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Taipei Game Show 2003現地レポート

Gamania Digital Entertainment視察レポート
広々とした社内には珍しい施設でいっぱい

2月20日収録



 Gamania Digital Entertainmentはとにかく奇抜さを何より好むゲーム会社だ。社名はGameとManiaを合成した造語から取り、Ga-maは中国でミカンを意味するためこれがトレードマークとして使用されている。ブースにはオレンジ色の全身タイツ姿のオレンジマン(もちろん男)がいたり、ブース内に自社を称揚するネタ的博物館があったりする。中に入るとゲームカートリッジやゲームハードなどが置かれ、コンピュータゲームの変遷を真面目に辿ると思わせつつ、出口の手前にLANケーブルを刺し実物のミカンを置いて、名札に「Gamania」と書いてあったりする。

 以前、日本法人を訪ねたとき、「スタートレック」司令室を彷彿とさせるデザイン最重視のデータセンターを見せられて驚き、さらにこれはCEOの好みで「本社はもっと本格的です」といわれて二度驚かされた。機会があれば一度見たいと思っていたが、今回その機会が訪れたので、さっそくお邪魔させていただいた。


ゲームマスタールーム。ここに見えているPCはすべて「リネージュ」のGM用
マーケティング部。Taipei Game Showの準備で誰もいない
コマンドルームの入り口にある指紋チェックマシン。工事中につき作動していない
コールセンター。ここまで24時間体勢なのは驚きだ
 Gamania Digital Entertainmentは、台北市の南に位置する中和市にある。距離にして約10km。台北の中心街からタクシーで45分ほどかかる。本社は遼東世紀廣場と呼ばれる近代的な工業団地の一角にあり、16階を除く、11階から18階までを利用している。18階が受付で、上階から順番に見ていくことになった。

 まず最初に見せられたのは、ゲームマスタールーム。「リネージュ」をはじめ、現在稼働しているすべてのMMORPGのゲームマスターがここでサポートを行なう。視察時は、全ゲームともサーバーメンテナンス中ということで、200台近くのマシンには誰も座っていなかった。モニタの上には番号とサーバー名、GMのハンドルなどが記されている。

 ちなみに「リネージュ」は現在34台のゲームサーバーが稼働しているということだが、原則1サーバーにつき1人の割り当てという。これを3交代で24時間回していく。大変な作業だ。まだ奥にはスペース的なゆとりがあり、ここに新作のゲームマスターが座るものと見られる。

 続いて訪れたのは、社員食堂ではなく、社員専用のカフェ「Gam-ma Island」。Gamania社員はいつでもここに訪れて軽食を取ることができるという。奥には遊戯施設が用意されており、卓球やビリヤードなどに興じる社員たちでいっぱいだった。

 お次はマーケティング部のエリアへ。ここではパッケージのデザインから、製品企画、プロモーションなどが行なわれている。部内はTaipei Game Showのため、ほとんど人が出払ってしまっていた。なお、同社のコアといえる大きな開発室は、未発表のタイトルが開発されているという理由で入室できなかった。

 そしてやってきたのがデータセンター。業者を入れて大規模な工事が行なわれており、心臓部にあたる自慢のコントロール室は、厚手透明のビニールがかぶせられ、空きっぱなしになっていた。本来、ここに入室するには指紋チェックが必要という。

 工事中のためコントロール室も撮影禁止とされてしまったが、中央にモニタ付きのテーブルが置かれ、外周にも大型のモニタが配置されている。絶えずアクセスしたユーザーのIPアドレス、ユーザー名などが表示され、現時点でのアクセス人数、サーバー負荷など、さまざまなデータが一覧できるようになっている。不正行為についてもリアルタイムで処理できるシステムになっているということだ。

 ところで、このデータセンター。現時点で、最大50万接続を同時処理できる能力を持ち、日本とは海底ケーブルで結ばれ、日本のゲームサーバーもここで運営されているという。現在「リネージュ」だけで19万以上の同時アクセスがあるということで、今後に備えての増強工事ということだ。

 ちなみにスタッフに現時点での「リネージュ」の会員数を聞いてみたところ、340万人という。台湾でのユーザー登録には国民番号が必要となるため、これは実数に近い数字だということだ。台湾の人口が2,200万人だから7人にひとりが登録していることになる。

 さて、続いて訪れたのはカスタマーサービスセンター。ユーザーサポートは、オンライン上や電話を通じて受けることができるが、「直接話したい」というユーザーのために設置したものだという。また、台湾でトップシェアを誇る同社だけにGamaniaファンが存在するようで、そうしたユーザーのための憩いの場所でもあるという。

 中は広々としており、4人掛けのテーブルセットが4つと、ソファが1つ、入り口には警備員がひとり、奥に長いカウンターを挟んで5人のスタッフが常駐している。1日平均の対応数はだいたい30組。1人ではなく、友人達と複数で訪れるケースが多いという。なお、カウンターの向かいには同社がこれまでリリースしたパッケージ作品が並べられており、ファンなら一度は訪れてみたくなるような場所といえそうだ。

 このあと、Webサービスやゲーム雑誌の出版、テレビ放送などを行なっているメディア部門やハード関連のサポートを行なう部門などを視察し、最後に訪れたのはコールセンター。すでに夜になっていたが、各パーティションには漏れなくコール担当が座り、掛かってくる電話に素早く対応していた。ここもゲームマスタールームと同様に3交代制で、24時間対応。24時間電話対応可能なのは実に素晴らしい。

 なお、コールセンターのフロアの壁には、全員が見える位置に電光掲示板が設置され、ここに今日掛かってきた電話の本数や対応に掛かった時間、電話に出るまでの時間などが具体的な数字で事細かに表示される。また入り口には成績優秀者が写真付きで張り出されていた。仕事の意欲をかき立てさせるシステムだ。

 視察終了後は、同社CEO劉柏園(Albert Liu)氏とのインタビューが行なわれた。この模様については別記事でお伝えしたい。
社員専用カフェ「Gam-ma Island」。安い値段で軽食を取ることができる。大きめのボリュームでBGMが流れており、打ち合わせには不向き。完全に社員向けの慰安施設といった雰囲気だ

カスタマーサービスセンター。比較的遅い時間に訪れたため、中には誰もいなかった。日中は30組程度の来客を裁くという。ちなみにジュースの値段は市価の約半値だった

□Gamania Digital Entertainmentのホームページ
http://www.gamania.com/

(2003年2月24日)

[Reported by 中村聖司]


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