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Taipei Game Show 2003現地レポート

Taipei Game Show 2003開幕
ショウを通じて見た台湾オンラインゲーム事情

2月20日〜24日開催

会場:世界貿易中心

 台北市電脳商業同業公会が主催するアジア最大規模のゲームイベント「Taipei Game Show 2003」が20日から開催されている。フロア面積は7,000平方メートル、出展社数は29と、東京ゲームショウの半分以下の規模だが、昨年は入場者数60万人という実績を誇り、今年も55万人を見込む。イベントは土日を挟み、24日まで開催される。本稿では初日の模様を織り込みつつ、ショウの概括をお伝えしよう。


■ PC向けオンラインゲームが主流を占めるゲームショウ

台湾最大手のガマニア。一押しは日本でも発表された「巨商」
XboxとMicrosoft Game Studiosの半々ぐらいの構成だったMicrosoft。ステージイベントも世界標準(!?)の内容
ここが会場のメインストリート。奥の出口まで50〜60メートルほどだが、午後はこのとおりびっしり人でうまった
直販コーナー。通常のパッケージの売れ行きはあまり良くなく、MMORPGの特典付きキットが売れていた
 Taipei Game Show 2003は、台湾最大のPCゲームショウ。主催者側はアジア最大規模を呼称するが、これはあながち誇張でもないようで、昨年度の60万という実績、そして初日の凄まじい混み具合を見る限り、入場者数は間違いなくアジア最大だろう。昨年はPS2、今年はXboxと、コンソールゲームも徐々に参入しつつあるが、PCゲームが過半数を占めるところは韓国の展示会「KAMEX」に近い。

 東京ゲームショウやKAMEXなどと同様に一般来場者 (商業関係者など) も入場可能だが、出展模様はそれらよりも遙かにエンドユーザー寄りで、どのブースにも商談用のスペースなどは一切無く、ショウを行なうためのステージと新作ゲームの展示、およびゲームパッケージの直売といった構成になっている。さらに付け加えておくと、プレスや商談者向けの資料は用意しないのが当たり前で、ブースの隅には直販用のゲームソフトが段ボール入りのまま山と積まれているような状態だ。仮に用意されていてもそもそも海外からの参加を意識していないため、中文版のみ。このあたり、英語版ばかりか日本語版まで用意してくれるKAMEXにおける韓国メーカーとは隔絶している。

 ちなみに直販コーナーには、新旧入り交じって自社のゲームタイトルが並び、そのほか攻略本やイラスト集、オリジナルグッズ、オンラインゲーム用のプリペイドクーポンなどが扱われている。このあたりの事情は、今回唯一の海外子会社であるMicrosoftも同様で、Xbox本体や新作タイトルを販売していた(ただし、MSは直販ではなく販社経由で販売)。どのブースも売り子の声がもっともかまびすしく、売る気満々だった。これが台湾の文化なのだろう。

 またステージの内容もユニーク。一般的な新作のデモを行なっていたメーカーは、MicrosoftやGamaniaなどごく一部で、ほかは純粋に客寄せのためのダンスや演舞、クイズ大会などの各種イベントが目白押しだ。客受けも良く、催しの内容にまったく不満はない様子。

 さらに、数人一組で新作ゲームの看板やプラカードを持って通路を練り歩く派手な衣装の一団も頻繁に見られ、総じてゲーム展示会というより、屋内催し大会といった印象のほうが強い。もちろん、コンパニオンのデモを受けながら新作が体験できるコーナーもあるわけだが、いずれにしてもメーカーとエンドユーザーの距離がもっとも近いイベントという印象を持った。

 この背景には、同地で近年急成長を遂げつつあるオンラインゲームが、多くの国民にとってエキサイティングで必要不可欠なエンターテインメントだと認識されていると同時に、国家が積極的にゲームメーカーに協力してゲーム産業を盛り上げようとしていることなどがある。

 台湾政府の考え方は非常に明快かつフレキシブルで、現在空洞化が進行しているという自国のゲーム開発状況のてこ入れを行ない、ソフト産業を活性化させ、それをアジア圏で広く展開させることによって相乗効果を狙うというもの。アジア圏といっても、主要な目標は世界の市場とまでいわれるお隣の中国で、究極的には台湾を世界中のゲームを中国展開させるためのゲートウェイにするつもりのようだ。

