタとしては作成できない。

 MMORPGのキーフィーチャーともいえるマイ・キャラクタのアイデンティティは十分に発揮できるように配慮されており、基本的な体型のカスタマイズ、服装や肌の色だけでなく筋肉の付き方を変更したり、入れ墨をいれることもできる。

 顔についても、髪型、目鼻立ちの色、形状、サイズだけでなく、頬肉の付き方も調整が可能になっており、モンタージュ写真のように「自分に似せたキャラクタ」を作成することも不可能ではない。

 各種族ごとの独自調整パラメータもあり、チューバッカのようなウーキー族は毛質や毛並みの設定も行なえる。

作成したキャラクタは帝国軍、反乱軍、あるいは中立といった属性をもたせられるが、敵対勢力と戦わず、物を生産する職業に一生を捧げてもいい


■ マップの広さは「EverQuest」の10倍以上

 ゲーム世界は広大で「EverQuest」の10倍以上になるという。また、十分なスペースがあるため家を建てたり、あるいはお店を建設することも可能になっている。

 マップが非常に広いということは、迷ってしまう心配があるわけだが、これはナビゲーションシステムの搭載により回避することができる。

 具体的には、マップ画面上で目的地をクリックすれば、そこまでの最短経路を示すヒモのような補助線がメイン画面に表示させることができ、これをなぞるように移動すれば目的地に着けるという仕組みになっている。

地形表示には動的なLODシステムを採用。広大な世界のエピックスケール表示に対応している

ゲーム世界は広大で「EverQuest」の10倍以上になるという


■ プレーヤーキャラがNPCとして振る舞う新システムとは?

 一般的なMMORPGでは、プレーヤーがログオフすると、そのゲーム世界からは姿を消すことになる。至極当たり前のことだ。

 ところが「SWGX」では、自分の存在を残したままログオフできる。ログオフ時、ゲーム世界に置いていかれたマイ・キャラクタは、それ以降NPCとして行動してくれるのだという。

 たとえば、プレーヤーが「SWGX」の世界のある街で「物を作って売る」という商売を営んでいたとする。プレーヤーのログオフ時、マイ・キャラクタに対して行動方針を設定しておけば、回線切断後もマイ・キャラクタは物を作り、それを売り続けてくれる。

 よって、ログオフ後に長い間プレイしなかったとしても、商売がその間に成功していれば、お金は増えているわけだ。

 これは、あまり頻繁にプレイできないプレーヤーや、一日に長時間プレイできないユーザーに対して非常に価値のあるシステムだと思う。

ログオフ時の行動方針を設定しておけば、ダンサーになって踊りで稼ぐこともできる


■ ついに明らかになった戦闘システム

 「SWGX」の戦闘シーンは、映画同様にレーザが飛び交い、ライトセーバーが火花を散らして弧を描く非常にドラマチックなビジュアルになっている。

 一見すると派手なアクションゲームのように見えるが、戦闘システム自体は伝統的なルールベースを踏襲しているという。

 つまり、飛んできたレーザーを反射神経で避ける必要はないし、また避けようと思っても避けられないのである。結局、戦闘のダメージ演算は、その他のMMORPG同様、基本的にはパラメータ演算で処理されるのだ。

 ダメージ演算には、以下の要素がおもに考慮されるようだ。

    (1)攻撃側と被攻撃側との距離
    (2)攻撃側と被攻撃側の姿勢
    (3)攻撃側と被攻撃側のスキル
    (4)攻撃側と被攻撃側の移動相対速度
    (5)武器の有効射程距離
 (2)は、たとえば銃撃の場合ならば攻撃側がしゃがんだり、寝そべっている方が命中率が向上するということ。そして(4)は、たとえば被攻撃側ならば動いている方が敵からの銃撃は当たりにくいことになる。つまり、しゃがんでいると攻撃時命中率は向上するが、被攻撃時はダメージを受けやすいという関係が見えてくるわけだ。

 AT-STなどの大型機動兵器は今作でも登場するが、最初のリリースバージョンでは「乗り物としては登場しない」という。

 どういうことかというと、大型機動兵器や戦闘車両は、プレーヤーが戦闘時のみ購入可能な「命令できる相棒」として登場するのだ。ファンタジー系のRPGでいうところの魔獣や魔神を呼び出す召還魔法のようなイメージになるだろうか。よって、AT-STに乗ってマップ上を移動するといったことは、現状ではできない。

 なお、将来リリース予定の「Vehicle Expansion Update」を適用すれば、プレーヤーキャラクタが自前の乗り物を所有できるようになり、なおかつそれに乗り込むことができるようだ。

 ただし、このアップデートを適用しても、まだ、宇宙船の所有はできない。これについてもいずれ拡張をしたいとしているが、実現には大幅なシステム面の拡張が必要になるため、タイミング的にはメジャーバージョンアップ時ということになるだろう。

