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Xbox「N.U.D.E.@ Natural Ultimate Digital Experiment」
“P.A.S.S.”を育てる楽しみから、コミュニケーションへ

4月23日 発売

価格:6,800円

 数々のゲームを作り上げてきた広井王子氏が総合プロデュースを行なったXbox用ソフトとして注目を集めている「N.U.D.E.@ Natural Ultimate Digital Experiment」がついに発売となる。ジャンルが“同居型コミュニケーションドール”ということで、いまいちピンとこない人も多いかもしれない。簡単に言えばゲーム内に登場する美少女型ロボット“P.A.S.S.”とコミュニケーションをとるソフトだ。

 そのコミュニケーションもこれまでのように選択肢を選ぶといったものではなく、そのほとんどがボイスコミュニケータと呼ばれる同梱のマイクデバイスで行なう。この点が重要で、これまでにないリアルさを生んでいると言っていいだろう。さらに、声優さんなどがセリフを喋り、その音声を収録し、こちらに応じて再生するのではなく、“P.A.S.S.”は合成音声で喋る。そのフレキシブルな感じが、またいい感じなのだ。

 それではどのように“P.A.S.S.”と接し、育て、コミュニケーションをとっていくのかをお伝えしていこう。


■ 美少女型ロボット“P.A.S.S.”とは……

 ゲームでは“P.A.S.S.”は、総合家電メーカーのArk社が制作した美少女型ロボットのプロトタイプが、量産一歩手前というところまで開発が行なわれているという設定だ。このプロトタイプのロボットが一般家庭で実用可能なのかどうかのβテストの募集にプレーヤーが応募。晴れて当選し、ついに“P.A.S.S.”が家に到着。起動した彼女 (P.A.S.S.) の第一声は「私にモノの名前を教えてください」だった……。

 “P.A.S.S.”とは、「Personal Assist Secretary System」の略で、いわば商品名のようなものだ。意味としては「ライフスタイル順応型サポートロボット」としての役割を持っており、プレーヤーの生活時間に沿って彼女も一緒に生活し、コミュニケーションをとることで人の生活をサポートするロボットということだ。「N.U.D.E.@」はXbox内蔵の時計機能に準じて動作しており、実際にプレーヤーと生活しているかのように感じることだろう。また誕生日や1年の中で起こる特別なイベントにも対応しているし、時計機能により、季節なども織り込んだコミュニケーションが可能だ。

 初めに言ったように“P.A.S.S.”とは商品名のようなものだ。彼女固有の名前は、ゲームを進めていくことで、名付けることができる。ゲームを始めた時からじっくりと考えておきたいところだ。

【P.A.S.S.】
“P.A.S.S.”とは、「Personal Assist Secretary System」の略で、この美少女型ロボット固有の名前ではない。名前はストーリーが進むとプレーヤーが名付けることができる “P.A.S.S.”の胸部アップ。製造元のArk社のロゴが大きくプリントされている。クリアパーツ部分から内部骨格が見える 目のアップ。視覚装置には「人工網膜LSI」を使った高解像度光学システムとCCDカメラがセットされている。赤外線照射機能で、目がリモコン代わりに!!
髪型がツインテールなので、ちょっと少女趣味っぽい雰囲気もある。わりと最近っぽい顔立ちだ。目元のほくろがチャームポイント アップで見ることは少ないと思われる“P.A.S.S.”の後ろ姿。首元にある端子部分は充填するときのもの 全身の立ちポーズ。ちなみに青いクリアパーツ部分には特殊な液体で満たされていて、クリアパーツが壊れると液体が流れ出てしまう



■ 初めはものの名前を教えていく

 彼女から「私にモノの名前を教えてください」と言われ、さっそく教え始めることになる。部屋の中にあるものは“テレビ”や“ビデオ”、“ラジカセ”、“ノートパソコン”、“エアコン”や“窓”などなど。これらの名前を教え込んでいくことになる。

