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ポニーキャニオン、好きなアングルでアイドルを鑑賞 |
価格:各3,800円
ヴァーチャル・ビューシリーズ「エイゾープレイ」は、映像を見ながらユーザーがリアルタイムでアングルやズームを変えられるインタラクティブ実写映像ソフト。ソニー株式会社が開発した“FourthVIEW”技術を用いて、複数台のVTRカメラで取り込んだ映像を加工。これにより、実写映像における立体的な視点変更をリアルタイムで実現している。
撮影時は、被写体に対して12台の固定VTRカメラを半月状に配置。被写体の全周をVTRカメラで囲むことも可能だが、映像にカメラが映りこんでしまい「臨場感が失われてユーザーがしらけてしまう」という渡辺氏の提言から、採用が見送られている。また、渡辺氏のアイデアにより、9台の小型CCDカメラで撮影した映像も収録されている。こちらは、固定カメラとは一味違うアクティヴな映像が楽しめる。
本作のコンセプトは「アイドルの撮影現場にユーザーが潜入する」というもの。よって、映像にはBGMが一切挿入されておらず、聞こえてくるのはモデルの声、スタッフの指示、作業にともなう雑音だけ。これが実に生々しく、イメージビデオにありがちな“わざとらしさ”が一切感じられない点で絶大な効果をあげている。
視点変更は、コントローラで行なう。主に使用するのはカメラとズームを変更する方向キーとアングルを変えるアナログスティックのみで、片手だけでも操作が可能。視点変更の記憶再生機能、編集機能も用意されている。
総収録時間は、約32分。短く思う人もいるかもしれないが、これはカメラ1台あたりの収録時間であり、実際には32分×カメラ台数が総収録時間ということになる。走査線が1本ずれても失敗するため、撮影には相応の準備と時間が必要。通常のアイドルDVDなら20人程度のスタッフがいれば事足りるところを、「エイゾープレイ」では技術者を含め約70人のスタッフを動員して撮影が行なわれたという。
なお、「R.C.T. エイゾープレイ」のみ、メイクルームの中心から部屋のなかをぐるりと見渡せる「360度カメラ」映像が収録されている。内容は撮影の合間をとらえたメイキング・ビデオ的なものになっており、ファンにはたまらない内容に仕上がっている。
【撮影風景】 | ||
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【スクリーンショット】 | |||||
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実際に体験して思ったことは、実写映像にも関わらず視点が変えられることの新鮮さだ。カメラが動く範囲で、上下左右にぐりぐりとアングルをかえてみる。ある程度制限されるとはいえ、かなり自由に動かすことができた。
同社映像制作部部長の大柳氏によれば「あまりにもえげつないアングルにはならないよう配慮した」というが、それでも記者には十分刺激的な映像がガンガン目に飛び込んできた。ひと目をはばかるというか、人前ではとてもプレイできない気がする。つまり、意図しているいないに関わらず、そうした“背徳感”を刺激する部分が、少なからず醸し出されているかのように感じられるのだ。
アングルをぐりぐり変えるもよし、穴があくほどジーッと眺めるもよし、ということで「エイゾープレイ」の内容はかなりセクシー度が高い。ここで気になるのが、本作の特殊性だ。同社によれば、「エイゾープレイ」はゲームではないという。だが、PS2でしか再生できない特殊な映像ソフトでもある。
要は“CEROのレーティングは適用されるのか”という話なのだが、ポニーキャニオンでは現在検討中としている。同時期に発売されるPS2のグラビアソフトがCEROの審査を受けているため、流れとしては「前例がすでに存在する」ことになる。ただし、こうした境界線が曖昧なタイトルについてはCEROでも協議を始めたばかりであり、しばらくは様子見ということになりそうだ。
(C)2003 PONY CANYON INC.
□ポニーキャニオンのホームページ
(4月24日現在、この製品に関する情報は掲載されていない)
http://www.ponycanyon.co.jp/
□アイドル情報サイト「girl friend」のページ
http://girlfriend.can-d.com/
(2003年4月24日)
[Reported by 北村孝和]
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