 「Vehicle Expansion Update」のリリース時期は未定だが、アップデート費用は無料になる予定。

戦闘は、デスマッチライクな無秩序な乱闘だけではなく、キャンペーン的な勝ち負けのある、あるいは前線が移動するような戦いもあるという


■ ジェダイになるためには? ~謎だったジェダイシステムの仕組みも確定

 スターウォーズの世界をモチーフにしたRPGといえば、やはり気になるのが「どうすればジェダイになれるのか」という問題。

 結論から言えば、どのプレーヤーキャラクタもジェダイになれる可能性がある。

 その「なり方」だが、各プレーヤーが持つキャラクタごとに、全く異なるように設定したという。「SWGX」では成長可能な700のスキルがあることは前述のとおりだが、そのスキルの成長率と、どのスキルがどのくらいあるのかといった“組み合わせ”でジェダイにレベルアップできるという。

 こうした仕組みにより、「ジェダイのなり方」のような攻略サイトが乱立し「参加プレーヤーの全てがジェダイ状態」という事態が避けられる。

 なお、本作のスタッフによれば「ジェダイになることが、必ずしもプレーヤーにとって幸せであるとは限らない」という。ジェダイはとてもパワフルだが、それと引き替えに通常のキャラクタにはないゲームシステム上の不利な点が与えられてしまう。

 それは「そのキャラクタが本当に死んでしまう」可能性がある、ということ。

 一般キャラクタは死んでも何度でも復活でき、アイテムを損失することもないが、ジェダイになるとその救済要素がなくなってしまうという。最終的な回数値は未定としているが、現時点では“ジェダイは3度死んだら完全にそのキャラクタが消滅してしまう”ことが仮決定しているという。

 また、帝国軍はライトサイドのジェダイを、反乱軍はダークサイドのジェダイを狩ることが活動の基本方針となるため、ジェダイクラスにアップグレードした途端、敵対勢力から狙われるようになるかもしれないとしている。

ジェダイにするべきか、普通の市民のままでいるべきか……。こうしたキャラクタの成長方針にまでプレーヤーの思想が反映されるゲームシステムは、非常にユニークといえる


■ 日本での発売の予定は今のところ無し

 ゲームの開発は「EverQuest」シリーズで知られるSony Online Entertainment。ゲームエンジンは「EverQuest」系エンジンとは全く別の新エンジンで、SOEのプログラマは「あえていうならば「SWXGエンジンと呼んで欲しい」とコメントした。

 「SWXGエンジン」はシェーダフォールバックシステム(Shader Fall Back System)の搭載により、ビデオカードの能力が低い場合はゲーム画面のクオリティを自動的に落として描画するため、DirectX7世代のGPUでもプレイ可能だという。ただし「デザインチームが作り込んだビジュアルを余すことなく楽しむためには、NVIDIA GeForceFX以降、またはATI RADEON9700以降が望ましい」ともコメントした。

 プラットフォームはPCのみ。欧米での発売時期は2003年夏を予定。その他の地域での発売は、現時点では全く未定としている。というのも、LucasArtsとしては、まず北米市場で先にサービスを開始し、運営上や負荷等の問題に対してノウハウを蓄積した後、タイミングをみて国際展開を考えたいとしているからだ。

 業界関係者によれば「初期出荷数のコントロールもありうる。今年の夏、日本国内に入ってくる本数はかなり限定的になるのでは?」とのことだった。

【コンセプトアート】



■ STARWARS JEDI KNIGHT:JEDI ACADEMY
  ~君はジェダイ学校を卒業することができるか

 歴史あるスターウォーズ・ゲームの人気シリーズ「JEDI KNIGHT」最新作。今作は、JEDI KNIGHTシリーズを通して「初の試み」がふたつある。

 ひとつは、主人公が遅咲きのジェダイ「カイル・カターン」ではないという点だ。今作の主人公は、名もないジェダイアカデミーの一生徒。カイル・カターンやルーク・スカイウォーカーは、プレーヤーに対する指南役として登場する。

 もうひとつの「初」は、キャラクタメイキング要素が盛り込まれたこと。「名もない一生徒」が主人公という設定なので、名前からスタイル、性別、種族に至るまで自分でカスタマイズできる。

 また、ライトセーバーの形や色はもちろんのこと、ライトセイバーの種類、またその活用スタイル(ファイティングスタイル)まで選択できる。具体的には、両端にビームを生成できる双刃系ライトセイバーとか、長刀のようなライトセイバーなどが選択でき、ファイティングスタイルも二刀流や一刀流などを選ぶことができる。

 ライトセーバーを二本持てる二刀流が有利なように思えるが、二刀流ではフォースを使いながら戦闘ができないという制限が付加されてしまう。たとえば、敵の武器をフォースPULLで取りあげてから斬りつけると言ったコンボ技が使えなくなってしまうのだ。