 まずはどれを教えるか、モノを選択する。“電話”であれば、赤いカーソルを電話まで持っていき、Aボタンで選択。すると彼女は電話の前まで移動する。そこでマイクをオンにして「電話」と喋りかける。すると彼女は「で・ん・わ」とたどたどしく繰り返すはずだ。もっとも一回で「で・ん・わ」などと憶えてくれない。「でん」とか「でんでん」とか、意味不明な言葉を喋って間違えることだろう。ならば何度でも繰り返し覚え込ませるしかない。何度か繰り返し「でんわ」と発音して教えてあげるとそのうちだんだんと、間違えも少なくなりまともな発音になってくる。

 そこで、彼女に聞いてみる、「憶えた?」と。すると彼女は色々なリアクションを返してくれるはずだ。例えば、「わかりません」とか、「なんとなく」とか、「だいたい」とか。こういった状態ではきちんと憶えているとはいえないので、さらに何度か繰り返し「でんわ」と教えてあげると、そのうちこっちにクルッと向いて「でんわ、憶えました」と明るい声で答えてくれる。これでやっとひとつの単語を憶えたことになるのだ。

 初めてプレイしたとき、この「憶えました」というのがえらく嬉しかった。別にものすごく苦労したわけではないのだが、リアルに向き合って喋っているというのが、“ゲームっぽさ”を薄めてなんだかリアルな気持ちにさせたに違いない。コントローラではなく、声でゲームを進める重要性がこういったとこに現われているのだと思う。

【オープニングムービー】
オープニングというか、トップメニューでなにもしないでいると流れるムービー。Ark社でズラリと並んだ“P.A.S.S.”が映し出され、さらに“P.A.S.S.”の生まれる様子がムービーで流れる。“P.A.S.S.”はプロトタイプである旨を喋っている
【ゲームの始まり】
ゲームがスタートするといきなりメールが到着する。そこには“P.A.S.S.”のテスターとして選ばれた旨の通知だった。まもなく、テレビを見ていると“P.A.S.S.”が届けられる


 ちなみに、一度だけなぜだかわからないが間違って憶えてしまったことがあった。テレビなのに、クルッとこちらを向いて彼女は「ビデオ、憶えました」と言ったのだ。正直それまでさんざん「テレビ」と教えたのに、なんで「ビデオ」と憶えたのかわからず焦ってしまった。もちろん一度憶えてしまっても再度マイクをオンにして、初めから「テレビ」と教えていけばきちんと正しい言葉を憶えてくれる。

 なんだかこう書いていくとあっさりとゲームが進んでいるかのような印象だが、彼女はけっこうネタとしか思えない間違いかたをするときがある。イヤ、偶然なのだが、「テレビ」を教えているときに変な風に間違えたのだ。

    わたし:「テレビ」
    P.A.S.S.:「カルビ」
    わたし「焼き肉かよ (三村風)、テ・レ・ビ!」
    P.A.S.S.:「エレキ」
    わたし:「伝言ゲームかよ!!」

 お笑い大好き人間の私としては、タイムリーすぎてコントかと思っちゃいましたよ。こうやってツッコんだり、ツッコんだり、ツッコんだりしながら、うれしがってどんどん教えていっていると、彼女はいっぺんに憶えられないらしくてオーバーヒート。そんなこんなを繰り返しながら1時間程度ですべてのモノの名前を教え込んだ。憶えたかどうかのチェックは、「P.A.S.S. O.S.」のチェックボックスを見ることで確認できる。

 さて、「N.U.D.E.@ 」はゲームであるため、Phaseが区切られており、そこでクリアするべき項目をクリアすることでどんどんと先に進んでいく。ある一定時間内にチェック項目をクリアできなければ、“P.A.S.S.”の回収 (ゲームオーバー) もあり得るというわけだ。この制限時間はそれほど厳しくはないようで、Phase1はたっぷり2日ぐらいある。逆にこの2日が経過しないとゲームが次のPhaseに進まないため、のんびり彼女の顔を見ているくらいしかやることがない状態となった。