 これは、同じように国が産業支援している韓国とはまったく逆の発想で、韓国はあくまで日米欧をターゲットに世界に通用するゲーム産業を育てることを主眼にしているのに対し、台湾は自国での開発には固執せず、中国市場の窓口として、ライセンス製品を自国および中国、香港に流して、着実にゲーム産業を育てていくという柔軟な姿勢を取っている。同じオンラインゲーム大国ながら、両国の支援スタンスの違いは非常に興味深い。

ステージイベントの数々。これはほんの一部で、各ブースとも数パターンのバリエーションで、ひっきりなしに開催していた


■ 課金決済はプリペイドカード決済が主流 台湾ゲーム市場が抱える問題点

「ラグナロクオンライン」のプリペイドカードは飛ぶように売れていた
ラグナロクのパッケージ。7日プレイ券付きで150円は安い。これはコンビニなどでも売られている
これはSoftstarの「クロスゲート」のスターターキット。プレイ権のほか、ゲーム内の現金などが特典としてついている
 さて、出展内容については、既述のようにライセンスタイトルが過半数を占め、台湾製ゲームの新作というと片手で余るほどの数しかない。ライセンス元は、韓国を筆頭に、北米、日本など。マクロ的に見ると、韓国や日本のMMORPGを台湾各社が1、2タイトルずつ取り合い、そのタイトルを軸に大々的にブース展開しているという感じだ。

 内情を聞けば、会員数30万人、最大同時アクセス1万人といった元気のいい声が帰ってくる。日本的な感覚でいえば、会員数が30万もいれば、同時アクセスは10万人ぐらいいても良さそうだが、これは台湾の決済方式にからくりが隠されている。

 台湾におけるMMORPGの課金決済は、日本や欧米のようなクレジット決済方式ではなく、プリペイドカードによるポイント補充方式で行なわれている。プリペイドカードはコンビニで手軽に購入できるため、年齢を問わず誰でも手軽に手が出せる反面、プリペイドのポイントが切れたら、途中までプレイして以降休眠してしまうユーザーも多い。

 現状、台湾で最大のシェアを締めているMMORPGは「Lineage(天堂)」だが、会員数が300万人という途方もないというより、まず日本ではありえないような数字になっているのは上記のような台湾独自の事情があるからである。ちなみに、「Lineage」の最大同時アクセス数は19万人で、さすがに多いがまずまず予想範囲内の数字といえる。

 こうしたことから、台湾の各メーカーは、あの手この手でユーザー引きつけ、入会後もなんとかしてプレイを継続してもらえるような工夫を凝らす。たとえば、台湾大手のひとつSoft-worldがサービス提供している「ラグナロクオンライン(仙境伝説)」のスターターキットはわずか39元(約150円)で買える。箱はDVDサイズのプラスチックパッケージで、フルカラー64ページのマニュアル、ピクチャーディスク仕様のクライアント、そして150ポイントがついている。

 1回(12時間)につき20ポイント消費で7回分。感覚的には1週間フルに遊んで150円。これでは確実に元が取れないが、39元なら子供でも楽に購入できる。その結果、ゲームにのめり込んでしまい、継続プレイするためにプリペイドカードを購入する。そこで初めて利益が発生することになる。

 こうしたことから各社とも正式サービス後もプレイを継続してもらえるようプロモーションに必死だ。ユーザーサポートもGamaniaは本社建物内にユーザーと直接対応するサポート窓口を設置するなど、日本よりも遙かにしっかりしており、ユーザーの支持をいかに得続けるかということについて、最大限の気を配っている印象だ。

 こう書くと、台湾のMMORPG市場は、いかにも優秀で世界でもっとも進んでいるような印象を受けたかも知れないが、実際にはさまざまな問題を抱えている。中でも最大の問題点は、どのメーカーも右にならえで、入り口を広く開け放ち、イメージ戦略でプレイの継続化を図るというマーケティング戦略を重視しすぎた反動として、本来もっとも重視されるべきのゲームそのものが軽視されている印象がある。このあたりの事情についてはブースレポートでお届けしたい。

□Taipei Game Show 2003のホームページ
http://show.tca.org.tw/tgs/

(2003年2月21日)

[Reported by 中村聖司]


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