どのファイティングスタイルが、どんなライトセイバーと相性がいいかと言った組み合わせを考えるのもファンにとっては楽しみのひとつになりそうだ


■ 時代設定は「RETURN OF THE JEDI」の後

 時代設定は旧三部作の3作目「RETURN OF THE JEDI」の後、皇帝がルークに倒され、帝国の勢力が衰退している頃。ストーリー的には前作「JEDI KNIGHT2」の直後に置かれている。

 ストーリーベースのアクションアドベンチャーだが、ミッションは選択制のシステムを採用。どのミッションをどのような順番でクリアしてもOKで、一定のミッションをクリアすると、新たなミッションが選択可能になるというシステムだ。

 マルチプレーヤーゲームモードもあり、対戦も可能。デスマッチ、旗取りゲーム以外にも「UnrealTournament」にあったような陣取りゲームモードなども用意されている。

 プラットフォームはPCとXbox。PC版の開発はゲームスタジオRAVEN SOFTWAREが担当。ゲームエンジンは前作同様に「QuakeIII ARENA」エンジンの拡張版を使用している。Xbox版は、これをベースにゲームスタジオVicarous Visionsの手で移植が行われる予定。

 GeForce2世代のGPUでも動作するが、テクスチャ量が半端ではないため、グラフィックオプションを高く設定するにはビデオメモリが最低でも64MB、できれば128MB以上必要になる見込み。発売は2003年秋を予定。

発売は2003年秋を予定



■ STARWARS:REBEL STRIKE:ROGUE SQUADRONIII
  ~今度は人対メカの戦闘までが楽しめる

 アーケードゲームスタイルのスターウォーズゲーム「ROGUE SQUADRON」シリーズの最新作。

 旧三部作の「A NEW HOPE」、「EMPIRE STRIKES BACK」、「RETURN OF THE JEDI」のストーリーを、ルーク・スカイウォーカー、あるいは彼の友人で劇中にも登場するウェッジ・アンティリースのどちらかになって駆け抜ける。ゲームの目的は、映画と全く同じで帝国軍を打ち破ること。

 今作の新要素は、人間キャラクタを三人称視点で操作できるようになった点。これまでの同シリーズでは、人物キャラクタは画面内に映らず、戦闘兵器を操ってのみ敵を倒していくというゲームだったが、今作では「人対人」あるいは「人対戦闘兵器」の戦いが楽しめる。

 主人公や時代設定こそ違うが、銃撃あり、戦闘機に乗っての空中戦ありの多様なゲームモードが楽しめるあたり、スターウォーズゲームの傑作「SHADOW OF THE EMPIRE」シリーズのリバイバルといった印象を与えてくれる。

 ゲームは全13ステージからなり、要件を満たせばシークレットステージへジャンプすることも可能。シングルプレイだけでなく、画面上下分割による対戦モードも用意されている。前作「ROGUE SQUADRONII」はGC版しか発売されなかったが、今回もそうなる見込み。個人的にはPC版の発売を期待したいところだ。

【STARWARS:KNIGHTS OF THE OLD REPUBLIC】
開発は数々のスターウォーズゲームを手がけてきたゲームスタジオ、FACTOR5が担当



■ その他のタイトル

【STARWARS:KNIGHTS OF THE OLD REPUBLIC】
映画で描かれたスターウォーズの世界よりも遙か4000年前の世界を描いたアクションRPG。プラットフォームはPCとXboxX。欧米での発売時期は2003年夏を予定
【GLADIUS】
時代設定をローマ帝国全盛期に置いたLucasArtsオリジナルのアクションRPG。戦闘はターンベースだが、格闘ゲームのようなコンボ入力が可能。アクション性をフィーチャリングしているのが特徴。プラットフォームはPS2、GC、Xbox。欧米での発売は2003年夏を予定
【FULL THROTTLE:HELL OF WHEELS】
「FULL THROTTLE」の続編。今回も荒くれ者のさすらいのライダー「ベン」を操作して酒場、ハイウェイを舞台に暴れ回る。プラットフォームはPC、PS2、Xbox。欧米での発売時期は2003年冬を予定
【Armed & Dangerous】
撃ちまくり、壊しまくりのシューティングアドベンチャー。開発は「GIANTS:CITIZEN KABUTO」のPLANET MOON。プラットフォームはPCとXbox。欧米での発売は2003年冬
【WRATH UNLEASHED】
神話ファンタジーの世界観で描かれるアクションストラテジーゲーム。神話の世界に登場する巨大怪獣や神の化身たちが、閃光をほとばしらせながら派手なバトルを繰り広げる。プラットフォームはPS2、Xbox。欧米での発売時期は2003年冬
【SECERET WEAPONS OVER NORMANDY】
フライトシミュレータではなく、どちらかといえばアーケードゲームライクな3Dシューティング。時代設定は第二次世界大戦時。開発は「X-WING」、「TIE FIGHTER」で知られるLawrence Holland。プラットフォームはPC、PS2、Xbox。欧米での発売は2003年冬を予定


□LucasArtsのホームページ
http://www.lucasarts.com/

(2003年5月18日)

[Reported by トライゼット西川善司]


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