 もちろん先のPhaseになれば彼女とコミュニケーションを取ったりすればいいのだが、Phase1ではやることも少なく、ちょっと手持ちぶさたな時間となった。ある意味このゲームは毎日ちょっとづつでも起動して、のんびりと一緒の時間を楽しむコミュニケーション主体のゲームと言えるかもしれない。
 付け加えると、Phase1でもテレビやビデオでXbox用ゲームのプロモーションビデオを見たり、CDを聴いたりすることはできるし、写真を撮ることもできる。さらにPhaseが進んでいけば「P.A.S.S. O.S.」でブラックジャックを楽しんだり、競馬の予想をしたり、やれることは山のようにある。

【Phase1】
とりあえず「Phase1」ではものの名前を“P.A.S.S.”に教えていくことになる。すぐに覚えるものもあれば覚えないものもあるので根気よくやることが大切だろう 「P.A.S.S. O.S.」を起動すると育成に必要な項目が表示され、完了したものについてはチェックボックスに印が付く ゲームを始め「Phase1」では関係ないが、「Phase2」からは1日に一度、AM0:00に充填しなければならない



■ マイクの感度は良好

 マイクを使ってプレイしていると、コイツ本当に憶えてるのかと思って、声がどんどん大きくなっていき、真夜中に隣人から「『テレビ』、『テレビ』って何度も何度もなに怒鳴っとんじゃ!!」と怒鳴り込まれることもしばしばだが、じつは同梱のマイクの感度は実に良好で、ささやく程度でも充分音を拾ってくれる。ボソッと「憶えた?」と聞いても彼女は「憶えました」と答えてくれた。

 これまでPhase1のプレイ状況を説明してきたが、ここまでではなんだか育成ゲームのようだが、Phaseが進んでいけば彼女は“行動”することを憶え、どんどんと生活の幅が広がっていく。そうなると彼女との関係が教え、教えられている“親子”からコミュニケーションを行なう“パートナー”になっていくことに気付くだろう。事実、部屋に来た当初の彼女は全くの無表情だが、Phaseをクリアしていくと表情が豊かになっていく。そういった点も見逃せない点だろう。

 個人的には彼女と漫才ができたらなぁ……とか思う。いや、偶然にせよあのボケっぷり、彼女、才能あるって。ネタを仕込んで、コミュニケーションの一環として漫才までできちゃうゲーム。ゲーム大会などで「Halo Championship」とかあったけど、みんな集めて「爆笑オン エア バトル」みたいにXbox上のキャラクタと漫才やっちゃう。もちろんその再生データはネットワークにアップとかできたりして……いや、そりゃもう別のゲームかぁ。ま、そんなくだらない夢を持っちゃえるほどの仕上がりといえるだろう。

 わりとゆったりした雰囲気のゲームなので、これまでのゲームの感覚で“早く、早く”前に進むことだけを考えてプレイしていると、ちょっと辛いかもしれない。ゆったりした気分で楽しみたいところだ。

【スクリーンショット】
「Phase1」では単純にものと単語の連携を教えるだけ (これは“テレビ”といった具合) だったが、「Phase2」からは“行動”を教えていくことになる。テレビのスイッチをつける、カーテンを閉める……などなど。さらに高度になってくると、“P.A.S.S.”は料理まで作ってしまう
ゲームを始めた時は、ちょっぴりこわいほどに無表情だが、“行動”を理解し、プレーヤーと“教える、教わる”関係から“コミュニケーション”に変わる頃には表情が徐々に豊かになっていくことだろう


(C)2003 Microsoft Corporation. All rights reserved.
N.U.D.E.@はRED ENTERTAINMENTの日本及びその他の国における登録商標または商標です。CGデザイン/種田和宏

□Xboxのホームページ
http://xbox.jp/
□「N.U.D.E.@」のページ
http://xbox.jp/software/nude/
□関連情報
【2002年9月19日】レッドとMSが音声認識を使った美少女ロボット育成シミュレータ
Xbox「N.U.D.E.@ Natural Ultimate Digital Experiment」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020919/xbox.htm
【2002年9月21日】広井王子氏の新作「N.U.D.E.@」発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020921/xbox4.htm
【2月12日】声で会話して育て上げる、Xbox同居型コミュニケーションドール
「N.U.D.E.@ Natural Ultimate Digital Experiment」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030212/nude.htm

(2003年4月24日)

[Reported by 船津稔]


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